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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

日曜民俗学。上になってこつこつ攻めること=「削る」って、皆さんいつごろから使い始めた?

上の話の、所英男のこの前の試合からちょっとつなげて書いておきます。
少し前の、自分のツイートを補足して。

【日曜民俗学
ふと思ったけど、俺たちは格闘技の展開を表現するとき、いつから「削る」という言葉使い始めたっけ?MMAの初期にはこの言葉は確か、なかった、
…というか「こつこつ攻める(打撃を当てる)」「スタミナを奪う」てな言葉でで十分分かるし、自然な日本語だよね。
ジョン・フィッチの異名が「グラインダー」だったわけだけど…そのへんから来たのかな。数年前ぐらいから?

ひところは上にのってパウンドするだけだと「Lay & Pray」(伏してお祈り)とからかわれたもんだった。日本でも独自に、それを「しょっぱい(つまらない)」という相撲の隠語を転じさせて「塩漬け」とした人……無名の、謎の格闘技好きの命名だったが秀逸だった。(今ならまだ検証可能だと思うので「俺が『塩漬け』の命名者だ」という人はご一報を)

それが「削り」という言葉になっていったのにはやはり必然性があって、たしかにかつては上になった選手がだらだらと申し訳程度に殴って休む、という展開は非常にアレだったけど、下の選手がガードで膠着せず、一瞬の隙あれば立ち上がることを狙い、上の選手はそうはさせじと死力を尽くして抑え込む、そして上からの殴りも、sの下からの返しを防ぎながら、確実にダメージを狙っていく…そんな”進化”が、削りという言葉の定着を生んだ……のだと思っています。
惜しむべし、この進化、テレビ向きではなかった(笑)。


自分がジョン・フィッチに「グラインダー(削り屋)」という異名があることを知って、なるほど言いえて妙だと実に感心したのは、OMASUKI FIGHTを読んでだと確実に分かるからおそらく2009年。
http://omasuki.blog122.fc2.com/?mode=m&no=415

これの翻訳というか、概念の輸入をおそらくマナブ・タカシマあたりが(偏見)行ったのはその後なんだろうな。それともマーク・コールマンや何かの試合スタイルを「(相手を)削る」と表現してました!!という人もいるのだろうか。


そして、「削る」という表現(概念?)を、格闘ファンはすでに、「自分たちも、最近取り入れて使い始めた新しい表現」……という意識ってないんじゃないだろうか(笑)。こういうものは、それがある意味自然であって、ふと思い立って「これっていつから?」とか考える<日曜民俗学>のほうが不自然なのだ。
だけど、一種の記録への執念として、こういうことを考えて、調べておきたいと、どうしようもなく思うのであります。

「語源は格ゲー」説

実はtwitterでこの疑問を提示したときも、その意見出てたのよ。

黒崎健二 ‏@kurosa 10月12日
@gryphonjapan 格ゲーの、体力ゲージを削る、からの転用なのでは…
うらかわ ‏@urakawa 10時間
 
@gryphonjapan 格闘ゲーム的にはガードの上から必殺技を当てて少しずつライフを減らしていく行為を削ると表現していたと思う、20年前には。

そしてコメント欄

HAGANE 2013/10/15 11:30
ああいう意味で「削る」という言葉が使われるようになったのは格闘ビデオゲーム界隈からの転用なんじゃないかなと思います。
ストリートファイター2が流行った頃には既に「ガードしてる相手に隙の少ない攻撃を与え続けて小さいダメージを蓄積させる」という攻め方が「削る」とよばれていたと記憶しています。
 
みちん 2013/10/15 13:01
自分も格闘ゲームで相手の体力ゲージを削ることからの転用だと思います。
UFCが登場したときはあからさまにストリートファイター異種格闘技戦を模したものように感じて、石井館長も同じようなことを言ってましたが、ホリオンとか格闘ゲームの影響を認めてるんですかね。

これを有力説として、記録しておくことでより完璧になる。



【記録する者たち】

そういえば、このブログでは上の【記録する者たち】や【敗将列伝】などを、準タグとして扱っているけど【日曜民俗学】という勝手な造語も、そういうタグ的に扱えるな。
興味のある人は   日曜民俗学  でこのブログを検索してください。 
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/searchdiary?word=%C6%FC%CD%CB%CC%B1%C2%AF%B3%D8

いくつか。

■日曜民俗学。いつからシャツは外に出すのがおしゃれ、シャツを中に入れるのはダサい、となったのか?
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20100218/p3
■日曜民俗学。日本において「中指ポーズ」はいつごろ、どう普及したか? 外国での意味の変化は?
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20100107/p3
■日曜民俗学。特撮ヒーロー番組、「悪の組織で内紛・乗っ取りが発生!」の系譜は?
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20121212/p5
■「うまいこと言う」話まとめ。/語源探し(日曜民俗学)もふくめ
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20120914/p4
■「当て勘」という言葉はいつ広まったか?命名者は誰か?(日曜民俗学
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20110524/p2
■「スクールカースト」という言葉はすっかり定着したっぽいが、はや語源も初出も不明になりそう(・・・だったが手がかりを得た(追記))
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20120902/p3

まだまだあったが、このへんで。