【プロ野球】ヤクルトのバレンティンが3試合柵越えなし、プレッシャーか - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/sports/news/130903/bbl13090323220012-n1.htm
これがシーズン55本塁打を前にした重圧なのだろうか。プロ野球記録まであと3本に迫るヤクルトのバレンティンは、3戦続本塁打なし。2試合に1本ペースだった勢いは急減速した。50本を超えてから迎えた初の巨人戦。元巨人の王貞治・ソフトバンク球団会長が作った記録だけに、試合前は真っ向勝負するか注目された。それでも巨人の原監督は「正々堂々やる」と宣言、先発の内海も勝負を避けることはなかった。
しかし当のバレンティンは大振りしたり、ボール球に手を出す場面も。六回に二塁打は打ったものの4打数1安打に終わり、池山打撃コーチは「打つべき球は来ていたけど打ち損じが目立った」と振り返る。
さて、今後どう記録が推移していくかは野球の神のみぞ知る、だが…野球にさほど関心のない当方でも、シーズン本塁打記録「55」をめぐる挿話はそれなりに知っている。だが、それはまさに、タイトルに書いたように過去に「日本の恥」「日本プロ野球の恥」ともいうべき喜劇があったからだ。というか、その恥がなきゃ、さほど大きな記録でもないかと思うんだが…
こういう話を何度も書いてたのは、有名な野球記者西村欣也。ちなみに巨人Disとなると通常の3倍のパワーを発揮(笑)。今回も嬉しそうに、いや違った熱く語る。
(EYE 西村欣也)日本野球よ、勝負に徹する時 バレンティン、挑む「55」 - 朝日新聞デジタル
(http://www.asahi.com) http://t.asahi.com/ccn755本塁打の呪縛は確かにある。現在52本のヤクルト・バレンティンが、その壁に挑む。
1985年10月24日だった。阪神・バースは54本で巨人とのシーズン最終戦に臨んだ。3打席目に中前安打を放ったが、他の4打席は全て敬遠四球で、王監督の前でプロ野球タイ記録は達成できなかった……
この後の西村記事から、日本プロ野球の”恥”の歴史を抜粋しよう。
・54本で巨人との最終戦に臨んだバースは5打席中4打席が敬遠四球。巨人監督は王。
バース談「これが日本のプロ野球さ」。
・2001年、近鉄のローズは55本タイで、王貞治が監督のダイエーと最終戦。1、2打席4球。3、4打席はローズが怒ってボール球を打った。ダイエーコーチは「記録に配慮した」と認める。
ローズ談「記録を残したいなら、残せばいい」。
・2002年、西武のカブレラはやはり55号で、またもや王率いるダイエーと対戦。3四死球、全20球中、ストライク2個
カブレラ談「王監督はストライクを投げるよう教えるべきだ」。
まさに『恥辱の殿堂』。しかもすべて、直接、王貞治がかかわっていたのだからちょいと救いようがない。
「サムライ野球」も何もあったもんじゃない…いや「武士は犬ともいへ、畜生ともいへ、勝つ事が本にて候」のほうか。いや「勝ち」にすら結びつかないじゃないか。
こういう記録のための醜悪なプレーを告発したのが、以前紹介した「上原の悔し涙に何を見た」だった。
(1999年10月5日)
巨人ベンチは上原に敬遠を命じた。打席に立つペタジーニが、巨人の松井と激しい本塁打王争いを演じていたため、安全策をとったのである。
しかし、ベンチの指示に上原は納得できなかった。ペタジーニとの対戦成績は14打数無安打。絶対に抑え込める打者をなぜ敬遠しなくてはならないのか・・・思わずマウンドを蹴り上げ、アンダーシャツで必死に悔し涙を拭ったが、それでも涙は止まらなかった。
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それの反省かどうか知らないが、試合前から巨人は”勝負”を宣言。きのうの試合は1回敬遠があったが、結果的に延長12回を戦う緊迫したゲームで、場面的にも合理性のある敬遠だったからこれは問題ないだろう。
ともあれ、なんつーか、逆に過去に、よくこれだけあからさまにやれたものだな。サダハル・オーを、通算868本のホームランでも一本足打法でもWBC監督でも・・・もちろんシーズン55本でもなく「自分が監督するチームが、自分の本塁打記録を超える可能性がある選手と最終戦を戦ったとき、3回も敬遠を命じた(黙認した)男」として覚えている人も、中にはいよう。
J-CASTもまとまった記事を書いているな。
http://www.j-cast.com/2013/08/16181666.html?p=all
もしバレが四球攻めにあうなら、最高の打者の証「出塁率」があがるだけ…か?
http://baseball.yahoo.co.jp/npb/stats/batter?type=12&series=1
いま、どーんとバレはトップ。
2位の阿部慎之助との逆転はあるのかな?
何度も書いた話ですが、打率だ、安打数だ、本塁打だ…とある記録で、それのどれが一番重要で、どれが重要でないかは神学みたいなものです。
ただ、出塁率は「マネーボール」、つまりセイバーメトリクスという新しい理論によって、「これがすごい打者こそ、最強最大の打者である」というふうに権威がどーんと高まっている。あとは見る側、伝える側がこれに注目するかだ。
で、これにずーんとクローズアップされていくと…最終版に、安打数や本塁打数を気にして四球攻めにすると、必然的に出塁率は上がっていくから「王手飛車取り、桂馬のふんどし」的になって、少しはそういう恥ずかしいことが減るんじゃないかしら。
とはいえ、これはまさにピカピカの記録
があって、当分抜かれる気配なし。イチローですら5割に到達したことはない。
出塁率5割3分、を王貞治の記録筆頭に紹介するぐらいの意識改革があるべきなのかもね。
「そのシーズンのリーグ総本塁打に占める、その選手の本塁打率」は?
2013年9月2日の、これも朝日記事を読んだときのツイート。
・王貞治の時代、現在のような統一球の反発係数規定はないのでバレンティンとのこの面で比較はできない。
・では、『リーグ総本塁打に占めるその打者の本塁打率』を比べよう。今年のバレは8.7%。王貞治が55本打った1964年の記録は7.6%。
・また1試合平均の本塁打数は今季平均1.56本。過去の記録達成年と比べて最も本塁打が出にくいシーズンだ。そこで打っていることでバレの重みもわかる
記録というのは、本当にいろいろと変わった見方ができるものだ。これだと2リーグ合わせての比較とかもできるかもしれないな。