ボストン美術館の「キモノ試着イベント」が中止に 理由は人種差別、白人至上主義? http://huff.to/1TrqtkG
ボストン美術館は7月7日、巡回展で行われていた着物の試着イベント「キモノ・ウェンズデー」を「人種差別だ」という抗議を受けて中止にした。
中止となったのは、クロード・モネの「ラ・ジャポネーズ」の前で着物に触れてみたり、試着して絵画の前で記念撮影できるイベント。ソーシャルメディア上で「文化的に無神経で人種差別だ」との抗議の声が広がり、美術館の現場で抗議する人たちも現れた。批判はさらにエスカレートし…
(略)
イベント自体は攻撃的でなくても、損害を与え、精神的に傷つけるものだという。「オリエンタリズムの影響で南アジア、東アジア、そして中東の伝統的なさまざまなカルチャーがエキゾティックになる。そしてその結果、現在まで攻撃的な姿勢がオリエンタリズムの人々に向かい続ける」
ハフィントンポストの見出しの付け方がわざとかミスか紛らわしい言い方で、「理由は人種差別、白人至上主義?」では、「企画が人種差別「だと批判を受けた」」という本来の意味ではなく「人種差別によって企画が中止となった」とも読めてしまう。まあ、巧い釣りだな、参考にするわ(笑)
で、そこにつけたブクマを少し補足して。
A国の文化がB国で、同国流のアレンジや誤解を含みつつ定着
↓
A国では「その誤解やアレンジは差別だ、偏見だ、オリエンタリズムだ」vs「どんな形でも普及は嬉しい、大歓迎。そのアレンジも面白い」が半々ですた。
↓
さあ、B国どないしょ?
どうするったって、実際的なところでは「A国がらみの話はめんどくさい。肯定も否定も、純粋もアレンジも含めてタブーにしとけ」といって、無かったことにするのが一番効率的ではある。…いやいや笑い話ではない、それに近い実例がいろいろあるような、無いような…。
まあ、そういうもんだろう。
スシもニンジャもカラテもカブキも、「あちらでは顔にペイントして毒霧を吹くのがカブキ」みたいなアレンジで伝わっても…これは喩えが悪いな(笑)
とにかく上にあるように、「あちらではアレンジされてこんなふうに変形されたの?」というのに怒る人もいるし、嬉しい人もいる。
これはもう、必然的にどうしようもないことだ。
ただ、それを今回のように「NO」というアクションに発展させて、相手に抗議だか圧力だかを加える勢力は、必然的に「許容する側」ではなく「怒る側」であろう。
んで、その抗議は、正否の議論は多いにやればいいのだが、基本は抗議手段が「いかにして」の問題で、暴力や脅迫でなければそれは自由にやってもらうしかない。
ただし、結果としてそれによって(主催者の自由意志とはいえ)企画が中止したり変更になるなら、「アレンジ結構。そういう形で定着するのは嬉しい」「自分は全然問題とは思わないんだけど」と感じる側には、「別の形の抑圧」として機能するのですな。
これは文化問題やオリエンタリズム問題というよりすべての「抗議」問題、というべきかもしれない。
そして自分はけっこう、こういうPCをめぐってややこしい事態になっているのを見るのが好きだったりする(笑)。PCは「おもしろい」!
こういうオープンレターが話題になったが
在日黒人男性から日本人へのオープンレター
http://bayemcneil.blogspot.jp/2015/07/an-open-letter-to-japanese-people-from.html
だが、正確に言えばこの意見も「在日黒人男性の中の一個人から」のオープンレターだな。
実際の話として、ステロタイプといえば悪く聞こえるが、断片的なものでも、異なる国や民族などの「パブリックイメージ」を起点にしてコミュニケーションを取り、そこから理解を深めることを、「当事者のあちらが喜ぶ例」も、厳然として存在しているのであることは押さえたほうがいい点だ。
それとも、「ヘタリア」は絶版にしますかな?
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:黒澤が死んだ日、キューバ映画研究所に留学してた著者(四方田犬彦)は所長から「どうか気を落ち着けて聞いてくれ。貴国の偉大なクロサワが先ほどなくなった」と厳粛に伝えられたという。カストロも追悼声明を出し、街角で「クロサワ!」「ヨジンボー!」と声を掛けられた。
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20150202/p2
一人の兵士が、ひょいと「日本人だというが、だとしたら空手はできるのか」と訊いてきた。少しばかり心得はある、と答えると、俄然兵士達の目の色が変わった。矢継ぎ早の質問攻めにあい、そればかりか、わざわざ兵舎まで「伝令」が走っていく。そのうち軍曹だの将校だのが「ニッポンのカラテマン」の顔を見にやってくるという騒ぎとなった
「ジャパン、ヤクーザ!」と話しかけられて、にこやかに山口組直参組長の話題を教えてあげたり、「ニンジャ、ニンジャ!」と言われて「ニンジャ・キリング・テクニーク!」と立ち関節技を極めてあげることのできる人だけが「あそこは親日国」とか言いなさい、と思う中東某国の昼下がりです。
昨日取材した親露派戦闘員の1人は「キョクシン、オオヤマ、イチ、ニ、サン」と知る限りの日本語で話しかけてきた。空手をやっていたと笑顔で型を見せてくれた=日本時間7月22日発信
パリで中東系移民の子孫と思しき少年などからも大喜びで「アチョー」のポーズされました。皆さんもパリとかで歩いていて遠くの方からちょっとエキゾチックでかわいい男の子が目ざとく見つけてポーズ取ってきたら微笑んでやってください