真田丸、完結しましたね。各種のインタビュー記事や感想、まとめなども多数。
ここがNHKが皆様の受信料で(笑)、各俳優にインタビューした奴の特集ポータル入口
http://www.nhk.or.jp/sanadamaru/special/interview/
全50回1年間、本当に「通して」視聴した大河ドラマはおそらく初めてだ。週の末にの時間を取られたり、プラスしてまとめやツイートを見るのも大変で、「やれやれ、これで週末の1時間が浮く」という安心感がある。来年は間違いなく解放されるしな(次作は見ないと決めつけてる)。
総括。
「真田丸」を見て、あーなるほどこういう視点はないなあ、と思ったのは、「戦国の世を、終わらされることへの抵抗」を、小大名の立場から描いた、ということでした。「独眼竜政宗」等を見ていれば、それに近い視点もあったのだろうけど、「いくさの無き世をつくりたいのう」と、みんながみんな思っていたわけじゃない。
いや、「いくさ無き世」がいやだというのは、「いくさをやりたくてやりたくてたまらない」じゃなくて「統一権力の支配を受け入れ、服従したくない」という意味だといえば納得がいくだろう。小たりといえども独立した大名なら、まずその自らが独立してあることに誇りを持ち、徴税権・兵権・裁判権などを自由に持つという得難い特権を握っている。織田信長だろうと、豊臣秀吉だろうと、徳川家康=江戸幕府だろうと、そこに屈する側の気持ちは同じなのだ。
ついでにいえば、臣従すれば平和になるかというと、今度はその下で動員されるわけだしね。(だから、大坂の陣で基本的にそれを手じまいした、江戸幕府はやはり大したものなのだ。)
これが、真田昌幸の上洛と秀吉への臣従、逆にそれを受け入れずに滅亡した北条家の描き方でよくわかった。
そのへんが、一番面白かったし、表裏比興の真田昌幸が縦横に活躍していたところがドラマとしても面白かったわけで。
あ、さらにいえば、戦の技術、戦術眼は「楠木正成の再来」とも劇中で呼ばれる真田昌幸だが、「どこの勢力に、いつ臣従するのが一番得か」という”大戦略”に関してはまったく五里霧中で、失敗をおかしまくる…というか、ドラマの中で「まったくわからん!」「どうしてこうなった!」と叫ぶ、そういう描かれ方も、あーなるほど、こういう視点はなかったなあと思うところのその2でした。
実際、記録を見ればそうだとしか思えんわけだし、リアルタイムで状況に直面すれば、いわゆる天正壬午の乱で「旧織田領はどうなる?」「上杉、北条、徳川のどれにつけばいい?」とか、「まったくわからん!」で当然なのですな。
遠方の10万の援軍より、今となりにいる5000の兵のほうが脅威、なんてことも普通にあるだろうし。
従来の時代劇・講談は、真田昌幸、真田幸村らのかくかくたる武勲(=戦術眼)から逆算して戦略眼でも超一流であると定義し、そこから逆算してかれらの振る舞いを見るから「正義感なので、悪の徳川家康と対峙し続けました」「豊臣家に忠義を尽くし続けました」という、まあ合理化する解が生まれたのだろうけど、ない、ないって(笑)。
そして最後は「巨大権力の秩序に大人しく入るぐらいなら、大いに暴れて力戦奮闘して、武名を歴史に残したい」と考え、それを実行して実績を残した……というのは、包囲した諸大名もやはり感銘を与えたであろう。
9:そして、#真田丸 でも最終盤の見せ場になるであろう、夏の陣で「家康本陣の旗を倒す」ほどの果敢な突撃。 pic.twitter.com/fz0Xfd9xaL
— gryphonjapan (@gryphonjapan) 2016年10月12日
もちろん、それは「とはいっても討ち死にか…こうやって幕府の一臣下となり、家名を保っているわしはやはり間違ってないんじゃよ、うん」という思いと、どこか深いところでは溶け合っている・・・・。
とある会社に入って、それなりに課長、部長にまで上り詰めたものが、かつての同期で、たとえば脱サラして小説とか音楽活動に人生をかけて、経済的には恵まれない(むしろ「破産した」かな?)けど、社会を揺るがすような傑作で名前を残した男を見る…ような、そんな感じに置き換えられるかな?
後半部分、「大阪編」はそういう思いで見ていました。
後半では司馬遼太郎「城塞」と比較します
このエントリでまとめてやってみたかったのだが、時間がないのでこのあとにでも。
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