【トンガ噴火お見舞】INVISIBLE D. ーQUIET & COLORFUL PLACE-

John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

『ライトノベル「超」入門』〜ライトノベルって何?という疑問に、歴史や分類を通じて手堅く答える本(新城カズマ)


自分は「はじめて物語」が大好きで、しかも創作上の物語やキャラクター、設定……、そういうものの起源をたどる研究というのを特に好む。
それを最近はタグ「創作論」
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/searchdiary?word=%2A%5B%C1%CF%BA%EE%CF%C0%5D
準タグ【創作系譜論】で通読できるようにしはじめた。


ただ、残念ながら予備知識、前提の知識が全然豊富でないのだ。
それを補うために入門書があれば…と思ったら、図書館で見つけたこの本が非常に有益だったと。2006年に出版された本だけれど。

出版社からのコメント
萌え、ボーイズラブやおい系。言葉は聞いたことあるけど、意味がよくわからない。人気のライトノベル小説というものを読んでみたいが、どれを選べばいいかわからない……そんな方に本書はぴったりのガイドブックです。単なるマニュアルだけでなく、「ラノベのルーツは源氏物語?」「三銃士は立派なラノベだ!」など、人気ライトノベル作家の著者の鋭い視点からライトノベルのルーツも探ります。
 
内容(「BOOK」データベースより)
次々と新レーベルが創刊され、中高生をメイン・ターゲットに勢いを増している「ライトノベル」、通称ラノベ。人気作家が、ラノベのルーツ、楽しみ方、今後の展望などを徹底解説。初めて読むかたから、もっとラノベを知りたいかたまで幅広く網羅した本格ガイドブック。「代表的ライトノベル内容紹介」「キャラ類型解説」「人気キャラクター紹介」「ライトノベル関連年表」付。

以下、自分がほーと思ったところを、Q&A形式なども活用してメモ。


Q:「ライトノベル」って用語はいつできたの?名称の変遷を教えて
A:1990年代初頭です。パソコン通信ニフティ会議室で、こういうジャンルを語る会議室が書評全体の寛喜質から分離して誕生した時、シスオペの神北恵太さんが考案した。外国での少年向け文学「ジュブナイル」や「ヤングアダルト」とはちょっと違うよね…という共通認識があったので、名称の必要性も出たのでしょう。ファーストノベルなどもあった。


Q:ライトノベルの起源と歴史は?
前史として位置付けるべきなのは高千穂遥クラッシャージョウ」「ダーティペア」、栗本薫の「グインサーガ」などでしょう。時に高千穂小説は、イラストに安彦良和を使用。「アニメ的なイラスト」というライトノベルの一大特徴を生み出しました。
しかし「ライトノベル元年」というなら1990年。神坂一の「スレイヤーズ」シリーズの年としたい…あ、でも「ロードス島戦記」はその前、1988年に生まれてます。
スレイヤーズはそれまでと違って、イラストの色を「アニメ塗り」にするという特徴もありました。(このへんが正直、読んでもよく分かりませんでした…)

【追記】以前、こんな話がありました。平井和正が元祖?という話。
ライトノベルに関して、面白かった話題三題(起源論、ヒロイン論、現在の人気論) - http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20121029/p3


Q:ライトノベルにおける「キャラクター」について教えてください。
まずキャラクター,・・・たとえば「キャラがかぶる」的な概念が80年代のお笑いブーム(お笑いのメタ的消費)とかで生まれました。あと、当時はテーブルトークのRPGもありましたね。そちらで知られてきた概念なのかもしれません。ゲームではやはり魔術師はこう、戦士はこう…というのは性格類型も交えて生まれてますから。

ライトノベルにおけるキャラ認識は「天地無用」が重要。(その前に「うる星やつら」もある)…まず「ハーレムもの」がある。ハーレムものにはたくさん女性が出る。その女性たちを認識・分類する中で「キャラ」という概念が浸透した…という流れもあります。
あと、ゲームがあります。ゲームの展開のエンドは多様。なら、ストーリーから登場人物のキャラクターが生まれるのでなく、キャラクターの性格でゲームの展開を位置付けるようになりました。
ただし、登場人物が複雑な内面とかじゃなく、類型として登場するのは別にライトノベルゆえではないです。歌舞伎もオペラも、そういうものです。
ちなみに、歌舞伎もライトノベルも、発展していくにつれて「キャラを重ねる」現象が発生します。ただのお姫様でなく「お姫様が若衆の生まれ変わりで淫乱で蛇の霊がついている」とか、めがねっ娘だけでなく「義理の母親で宇宙人でメガネっ娘」というように(笑)
そして90年代は「類型を類型として分類したり命名しなきゃ」という衝動が高まってきました。(「ツンデレ」とかのことかねえ)


Q:どんな類型があるの?
A:この本では17ページ25類型の一覧があります。とても写してられません(笑)



Q:ライトノベル的発想は昔はなかったの?
源氏物語は、基本キャラ小説だし、読者は光源氏の君に”萌えて”たと思いますよ。「南総里見八犬伝」なんかもろキャラ小説だし、イラスト重視だし…あと、中世ヨーロッパの悪魔本も「僕の考えた最強の悪魔」っぽいし(笑)
三銃士などのデュマの小説、それからドストエフスキーとかも…ドストエフスキーは外見と性格、名前と性格を一致させて、キャラクターをその一典型としてふるまうという点ではライトノベルに近いでしょう。



・・・・・・・なんていう話が書かれていました。
知らない話もかなり多いのですが、その「知らない話」をなんとか門外漢に説明する手法も含めて、かなり分かりやすいと思いました。このブログでは初期、こういう答えをしらないままあれこれ考察していたこともあって、余計な手間だったかもしれないけど、逆にそれで鍛えられたこともあったかな。

新城カズマ氏は、最近戦国時代の島津を描いた小説が評判らしい。

島津戦記

島津戦記

「銀」を支配するものが、乱世の覇者となる――島津四兄弟が見た「戦国」の真実は、これだ! 関ヶ原、幕末。分岐点にはいつも「島津」がいた。もちろん戦国黎明期にも。薩摩には「海」があった。信長の欲望、本能寺の火、ザビエルの夢想。すべては海から始まる。「島津」と「銀」だけが知る戦国力学とは? これ以降「歴史小説」は変わった。後世、そう言われることになるだろう。史実と想像力が融合した超進化型戦国巨編、誕生!

銀、経済の概念を導入した戦国小説か。
井沢元彦に「銀魔伝」ってのがあったかな。