自分でtogetterを作って、
自分で感涙してりゃ無駄がないな。世話もない(笑)
UFC以前にグレイシーを知ってた作家・漫画家の話〜そして彼らの人脈と関係
http://togetter.com/li/600660
なぜ自分は、このtogetterにある種の思い入れがあるのか自己分析すると、たぶん「80年代〜90年代に作られた格闘技マニア(に限らない、マニア一般)のネットワーク」というものに、何かの神秘的な魅力があるからだろうな。
そこでも引用した
■ グレイシー柔術、日本上陸の瞬間
http://d.hatena.ne.jp/TomoMachi/20050519田野辺君が日本から持って来た本その2.
に、1993年秋、グレイシー柔術の映像が日本で初めて見られた瞬間のことをアメプロ本などでおなじみの黒須田守くんが書いている。大槻ケンヂのプロレス・格闘技世紀の大凡戦! (洋泉社MOOK)
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「会社の先輩に当たる町山智浩から『面白いビデオ見るらしいから』とだけ聞かされてその場に連れて来られた僕は、グレイシー柔術という言葉自体も聞いたことがなければ、なぜそのビデオが貴重かもわからず、ただただ不思議な心持で主催者の笑顔を見ていた。いったい、この会合は何なのだ?」
ああ、オレ、全然説明しないでいきなり黒須田くんを連れて行っちゃったんだなあ(10年以上経って反省)。
それは夢枕獏さんが原稿を書くためにカンヅメになっていた京王プラザホテルの部屋でのビデオ会だった。
大道塾の市原海樹選手がアルティメット大会に出ようかと考えていたので、UFCで最強だったグレイシー柔術とはどんなものなのかブラジルから夢枕さんがビデオを取り寄せて格闘技好きの友人に見せてくれたのだ。
オイラは大道塾の門弟でノンフィクション作家の岩上安身さんに誘われてお邪魔したのだが、つまり、「日本で初めて動くグレイシー柔術の映像が観られる」歴史的瞬間に立ち会ったわけだ。
他には板垣恵介さんも来ていた。
初めてグレイシーを見た時の日本人の反応は…(略)
自分もこの「世紀の大凡戦!」持っているはずだが、たぶん見つかるわけがない(最初からあきらめる)。
ただ、だからこの文章は読んだはずで、この90年代の不思議な…後年「格闘セレブ」とか「変態」と称される熱狂的マニアたちに、不思議なネットワークがあることを認識していたのだ。まあうらやましさ半分、不気味さ半分だよな(爆笑)。
それに町山智浩さんも、夢枕獏さんも正直、「虎の穴」的にこのサークルを面白がって、神秘的な思わせぶりの記述で書いてただろ(笑)。
あ、思い出した。
このホテルでUFCビデオを見た市原海樹選手の反応はそのまま「群狼の旗」になっているじゃん。
当事者の夢枕獏氏が書いている。
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良くも悪くも、変わった世界で…或いは消え、或いは残り
UFCがその産声を、「同級生」のパンクラスやK-1とともにあげた1993年。
その前後と、今の状況が大きく違うのはいうまでもない。
1995年か1998年、ウィンドウズのバージョンアップやテレホーダイ→ISDNなどによってはじまったインターネットの革命は共有ソフトやyoutube、Mixiやツイッターと次々と進歩していった。
そしてほんの一昔前、日本武道館や後楽園の帰りにあやしげなおっちゃんが並べていた「前田vsアンドレあるよー」「前田の長州襲撃あるよー」のビデオ、数千円也が、動画でげっぷがでるほど見られる時代。
あのtogetterで、メインで語ってもらっているLeoさんの 「拳の眼」。
あの資料の山、あれインターネット普及前、どうやったらわれわれが見ることができた?幾ら、金銭的にかかった?
Leo_thunderbolt
極真空手創始者・大山倍達の知られざるエピソードを中心に、極真会館について色々書いてます。
blogs.masoyama.net
だから、ネット普及前は良かったなんて、特にサークル外にいた私としては、とてもいうつもりはない。「世界に流通する情報は、5年前のXXX倍」とかの調査結果を見て、その途方もなさに、くらくらすることはあるが、ひたすらありがたい。
ただ、「昔のほうが良かった」とは間違ってもいえないが「この昔が、懐かしい」とは言わせてくれ。
次号の格闘技通信でわくわく。
名古屋の「公武堂」では趣味でK-1を見に行った若旦那が、帰りの夜行バスの中で、手書きで試合結果を1枚の紙にまとめる。
名古屋に戻ると、その張り出される試合結果をチェックするため、開店前の早朝からマニアが待ち構えている(笑)。以下に詳しく↓
ほんの20年前…前日のK-1結果を知るためファンは夜明けの専門店に並んだ(公武堂社長の回想) -
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20120908/p1
そして世界の神秘的な格闘技は、
月刊秘伝、松田隆智、梶原一騎、そして堀辺正史の本で学んだ。
…やっぱだめじゃん(笑)
そんな、そんな懐かしい時代なのです。
ただ、さらに本当に筋金入りの人たちは、、今でも……
これも断片的な噂で、詳細はしらないのだが、プロレス史研究の第一人者・流智美氏は、直接的なブログやツイッターなどを一切やっていない。
その代わり、まあ昔のパソコン通信の会議室のような、完全に会員向けの内輪の通信サークルで、プロレス史の最先端とも言える情報や考察をやり取りしているのだ、そうだ(笑)。
すげーな。どんなふうなのか想像もつかない。
ちょっと姉妹編
ホームズが学んだ武道「バリツ」が謎だった時代…があった(日曜民俗学)。
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20131015/p4
再録・ 80年代、90年代のサブカルの歴史を、記録に残すために。
以前、2007年に書いた文章から。
■ETV特集「21世紀を夢見た日々〜日本SFの50年」Comments
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20071022/p3
(略)……夏目房之介@2ちゃんねるでのやり取りを思い出した。
なぜ覚えているかというと、この「585」が俺だったからだ(笑) 最初の別の人の話題が、東南アジアのマンガ文化の黎明、という話だったんだね。
http://log-chan.hp.infoseek.co.jp/comic04.html583 名前:名無しさん@お腹いっぱい。投稿日:2000/11/10(金) 22:41
すまんが、下がり過ぎなので一旦上げるぞ
昔は「少女マンガの文法はやはり特殊過ぎて、外国の人が理解しにくい
ところがある。というか、”少年マンガ・少女マンガ”という区分が
日本だけ」といわれてましたが、やはり浸透してきましたか。
まあ、日本でもいかにも少女マンガ!(呉智英いうところの「ド少女漫画」)
というのは減ってきましたが。
584 名前:夏目房之介投稿日:2000/11/10(金) 23:56
>583さん 昔は「少女マンガの文法はやはり特殊過ぎて、外国の人が理解しにくい
僕も昔そう思っていました。実際、昔の欧米コミックに、
ああした効果やコマ構成はなかったように思います。
個人的感想ではここ5年以内に欧米でも似たコマ構成を見る気がします。
ただ、それが本当に少女マンガの影響なのかどうかは不明です。
また、国内でも少女マンガ手法は80年代に普遍化してますから、
直接の影響が商業的に出るのは、韓国と台湾ぐらいかもしれません。
この2国ではむしろ少女マンガのほうが市場としても強いようです。
ただ少女マンガ系には特殊な影響力があって、
オタクレベルのマニア層でやおい的な波及をする、
いわばコアな影響は欧米、東アジアともに見られます。
585 名前:名無しさん@お腹いっぱい。投稿日:2000/11/11(土) 00:36
私は、とんがった(?)連中が、情報のないところで
もがいたり試行錯誤しながら文化ジャンルをつくってく、って話がなんか
すきなんですよね。SF黎明期の星新一や野田昌弘の回想録とか、
「モスクワ愚連隊」的東欧のロックバンドの話とか、辞書と首っ引きで
RPG「ウィザードリー」をやりこんだ初期ゲーマーとか、岡田斗司夫の
ゼネプロ話とか……タイや台湾のやおい少女も、ひょっとしたらそういう
黎明期の開拓者として悪戦苦闘しているのかも。
586 名前:夏目房之介投稿日:2000/11/11(土) 01:46
>585さん。
いいね、いいね、そういうのね。
60年代末の劇画もそうだったし、
今、多分うざったく思う人もいるだろう
マンガ批評ってぇと出てくる団塊や僕らの世代の人も、
初期SFみたいな時期あったような気がする。
だから主張が違っても、けっこう仲いいんだよね。
今、外国でマンガ好きな人と会ってて楽しいのは、
そういう雰囲気もってるせいもあるのかもなぁ。
上に引用したやりとりは2000年かあ。もう1と1/3ディケードを過ぎ、さらにこの歴史は、歴史となった。伝説が終わり、歴史が始まる。
僕が望むと望まざるとにかかわらず、80年代や90年代のサブカル回想記は花盛りだ。
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うーん、エッセイコミックとか少女マンガ系とかもいろいろあるだろうし、ぜんぜん捜索の範囲は及んでないな。
【募集】1980年代、90年代のサブカルチャーを回想した記録で、皆さんの推薦作品を教えてください。
「受け手側」(ファン、読者)からでも「送り手側」からでも、文章、漫画、映像でも、フィクション、ノンフィクションでも構いません。