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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています 

人工光合成、人工放射能減衰システム「ADS」、バイオマス発電…「夢の技術」どうなる、どうする?

リニアモーターカー内山安二先生のことを書いたついでに、また新聞切り抜きから記事を引用しようか。

放射性廃棄物の減衰を早めるシステム「ADS」???

読売新聞、日付のところが抜けているけどたぶん今年1月21日の記事。
山崎正和「地球を読む」。

……一冊の心躍る本に出遭った。表題はぐっと砕けて

ボクらのエネルギーってどうなるの?

ボクらのエネルギーってどうなるの?

著者は岸田一隆氏、物用学を専門とする本格的な研究者でありながら、憂国の思いがあって、科学ジャーナリズムに真摯に取り組む文事家でもある。
全編ことごとく考えさせられる内容たが、とくに私の目を惹いたのは、巻末に併載された対談、原子核工学者の大井川宏之氏と著者がADSについて語り合う一章だった。ADSとは「加速器駆動核変換システム」の略称であり、簡単にいえば、原子炉の核廃棄物に中性子を当て、放射能の減衰期を現状の10万年単位から数百年規模に短縮する装置だという。
(略)
…使用済み核燃料の最終処理…1万年単位の問題をひきおこす…フィンランドのように核廃棄物を岩盤の底深く埋蔵するにしても、10万年はあまりにも長く…ADSによって数百年単位に圧縮されるとすれば、もはや廃棄物の最終処分場は必要なくなり、…ADSが完成すれば、日本の強力な輸出品……

現在、ADSの研究では日本とベルギーが先進国らしいのだが、ベルギーが2016年に施設着工を決めているのにたいして、日本には研究段階の実験装置があるばかりだという。京大などで行っている実験のアイデアは最先端のものだが、なにぶん全体の研究予算が少なく、若手研究者の多くをベルギーに送り込んでいるのが実情…

その後、これではベルギーにしてやられる、という憂国の文章が続くが…「10万年の放射能減衰が、数百年になりました!」というこの遠大さへの感動と、「それでも数百年?関が原の時代から今までずっと稼動し続ける的な?」という心配で…どうなるのかなあ。この技術が実用化してほしい、とは心から願うし、それがさらに数十年、数年でと進化していけばいいのだが。

とりあえずいま「ADS」で検索しても、ダイレクトにこの技術が検索にひっかかる、という状況ではなかったりする。
たぶん大井川宏之氏本人がつくったっぽい資料。
http://www.engy-sqr.com/lecture/document/siryou121220ooigawa.pdf
なんか書いてる。

夢の技術「人工光合成」!!人類を、飢えとエネルギー不足から解放?

2013年7月4日の毎日新聞…もおもしろかったし、ほぼ1面まるごとつかっている詳しい生地んだけど、検索したら別の記事がひっかかったのでこっちにするわ(笑)
日経新聞だ。

http://www.nikkei.com/article/DGXNASDD050FH_W2A201C1000000/
植物のように太陽光のエネルギーを使って二酸化炭素(CO2)と水からアルコールなどの有機物を生み出す「人工光合成」のテクノロジーが急速に進化している。今年に入ってエネルギーの変換効率が一けた向上、ついに植物並みのレベルに到達した。植物のメカニズム解明と再現に重きを置いた従来型アプローチとは全く違う“異端”の発想がブレークスルーをもたらした。

パナソニックが開発した人工光合成の仕組み
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パナソニックが開発した人工光合成の仕組み
 2020年、年間10トンのCO2を吸収して6000リットルのエタノールを生産する敷地面積1ヘクタールの人工光合成プラントを稼働させる――。パナソニックの先端技術研究所は今、こんな夢を追いかけ人工光合成の技術革新に挑んでいる。決して夢物語ではない。研究メンバーらがそう信じるには訳がある。研究着手から3年目の今夏、0.2%という世界最高の変換効率(生成された物質が持つエネルギーを、照射した太陽光エネルギーで割った値)を実現した。


あ、その後もとの毎日新聞の記事もみつかった。

http://mainichi.jp/feature/news/20130704ddm013040022000c.html
http://mainichi.jp/feature/news/20130704ddm013040022000c2.html
無尽蔵の水と太陽を元手に、燃料や食糧を作り出す−−。植物の光合成によく似た化学反応を人の手で再現する「人工光合成」は、人類が長年夢見てきたクリーンエネルギーだ。地球温暖化化石燃料枯渇の問題解決につながる研究は、日本人の貢献で大きく進展しつつある。

 ●世界が注目「光触媒
 最初の大きな進歩をもたらしたのは1967年、東京大大学院生だった藤嶋昭さん(71)=現東京理科大学長=らが発見した「光触媒」だった。

 藤嶋さんは、写真の感光材料を調べる研究室で光に反応する新素材を探していた。たまたま隣の研究室でコピー機の研究に使っていた酸化チタンの単結晶を水に入れ光を当てると、表面からぶくぶくと泡が出た。酸素だった。電極の一方を酸化チタン、他方を白金にすると、酸素と水素が出た。光を当てただけで、水の電気分解と同じことが……

当時、国内の学会は「非常識だ」と取り合わなかったが、指導教官だった本多健一・東大名誉教授(故人)と連名で72年、英科学誌ネイチャーに論文を発表。「ホンダ・フジシマ効果」として……光を当てれば汚れを分解し、いつまでもきれいに保つ光触媒タイルを94〜95年に製品化した。東京駅前の丸ビル……原料に有機物の一種のギ酸を生成することに成功した。より複雑なアルコールなどを効率的に作れれば…

うむむ。
なんか俺の勘的にいうと、この技術はなんかかなり、いい感じで実用化に向けて進んでいるっぽいよね??ぼくたちが生きている間に、何か日常の風景として入りこんでくるんじゃないかな?(まあ、すでに「汚れない光触媒タイル」が実現してるんだけど)

ちなみにいま、記憶を振り絞りに振り絞ったら、かろうじて蟻酸の化学式 CH2O2 を覚えて…なかったな。メチャクチャシンプルな酸だという記憶はあったが。要はこれ以上単純な酸はねえじゃねえか(笑)。

既に石油に対抗できる、木材バイオマス発電?(オーストリア

一度紹介したけど、「里山資本主義」という本の毎日新聞書評。

里山資本主義 日本経済は「安心の原理」で動く (角川oneテーマ21)

里山資本主義 日本経済は「安心の原理」で動く (角川oneテーマ21)

http://mainichi.jp/feature/news/20130901ddm015070002000c.html

…夜久ディレクターは、バイオマス燃料の先進国オーストリアにとぶ。中島氏もしばしば訪れた先進バイオマス国である。そこで見たものは、大きな製材会社がつくる生産量年間6万トンのペレット工場で、驚いたのは、ペレット需要者宅に運ぶ大型タンクローリー車である。車からの一本のホースが各家庭の貯蔵庫にペレットを送り、もう一本で燃えかすを吸い上げる。スイッチひとつでペレットに触れることのない、全自動ボイラーが整備されている

 注目しなければならないのは、経済面で石油に対抗できることである。同じ熱量当たりにして灯油の2分の1の値段であり、これがバイオマスボイラー等の設備費の高さを補っている。この経済性がオーストリアのエネルギー生産量の28・5%を再生可能エネルギーにし、その比率を高めている。
(略)
ドイツは経済性のない太陽光発電を高価で買い取り、そのつけを庶民にまわしている。これらにならったスペインでは行きづまり、買取制度を廃止した。日本は、この悪(あ)しき例に学び、より高い価格で買い取り、そのつけを消費者にまわしている。バイオマス発電もキロワット当たり9円でなりたつものを20円をこえる買取価格にした

いや、本当ならそりゃすすめるべきでしょ。経済的にバイオマス発電が有利なら、原発やらへちまやらやる必要もないと思われます。まあ、今の日本のペースでエネルギーを木材にしていたらそれはすぐに禿山になるだろうけど、補助としてね。
本当に、灯油より安いバイオマスオーストリアで実現してるのだろうか?