もっかの情勢は、みなさん周知だろうから省略。
そして・・・・文庫になっているのか。
- 作者: 船橋洋一
- 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
- 発売日: 2011/08/05
- メディア: 文庫
- 購入: 1人 クリック: 5回
- この商品を含むブログ (1件) を見る
- 作者: 船橋洋一
- 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
- 発売日: 2011/08/05
- メディア: 文庫
- クリック: 2回
- この商品を含むブログ (1件) を見る
もとの底本は2006年に出版された。
- 作者: 船橋洋一
- 出版社/メーカー: 朝日新聞社
- 発売日: 2006/10
- メディア: 単行本
- 購入: 1人 クリック: 31回
- この商品を含むブログ (17件) を見る
小泉訪朝と六者協議の内幕。北朝鮮をめぐる、日・米・韓・中・ロの外交駆け引き、権謀術数…。北東アジアの危機の全貌が明らかに。緻密な取材によって、現代史の焦点を再現するノンフィクションの記念碑的大作。
今読んでも・・・・・・というかいま読んでこそハッとさせられる発言、描写、分析が多数あり、それを少しでも紹介したいのだが申し訳ない、最近ちょっとブログを書くための・・・・ただの引用だけでも、まとまった時間がなかなか取れない。
とにかく、こういう重要な本があるよ、という紹介のみで…
いや、書名と「書評」で検索して、リンクを張ってみよう
野村進評
http://book.asahi.com/reviews/reviewer/2011072701088.html
…錯綜(さくそう)した、“積み木くずし”がいつ起こるやもしれない世界でのやりとりを、あえて当事者たちが発した激しい言葉のみ抜き出して例示しよう。平壌の首脳会談用特別控室で、官房副長官だった安倍晋三は盗聴を意識しつつ、金正日に聞こえよがしに、日本人拉致への謝罪がなければ「席を立って帰りましょう」と小泉を促す。一方、北朝鮮側の「ミスターX」は外務省の田中均に、「私は命がけでやっているのです」と洩(も)らすのである。
ブッシュ政権閣僚は金正日を「あんなうそつきをどうやって信用できるのか」と罵(ののし)るが、米政府内では国務省と国防総省および北東アジアの「地域の専門家」と核の「不拡散専門家」との対立が先鋭化し、国務副長官のアーミテージなど、副大統領で“ネオコン”のチェイニーを陰で「あのアホ」と罵倒(ばとう)するのだ。
北朝鮮側の悪態は、枚挙にいとまがない。ところが彼らにしても、ロシアの外務次官から「狂っている」と呆(あき)れられたり、中国国家主席には苦虫を噛(か)み潰(つぶ)したような顔をされたり、おまけに頼みの綱の韓国政府高官からも「韓国をなんだと思ってるんだ」と公衆の面前で怒鳴りつけられ…(略)… かくして辿(たど)り着いた地点には、しかし、あまりにも多くの機会が失われてしまったあとの荒漠たる風景が広がる…(後略)
http://www.book-navi.com/book/penin.html
……著者は、朝鮮半島と台湾と関連づけて考える中国関係者のこんな言葉を紹介している。「「日清戦争は、朝鮮半島をめぐって、中国が日本と戦い、台湾を失った。朝鮮戦争は、朝鮮半島をめぐって、中国が米国と戦い、台湾解放の機会を逃した。もう一度、朝鮮半島をめぐって戦争が起これば、台湾が独立する危険がある」
中国の最優先順位は、朝鮮で動乱を起こさないこと、それによって台湾を再び失わないこと、すなわち平和と安定である。それでも北朝鮮が崩壊するのであれば、平和裡に崩壊してほしいということである」
こうした諸々の要素を考えあわせると、中国にとって「「現状維持」がベストのシナリオ」と……
自分もひとつだけエピソードを紹介しよう。
2005年夏、「六か国協議」において転機になったのがニューヨークでの北朝鮮核問題官民合同会議だったのだが、キッシンジャーが一役買って晩餐会が開かれる。ここに北朝鮮の李根局長が到着したとき、100人を超えるジャーナリストが待ち受ける姿を見て、米国高官の一人は北朝鮮が核を手放すことはないだろう、と確信したという。
北朝鮮が核を持っていなかったとしたら、キッシンジャーが李根を晩餐会に招くだろうか。
誰が李根の晩餐会到着を記事にするだろうか
本質的かつ、戦慄すべきエピソードではありませんか?