風知草:「電通」に聞きたいこと=山田孝男 - 毎日新聞 http://mainichi.jp/articles/20160523/ddm/002/070/065000c
東京五輪招致の不正疑惑で最も気になるのは、広告代理店大手「電通」が果たした役割である。
(略)▽口座の名義はシンガポールの企業のもので、経営者は一時、スイスのルツェルンにある「電通」の子会社「AMS」のコンサルタントだった……。
◇
「電通」は、毎日新聞の取材に対し、AMSは「子会社ではなく、出資もしていない」と答えた。
だが、話はそこで終わらない。「電通」子会社に興味深い逸話がある。
1982年、「電通」はドイツの著名スポーツ用品メーカー「アディダス」傘下の企業と合弁で、ルツェルンに「ISL」という会社をつくった。
「ISL」の仕事は、五輪やW杯、世界陸上などのマーケティング権(ビジネスを展開する権利)獲得の裏工作だった。スイスの州法では違法ではないが、日本では法令違反の可能性のある工作もした。
95年、「電通」は「ISL」の株を売って撤退するが、その際、売却益の一部8億円を「ISL」に戻した。そのカネは、当時、ヤマ場を迎えていた02年W杯の招致合戦を勝ち抜くための活動費だった。
アジア初のW杯ホスト国を日韓が競った。終盤は韓国優位だったが、結論は日韓共催になった。
後日、「スイスに隠し資産」と読んだ国税庁が「電通」を査察したが、「ロビー活動」の評価に迷い、不問に付された……。
以上は、元「電通」専務の実名インタビューに基づき、気鋭のノンフィクション作家、田崎健太(48)が書き下ろした「電通とFIFA」(光文社新書、本年2月)の一端だ。
へええ
裏金、権力闘争、ロス五輪、放映権、アフリカ票――逮捕者続出!
- 作者: 田崎健太
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2016/02/18
- メディア: 新書
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まさに 全員悪人!
FIFAは生まれ変わるのか?◎内容紹介◎
ワールドカップ開催、それにともなうスポンサー、放映権――。
七〇年代半ばまでヨーロッパ中心だったサッカー界を大きく成長させ、そして腐敗させたアベランジェとブラッターというFIFAのドン。その背景には、日本の総合広告代理店・電通の影があった。
誰がサッカーを“仕切る"のか。
2月末の会長選を前に、サッカービジネスを知り尽くす電通元専務取締役が、すべてを語った。
巨大化するサッカーとカネの関係にメスを入れる、ノンフィクション作家・田崎健太の意欲作。◎著者プロフィール◎
ノンフィクション作家。一九六八年京都府生まれ。
早稲田大学法学部卒業後、小学館に入社。「週刊ポスト」編集部などを経て、一九九九年末に退社。スポーツ、政治、旅などさまざまなテーマのノンフィクション作品を発表。
多数の証言を元にプロレス界に迫った『真説・長州力 1951‐2015』(集英社インターナショナル)、自ら死を選んだ元メジャーリーガーの生涯を追った『球童 伊良部秀輝伝』(講談社、ミズノスポーツライター賞優秀賞)、名優と昭和の映画界を描いた『偶然完全 勝新太郎伝』(講談社+α文庫)など著書多数。早稲田大学スポーツ産業研究所招聘研究員。◎目次◎
第一章
ペレを日本に呼んだ男
第二章
現金入りの封筒
第三章
契約解除通告
第四章
兄弟
第五章
日本か、韓国か
第六章
全員悪人
わたしの言いたいことはただひとつ。
「その裏金を、UFC JAPANを赤字を気にせずに開催することに使えよ!!!」である。