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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています 

「戒厳令の夜をすぎて」…ポーランドのヤルゼルスキ逝去。享年90歳、政治の逆説を胸に抱いて黄泉へ旅立つ。【敗将列伝】

【敗将列伝】

ポーランド共産政権最後の指導者・ヤルゼルスキ元大統領が死去
2014.5.26 01:33
http://sankei.jp.msn.com/world/news/140526/erp14052601330003-n1.htm
 ポーランド通信によると、同国の共産主義政権の最後の指導者で元大統領のウォイチェフ・ヤルゼルスキ氏が25日、死去した。90歳。長期間闘病していた。

 第2次大戦中、ソ連支援下のポーランド軍に入隊。1981年に国防相を兼任したまま首相に就任。国内で民主化運動が高まったことに対抗して同年12月に戒厳令を布告した。89〜90年に大統領を務めた。(共同)

二度、このブログに紹介記事を書かせてもらったことがあり、それからちょっと気になり続けている人だった。

【敗将列伝】民主化直前、ポーランド戒厳令を布告したヤルゼルスキの話。 - 見えない道場本舗
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20101015/p7
 
戒厳令で「民主主義を潰した」のか「外国の介入を防いだ」のか…ポーランドのヤルゼルスキが90歳に -
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20130720/p3

ちょっと状況が分からない人も多いので、マイケル・サンデルばりのクエスチョンで語ろう…

(問)「貴方は大国に従属した、小国の指導者だ。この国で、その大国から実質的にも独立しよう!という運動が発生・拡大し、大国は軍事介入の準備を始めた。/さて、大国の干渉を防ぐためなら、自らの手でその運動を弾圧することは許されるか?」

……また、めちゃくちゃ力技で四捨五入と換骨奪胎をするなら
「銀英伝のレベロ議長のモデルがこの人だ」という出鱈目な都市伝説を語っても、まあ三分の理あたりはある、といえる。じっさい、シチュエーションとしては似通ってる部分もあるのよ。


まあ、馴染みの無い方だと思いますから特に気になさらないでも仕方はない。それに、上のような指導的立場には絶対に自分は置かれないだろう(笑)
…とはいえ、ひとつの「If」として、それぞれが頭の中でそんな決断のシミュレーションを転がすのも、有益な部分はあるのでは、と思ったりします。

上のリンクにあるように、最後は自分が”弾圧”した「連帯」の指導者で、民主カゴは大統領職も務めたワレサ氏とお茶会を開いたりもできた。(ここに最初「ワレサ氏は亡くなった」とかいたのですが勘違いのようです!!大変失礼しました)

ヤルゼルスキ翁の魂に平安あれ。
氏の在りし日の姿をほんの少しだけどスケッチした文章が載っている、往年のベストセラーがこちら。

もの食う人びと (角川文庫)

もの食う人びと (角川文庫)

(たしか「敗者の味」という題の文章だったと思います)

追記

ロシア史に詳しい「大砲とスタンプ」「スパイの歩き方」著者、速水螺旋人氏も追悼の言葉を寄せています。

https://twitter.com/RASENJIN/status/470642052158341121
Хаями Расэндзин ‏@RASENJIN 6時間
ポーランド元大統領のヤルゼルスキ氏死去 戒厳令を断行 - 朝日新聞デジタル http://t.asahi.com/etpm  時代がまた去る。ポーランド救国の大人物でした。



(これは少し前のツイート)
Хаями Расэндзин ‏@RASENJIN 2012年12月30日
ヤルゼルスキはわりと評価されるのに、カーダールはスルーされ続けているなあ。評伝読みたい。
Хаями Расэндзин ‏@RASENJIN 2012年12月30日
@wars_zawa ヤルゼルスキは男の中の男だと思っています。傑物。回想録何処やったっけ……


回想録あるのか。日本語版であることを祈りたい…あった!

ポーランドを生きる―ヤルゼルスキ回想録

ポーランドを生きる―ヤルゼルスキ回想録

世界大戦、東西の冷戦、「連帯」の誕生、そして戒厳令ポーランド現代史を身をもって生きた"黒めがねをかけたミステリアスな将軍"の語る、国の指導者としての苦難と感動の自叙伝。待望の日本語版。