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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

「闇金ウシジマくん」作者が「地方都市のショッピングモール」を舞台にした読切漫画をモーニングに描いてる

すまん!!
だが、紹介するのが遅れて明日、6日の木曜日には「モーニング」の新しい号が並んでしまう!!普通に本屋で買うなら今日がラストチャンスだ!!!!!

http://morning.moae.jp/magazine/morning

【プレミアム読み切り劇場REGALO】毎号掲載1周年記念スペシャル!
スマグラー』『闇金ウシジマくん』の真鍋昌平氏、モーニング初登場!
『ショッピングモール』
真鍋昌平

…ん?あ、でもデジタル版がモーニングにはあったな。あれならバックナンバーも多分買えるはずだ、やれやれ一安心。

デジタルモーニングに関する解説紹介記事。
http://www.bookwave.jp/digital-morning/

追記

「一安心」では無かった様子。すまぬ。

id:mr_redcatmr_redcat 2014/11/05 17:17
>Dモーニング
基本最新号しか読めないです。
バックナンバーが読めるのは、会員だった期間のもの。
http://app.morningmanga.jp/app/?_s=qhsu8705olr2rk91c7u6lecas1

しかし、NHKのオンデマンドでさえ、一番の稼ぎ頭は「見逃したドラマの追っかけ視聴」なのに。せめて有料でいいから前号を読めるようにしてもらえんのかね。

その後の追記 同作品を収録した短編集が2019年に出た

アガペー

闇金ウシジマくん』とともに歩んだ短篇集

闇金ウシジマくん』と歩いた15年。
もうひとつの真鍋昌平がここにある。

ドルヲタとアイドルの愛のつながりを激しくぶつけた「アガペー」、地方都市の若者の鬱屈と衝動を切り取った「ショッピングモール」、震災以降、移住者と故郷の在り方を静かに綴る「おなじ風景」、さらに都会のカルマに埋もれていく女性を描く新作を含む4篇を収録。

取材を通じて筆者が感じ取った、まさに「魂を救う」傑作短篇集!!




さて、自分は以前からショッピングモールの文化論や文明論についてなぜか興味があった。
それが結実したのは、これまたtogetterだがこちら。
このときまとめておいてよかったなあ。
これは自画自賛するが、非常にいいまとめだと思います。ネット上の「ショッピングモール論」の中でも屈指。

イオンモールは文化の破壊か?向上か?…「ショッピングモール論」まとめ - Togetterまとめ http://togetter.com/li/586099 @togetter_jpさんから


このtogetter議論にもありますが、地方都市におけるショッピングモールは決してネガティブにだけ論じられるものではなく、そこがその地方にとっては文化、文明の光だったり、「仮にこれがあまり良くないものであっても、これが無くなったらもっとひどい文化の欠乏をもたらすだろ?」と言った視点もある。



今回の読みきりはそういう多面的な見方と比較すると、ややステロタイプだけど、そもそも漫画の創作にこの「ショッピングモール」がテーマになったのはかなり珍しい…初の試み?なのかな? 団地の息苦しさや商店街の盛衰などはテーマになっているけど、少なくとも自分はショッピングモールをテーマ、舞台にした漫画は初めて読んだ。


そんな初の試みなら「ステロタイプを強調したベタ」もとりあえずはマイナスではなくプラスではないか。

パチンコ屋で勝負するしない、の話題からはじまり……。
 
靴の値段に迷う。
ときどき相手の物言いに反発しつつも「こいつ以外に遊び相手いないしな…」
そこで見つけた、やはりそのモールに来ていた昔の同級生。
彼が最近まで住んでいた「都会」への複雑な思い。
先に結婚していた、そいつへの嫉妬や羨望
「あの女房、昔俺がやったヤツだぜ」
 
でも表面的には仲良く、またツルむ………そして車中ドライブの会話の中で、いろんな過去や、いろんな現状がむき出しになっていく。
そんな話です。

「稼いだトコでよォー この街に本当に欲しい物は一つも売ってねェだろが」
「この景色みたいに平坦で 何処までも 何処までも 何も変わらない人生」・・・・・・

ブクマのこのキーワードの羅列も、作品の雰囲気をよく伝えている。

id:nowa_s イオン、EXILEワゴンR、クロックスもどき、ゲーセン、スロット、煙草、スマホドトール、ラブホ、松屋。地元の田舎者は低俗とぼやく東京帰り、誰にも届かない呟きを垂れ流す"オレ"


ただ!!!
本当にその街は「何処までも 何処までも 何も変わらない風景」なのだろうか??
ラストで、この言葉に、ある深刻なアンチテーゼが突きつけられる……


非常に重苦しく、爽快感なき作品ではあるが、それでもなお一読をお勧めしたい。