INVISIBLE Dojo. ーQUIET & COLORFUL PLACE-

John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

国会で小林節氏が「自分が言ったと信じられない、削除する」と語ったダイヤモンド記事捏造疑惑(?)…その後どうなったの?

「国民怒りの声」ではクラウド・ファウンディングを実施中。支持をしたい人は、ふるってご寄付したまえ。
http://kokumin-no-koe.com/

ところでさ。
小林節氏は、そのいまの主張や政治姿勢とは別に、「ちょっと前の発言と意見が正反対になってるぞ」という批判がありました。

これは2006年記事。


10年前とは意見が違ってきたんだ…という話もありましょうが、2013年7月(すでに安倍政権に批判的だった)の、この記事も話題になっている。

http://diamond.jp/articles/-/39334
 結論から言えば、自民党案の中で「自衛権」や「国防軍」の記述は、世界の常識に適ったものだと思います。…(略)…、現在の9条の解釈は理想どころか「空想」なのです。人間の集団たる国家は、無防備ではいけません。実は、戦争と平和の考え方は、憲法ではなく国際法の問題です。国際法に照らせば、独立主権国家には、他国に侵略の対象とされた場合に、軍事力を使ってそれに抵抗し得るという「自衛権」があります。国際社会では、自衛権は国家が先天的に持つ権利、つまり「自然権」と解釈されています。
(略)
政府は自国の自衛権の存在を認めています。そうなると、自衛権を持つ独立主権国家が「個別的自衛権」と「集団的自衛権」の両方を持っていると考えるのは、国際法の常識です。

 政府は憲法の立法趣旨に照らして、集団的自衛権を自らの解釈で自制していますが、このままだと日本は、他国に攻められたときに自分たちだけで自衛しなくてはいけません。しかし、「襲われたら同盟国が報復にゆく」というメッセージを打ち出せる集団的自衛権は、他国の侵略を牽制する意味においてもメリットがあります。だから、改めて「日本は集団的自衛権を持っている」と解釈を変更するべきでしょう。


んで、これは日本国憲法にいうところの「国権の最高機関」たる国会で話題になった。

[003/004] 186 - 参 - 憲法審査会 - 4号
平成26年05月26日
http://kokkai.ndl.go.jp/

 小林先生、二〇一三年の七月のダイヤモンド・オンラインの記事によれば、こう述べられていらっしゃいます
 政府は憲法の立法趣旨に照らして、集団的自衛権を自らの解釈で自制していますが、このままだと日本は、他国に攻められたときに自分たちだけで自衛しなくてはいけません。しかし、襲われたら同盟国が報復に行くというメッセージを打ち出せる集団的自衛権は、他国の侵略を牽制する意味においてもメリットがあります。だから、改めて、日本は集団的自衛権を持っていると解釈を変更するべきでしょう。
 今の日本は海外派兵を自制しているため、自国が侵略されそうなときは同盟国である米国に助けてもらえる一方、米国が侵略されそうなときは助けに行けない。日米安保条約は片務条約になっています。これまで日本は、九条のおかげで日米安保にただ乗りし、米国の傘下で安心して経済発展に邁進することができた。
 でも、これだけの大国になった今、それでは済まないでしょう。今後、集団的自衛権を認めれば、日米安保が強化され、日本の領土をより安全に守ることができるようになるはずです。
 これ、記事、今もネットに上がっておりますし、これ、事実であろうかなとは思うんですが、最近では小林先生は安倍総理が目指している憲法解釈改憲は大変危険だというふうに述べておられます。
 集団的自衛権憲法解釈の変更について、先生はどこまでであれば容認できる、どのような議論が進めば容認できると考えていらっしゃるんでしょうか。


参考人小林節君) 今のネットの記事、私が言ったとは、ちょっとインタビュー受けたんですけど、到底信じられない。確認の上、削除します。
 もちろん、私も人間ですから、議論の中で、過去三十五年、変わってきましたので、縦で見れば私の発言の矛盾はあり得ると思います、宗教じゃないですからね。日々議論の中で私は変わってきていると思います。
 それで、さっきの国連憲章の話ですけれども、こんなの国際法の常識で、国連憲章上権利が認められているけれども、それによって権利義務の履行を各国の機関が、エージェントがする以上、国内法に、つまり日本国自衛隊が出ていく以上、日本の法律と予算の裏付けがなかったら行けないんですね。その上に憲法があるんです。ですから、いろんな国際条約見ていただければ分かりますように、締約国はこの条約の権利義務を自国の法制の制約の下で実施すると書かれているものいっぱいあります。ですから、国連憲章上持っている権利だけど国内法上行使できないなんて異常でしょうという議論は異常だと私は思います。
 それから、米軍基地を提供していることは、私はすばらしい双務性だと思っています。だって、基地を提供するということは主権の明渡しに等しいんです。抵抗されたら返してくれないもの、米軍基地が日本に向かってきますもの。だから、十分アメリカにとっては、あれはアメリカのためにある基地ですから、双務性があって、何も一緒に飛んでいけなくてもいい。
 それで、集団的自衛権という概念ですけれども、米軍基地を提供しているから集団的自衛権行使しているというのは、これは無理な話で、集団的自衛権というのはさっきも申しましたように国際慣習法上の権利ですから、同盟国が戦渦に巻き込まれたときに無条件でその現地へ飛んでいって一緒に巻き込まれるという権利ですからね。海外派兵ですから、基地提供ではそれは代替できるものではない。ただ、バランスは取れているでしょうという話で。
 それから、解釈変更ですけど、最初の自民党民主党の御質問に対して答えましたけど、憲法九条は少なくとも海外に軍隊を出さないということだけは明確、この枠を超える以上、これは解釈じゃなくて脱法行為だよということは今私は明確に主張しております。
 さっきの御指摘いただき、ありがとうございました。そんなもの、ちょっとほっておけませんので、ちゃんと手続を取らせていただきます。ありがとうございます

動画はこちら、9分30秒から。

事実だとしたら、たいへんなことである。
その人のインタビューと称しては発表された文章の中で、「言ったとは到底信じられない」内容があったとあれば、いろいろニュアンスの違いや省略編集の手続きなどもあろうが、しかしあまりに乖離がはげしければ「捏造ではないか」という疑いも持たざるを得ない。
伝統ある「ダイヤモンド」の編集部としては大スキャンダルであり、ただの削除では済まされない。正式な謝罪も必要かもしれないし、編集部の引責や、廃刊もありえるかもしれない……

さて、どのような手続きをとったのだろう??
と思うと…

結論からいうと、わがくにの、国権の最高機関、唯一の立法機関で、憲法学者が厳粛に「確認の上、削除します」「到底信じられない」「ちょっとほっておけません」「ちゃんと手続を取らせていただきます」と言明したこの記事……


2016年現在、この記事がバリバリ存在しているんですけど。

権力者はやりたい放題、国民の義務ばかりが増える 日本人が知らない自民党憲法改正案の意義とリスク――小林節慶應義塾大学法学部教授に聞く|シリーズ・日本のアジェンダ憲法改正」でどう変わる?日本と日本人|ダイヤモンド・オンライン http://diamond.jp/articles/-/39334 @dol_editorsさんから


さて、すると話のスジとしてはこうだ。
小林節氏の主張を信じるなら
・「ダイヤモンドオンライン、インタビュー記事を捏造!主張を正反対に歪曲」疑惑が存在する。
・小林氏は上を主張し「削除させる」「手続きをとる」と、神聖な国権の最高機関・国会で明言した。
・しかし、結果として2016年現在、記事は掲載され続けている。
・小林氏は、削除の手続き、申し入れをしたけど、ダイヤモンド社が拒否したのか?
・あるいは小林氏はそもそもこの削除手続き、申し入れをしてないのか?
・していないなら、あるいはダイヤモンド社が拒否したのなら
・「実は小林氏は確かにこういうことを言ってたけど、国会でのその場しのぎのウソとしてああいう発言をした」疑惑が浮上する!!


…というね。
憲法学者ならスル―されたかもしれませんが、来る「国権の最高機関であつて、国の唯一の立法機関」の参議院選挙で国民の審判を仰ぐ立場になると言明した小林氏なら、ちょっと平成26年に国会で発言したこの件について、決着を求める権利が有権者にはありましょう。


さて、その事実はいかに??