http://www.asahi.com/articles/ASJ3B4KGKJ3BUHBI018.html
米IT企業グーグル傘下の英グーグル・ディープマインド社が開発した囲碁の人工知能(AI)「アルファ碁」と、世界で最も強い棋士の一人、韓国のイ・セドル九段(33)の第2局対決が10日午後、ソウル市内のホテルで行われ、アルファ碁が連勝した。対局は15日まで全5戦行われる。
李九段は対局後の記者会見で「昨日十分驚き、今や言葉もない。全くの完敗。少しでも優勢だと感じる時が一度もなかった」と話した。(ソウル)
自分はコンピュータ将棋に関してさんざん記事を書いていて、いろんな視点や考察はそこで書ききっているから、付け加えることはほとんどないけど、一点のみ強調。(これもなんども書いたと思う)
いつもAI将棋、囲碁、チェスを見るたびに思うんだが…これだけ複雑なゲームに勝利するコンピュータも、まだ普通の英文小説を自然な日本語に自動翻訳するのって不可能。…言葉ってそれほど複雑なんだなあ…と。
シャーロック・ホームズ「まだらの紐」を翻訳させてみる。
原文
『ON GLANCING over my notes of the seventy odd cases in which I have during the last eight years studied the methods of my friend Sherlock Holmes, I find many tragic, some comic, a large number merely strange, but none commonplace;』
天下のグーグルの機械翻訳
『私は最後の8年の間に私の友人シャーロック・ホームズの方法を検討してきた70奇妙な例私のノートを眺めたON、私は多くの悲劇的な、いくつかの漫画、単に奇妙な多数が、どれも当たり前を見つけます。』翻訳家の翻訳
http://www.221b.jp/h/spec.html
『友人シャーロックホームズの捜査手法を詳細に観察し、記録に残した奇妙な事件は、過去八年間で七十件に及んでいる。この事件記録に目を通してみると、その多くは悲惨な事件だが、中には笑いたくなる事件も見つかる。単に奇妙なだけの事件も数多いが、ただの一件もありたきりな事件はない。』
霊長類ヒト科の圧勝というか、相手にもなりゃしない。
言葉というのはそれほど微妙絶妙であるともいえるし、数学的ロジックが通じないいい加減なものだともいえる(笑)。
追記 AI囲碁vs人間、こんなドラマチックすぎる展開に・・・
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2016/03/11/2016031100881.html
「あれ…? あれ…? 今まで見てきた手の中で一番衝撃的な手のような気がする。これは不思議だとしか言いようがないのでは?」(チェ・ユジン囲碁アマチュア五段)
「不思議だというよりも、あり得ない手です。プロの感覚では考えも付かない手です。どういう意味で打ったんでしょうか?」(イ・ヒソン九段)
10日、韓国トップの囲碁棋士、李世ドル(イ・セドル)九段と人工知能囲碁ソフト「アルファ碁」の第2局を中継していた韓国棋院運営の「囲碁TV」解説者たちは「解説」ではなく「疑問」を連発した。対局開始約45分後、「アルファ碁」が打った手に戸惑いを隠せなかった。「アルファ碁」の予測できない変則的な手や、ミスだと思われた手を到底説明できないといった様子だった。李煕星(イ・ヒソン)九段は「どうやってこの囲碁が…(『アルファ碁』が)勝てる囲碁になるのだろうか」とため息をついた。
中盤を過ぎても次々と繰り出される「アルファ碁」の意外な手に、困惑を通り越えて恐怖すら感じているかのようだった。金成竜(キム・ソンリョン)九段は「『アルファ碁』はデータにない手を打っているようで怖い。『アルファ碁』の自己学習能力が進んでこういう碁を打つなら、人間はあまりにも無力な気がする」と言った。
(略)
「視聴者の皆さんに申し訳ない。李九段の敗着(敗因となった石の置き方)が分からない。人間の目で見ると、『アルファ碁』はミスばかりしていた。今までの理論で解説すると、『アルファ碁』の囲碁は答えが出ない」と言った。対局が終わった後、宋泰坤九段は本紙の電話取材に「対局を見ながら中継している間、狐につままれたような感じだった」と語った。対局会場で解説者を務めた劉昌赫(ユ・チャンヒョク)九段は、対局を見守る間、何度も首をかしげて時折言葉を詰まらせた。劉昌赫九段は「『アルファ碁』が中盤以降、終始優勢を保ったのは驚異的だ。『アルファ碁』は第1局とは違う姿を見せた。『アルファ碁』の棋風は全くつかめない」と言った