3年前の記事(http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20100905/p3)を少し短く編集して再録。
(※前半略 )
それはともかく。
この朝鮮戦争は、金日成という全体主義体制を構築した独裁者らが、欲望と打算にまみれて引き起こした戦争だということに21世紀の今、疑問をさしはさむ人はいないだろう。それを前提にしたうえで。
この前、マイケル・サンデル先生が日本に来たときの講義テーマに
「道徳的責任や義務は、その行為を選択した個人が負うべきか、集団で負うべきか」「自分が生まれる前の祖父の世代の行いに、今の私は責任を負うべきか」というのがあったそうだ。
そしてそこから発展して
「オバマは原爆投下を謝罪すべきか」
「今の日本人は1930年代からの行為で東アジアに謝罪すべきか」
というふうになり、会場では賛否真っ二つだったという(2010年8月30日 朝日新聞教育面より)
いまのところネットに動画や全文はあるかな?togetterはあったけど
http://togetter.com/li/45121
このテーマは実は1993年、細川護煕首相が「太平洋戦争は侵略戦争」と発言したことを受けて、そのころ新人議員だった高市早苗が「わたしは戦後生まれだから謝罪するいわれはない」と発言、論壇でプチ盛り上がったことがある。戦争の意義を論じる前に「その時生まれていなかった人に責任はあるか?」という別のテーマになるというのは当時は珍しかったかもしれない。
確か宮崎哲弥も、コミュニタリアンとして興味を刺激されたのか、宝島30に論文を書いて、処女出版に収録されたはず。
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騒がしい話題(戦無世代に戦争責任はあるのか?
んで、この白熱講義をさらに拡大しよう。1950年に北朝鮮軍の侵略によって始まった朝鮮戦争の行為で、在日コリアン(この言葉に異議を唱える人もいるが、まあ使わせてもらう)のいわゆる”北朝鮮”人たちは、韓国人もしくは南朝鮮人民に謝罪すべきか?
もちろん日朝関係の中で「北朝鮮国籍」というものが存在しないことは重々分かっているが、自らを「共和国公民」、「祖国は朝鮮民主主義人民共和国」と自認する人がいることを踏まえて申しております。
わたしが仮に彼らになったつもりで「責任なし」で答えるとしたら
1.朝鮮戦争は帝国主義と戦う人民と首領様の偉大なる革命闘争であり、一片の悔い無し。
2.もともとあの戦争は「内戦」である。殺したのも殺されたのも同じ民族(国連軍や義勇軍は除く)。謝るも謝らないも、対象は身内ですから。
3.戦争時、既に父祖は日本に来ていたor戦う前に亡命した。直接の関係はないから責任も負わない。(日本でも支持デモとか火炎瓶で暴れたのは除く)
4.我々は日本政府の敵視政策により、共和国の公民としての地位を正式にみなされていない。きちんと国籍を取得したら責任を負うが、無いから負わない。
5.もともと「親の世代の責任を子が取る必要は無い」という意見に全面的に賛成。それを適用して、われわれも朝鮮戦争の責任は負わない。
6.北朝鮮と金親子の政府は、もとより民意を無視した全体主義体制。歴史の中での連続性も無い。北朝鮮の国民はその金親子が牛耳る朝鮮労働党に或る意味”占領”された状態で被害者である。ナチスとドイツ人を区別するように、朝鮮労働党(or朝鮮総連)と北朝鮮人を区別せよ。
7.国籍は別にして日本で生まれ育ち、その文化の中で人格を形成したのだから、我々が請け負って、分かち合っているのは戦争責任を含めた日本国の責任のほう。思いつくまま並べると、個人的にはやっぱり「6」が責任を逃れるロジックとしては一番いいんじゃないかなーと思うんですがいかがでしょうか。
もっと思いつくかもしれないけど
すまん、
書いてる途中で飽きてきた(笑)ので、ここでおしまい。
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最後に、本当は9月15日に紹介しようと思ってたんだけど、私のもっとも尊敬する安哲氏のアピールを紹介しよう。わたしに(6)を選ばしめた文章でもある。90年代に発表された。
http://www.bekkoame.ne.jp/ro/renk/INSIDE2.htm (※もう繋がらないかもしれない)
安哲(アン・チョル)アピール/全文
南朝鮮人民の皆さん、海外同胞の皆さん、世界各国の良心のある皆さん!
私は朝鮮民主主義人民共和国のアン・チョルです。
朝鮮で、一日に数千人が死んでいくようになって、既に三年という月日がたちました。
私の家族もその過程で飢え死にせざるを得ませんでした。
私はその中で暮らして、北朝鮮社会が金日成、金正日による独裁で、封建主義であることを知りました。
特に金正日が政権を維持しようとするために、日が経つにつれ、飢死、凍え死に、病で死んでいく人が増えています。
北朝鮮でこんなことが起こっているのは、金正日が自分の政権を維持しようとするために人々を飢死させているといっても間違いではありません。
私は、金正日政権が倒れる日こそが北朝鮮人民の解放の日だと確信しています。
ゆえに私は立ち上がることを決意しました。
私は、北朝鮮人民の解放と、民族統一のために最後まで闘います。
私が北朝鮮の悲惨な実情を世界に伝えるために、この映像を撮ってきました。
最後に、南朝鮮人民、海外同胞、世界各国の良心ある人々が、金正日独裁政権に反対し起ち上がった私たちと手を結んで共に闘ってくれることをお願いいたします。(訳・レンク)
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