※【記録する者たち】は、一種の準タグです。この単語で検索すると知識や情報の保存や伝承に関する記事が出てきます
http://mainichi.jp/select/news/20150630k0000m040097000c.html
国立国会図書館がテレビやラジオ番組を録画・録音して保存する「放送アーカイブ」構想の実現に向け、国会の議論が加速している。今年5月には超党派の議連が発足したが、議論を主導する自民党内には、テレビの報道への不満から、事後検証にアーカイブを活用しようとする意見もあり、放送業界は「事後検閲につながる」と警戒を強めている。構想は(略)、骨子案も公表された。「放送アーカイブ議連」(会長、野田聖子自民党衆院議員)は…27人が呼びかけ人となって発足。議連はこの骨子案を継承している。
骨子案によると、国会図書館で受信できるNHKや在京民放5局、BS放送7局、首都圏のAM・FMラジオの全番組を保存。コピーは認めず、保存後に一定期間を置いて視聴できるようにする。
これに対して放送業界は「公権力によるメディア監視につながりかねない」と反発し、国会議員と距離の近い国会図書館以外での実施を求めている。また、図書館での保存、閲覧は放送の目的外使用に当たるため著作権者から改めて許諾を得る必要があるという課題も指摘されている。
この放送アーカイブ議員連盟の議事録や資料を公開してほしいもの。
会長は、能力的にあまり期待しがたいが…。しかしハサミも使いよう、だ。
で、場所はどこでもいい。
それより
・録画する放送局が足りない。CSから主たるネット動画まで全局をやれ
・コピーを全面禁止に反対。条件付で可能とせよ
という点が問題。
あと「許諾を得る必要がある」は一種のゴルディオスの結び目であって、現行法だと膨大な手間が掛かるが「アーカイブは許諾必要なし。以上」という新法を作ればいい。それだけ。
Listening:<放送アーカイブ構想>「文化的資産」に政治色が見え隠れ - 毎日新聞 http://mainichi.jp/journalism/listening/news/20150706org00m040003000c.html
残念ながら、圧倒的に推進側に説得力がある。
現状でこの有様。
出席したメディア研究者が放送番組の研究目的での利用を放送局に認められにくい現状を訴えると、「放送局の横暴だ」とのやじも飛んだ。
◇海外は
国会図書館によると、フランスでは1995年から国立視聴覚研究所がテレビやラジオの全番組を受信して保存し、国立図書館で研究目的に限って公開している。95年より前の番組も一部はネット上で見られる。
英国では88年から英国映画協会がテレビ番組を録画、保存している。公共放送のBBCは全番組、民放は約8分の1の番組が保存対象で、著作権者の許可が得られたものは協会施設内で有料で視聴できるという。
米国は議会図書館が放送番組を収集し、研究目的に限って公開する
反知性主義とはなんぞや。
放送アーカイブ、報道監視に利用 島尻氏が意向 - 琉球新報 - 沖縄の新聞、地域のニュース http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-244937-storytopic-3.html
というのを読んでも、およそ「ああ、設立は慎重にしないとね」と感じるようなところはまるでない。何しろ、新聞、雑誌、書籍と同じ場に立つだけなのだから。
『放送業界は「事後検閲につながる」と警戒』は、じゃあ新聞雑誌の検閲をふせぐために、新聞雑誌の保存をやめるんですか、でおしまいだろう。国会図書館で保存されれば、それは政治家でも確認できるし、一般市民、反体制団体でも確認できる。
道路も図書館も、権力者や軍が活用することもできれば、普通の人々や反政府の人々も使えることが出来る。
…そして以前も書いたが、いまやHDDの進化で、やろうと思えば巨大資本…どころか中小資本だって可能なんだよ。自民党レベルなら、本気になればできる。公共での保存と公開ができなければ、一定の目的や利害を持った、お金のある『民』だけができて、お金や組織の無いところは確認できない、ということになるだけなのだ。
というわけで不満は多いが、この国会図書館放送アーカイブは制定を強く支持し、早期の実現と拡大を求める。
皆さんも実現への支持を。
過去記事・資料集
「放送番組再検証法」or「映像図書館」を。 -http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20050116/p3
「ニュース映像の図書館作れ」毎日新聞記者が提言 - http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20050929/p2
「TV番組のアーカイブ図書館を作る動きがあるが、放送界が抵抗して進まない」(閑居twitter) http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20150602/p4
二、各国のアーカイブ制度等視察
衆参両議院の議院運営委員会においては、我が国の放送番組を出版物と同様に
文化的資産として蓄積し後世に伝えるため、国立国会図書館に放送アーカイブを
設けるための検討を行った
http://www.sangiin.go.jp/japanese/kokusai_kankei/kouryu/h25/pdf/giun-houkoku.pdf
2013年3月30日開催 文化情報資源政策研究会シンポジウム 記録
パネルディスカッション(吉見俊哉・松岡資明・福井健策・藤原通孝・生貝直人): http://wp.me/p3yIEB-21 @wordpressdotcomさんから
これはブログ記事。大変に示唆に富む。
国会図書館:「放送アーカイブ」計画 議員「文化資産、保存・公開を」/局側「著作権を不当に制限」 毎日新聞 2012年07月20日 東京夕刊 - YUM.archive: higher resolution remaster http://higher-resolution.blog.jp/archives/12443744.html
現在、はなはだ役者不足ながらこういう施設もある
http://www.bpcj.or.jp/