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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

武道必修化初年度、…高校含め部活・授業の死亡事故ゼロか(内田良氏)

はじめ表題を「武道必修化大成功!(?) 初年度、授業の死亡事故ゼロ」にしようと思ったのだが、それはちょっと表題が釣りキチ三平すぎるだろうと思いとどまった。
本題。 
もともと、「柔道・ラグビー(の学校部活動)における重大事故率」という、みなの目の前に存在しながら、だれもが気づかぬままスルーしていた問題を白日の下にさらした「学校リスク研究所」(名古屋大大学院・内田良准教授)。
http://www.dadala.net/

こちらで最近twitterが始まった。

https://twitter.com/RyoUchida_RIRIS
そこにて、読売新聞が独自調査でことし3月24日に発表した記事
(現在ネットからは消失しているが、概要を拙ブログに引用している)
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20130402/p2
ここにこんな記述がある。
文部科学省は、12年度はこれまで死亡や障害の残るような重大事故の報告はないとしている。(※3月時点)」
この記述を受け継ぐような形で、内田氏は2012年度…”中学校・武道必修化元年”のけがに関する統計まとめについてツイートされている。

学校リスク研究所 内田良 ‏@RyoUchida_RIRIS 8時間
読売新聞「必修の柔道でのけがは3割減った」と報道(独自調査)-見えない道場本舗http://ow.ly/lX7Yn →この件について「何か書いているかな?と思ったが」「とくに反応は無し。(この記事についてというより、そもそも更新が少ない)」と私のことに触れてくださっています
 
当時はtweetもしていなくて,コメント発表なしでした…
統計上の問題はなさそうなので,すばらしいことだと思います。安全対策をしたとしても,女子の参入と,危機意識の高さ(ちょっとでも負傷としてカウントされる)により,負傷として計上される件数は増えるだろうというのが私の予想でした
 
そして記事にあるとおり,2012年度は死亡事故はおそらく0件です。これは本当にすばらしいことです。ただし2008年度に0件ということがありました。2012はたまたま0件ということもありうるので,これが3,4年続くと本物といえるでしょう
 (略)
あれ?画像を貼ったつもりが,貼れていないような。。。
柔道の死亡事故件数の年次推移です。 pic.twitter.com/LAddNzx6Od
(※「学校リスク研究所」twitterより転載)

ということで、第一次安倍晋三政権の方向は正しかったことが証明された。
政治は結果。
・・・…すまんついつい、釣り的なあれが。てか、死亡事故が無かったから正しかったという話になったら本末転倒もいいところだろ(笑)。ハードルが低い高いの前にそもそも設置場所が間違ってる。
で、 
この前の読売新聞の感想でも書いたが、あらためて書くと、「予言の自己成就」のその反対方向…なんつーんだろ?まあ要はね、この結果が生まれた原因の何割か・・・相当の部分が「学校リスク研究所」を始めとする、柔道の授業・部活動における過去の重大事故例、危険性指摘そのものにあったと思います。
それがなかったらもっと考えなく柔道が授業に導入され、そのまま従来の指導が続いて・・・おそらくこの結果は生まれなかったというのが当方の推測。
もちろん、上ツイートでの指摘にあるように、そんなに絶対数も多くないものだから「単なる偶然で多い・少ない・無い」という可能性は常にある。
また気をつければ母数が急増しても根絶できたんなら、「じゃあいままでのは何だったんだ」という話にもなる。実際に過去の例の検証はますます必要になる。
にしても、
中学校の武道必修化(授業)で接する人が格段に増えた2012年の柔道で、学校管理化の死亡事故がゼロだとしたら、まずは喜ばしい話です。これが2013年に元に戻ったら意味が無いので、さらなる注意をお願いしたい。
そして高校では柔道に匹敵する高リスクだったラグビーのほうは改革がされているだろうか。
6月22日、これまでの研究をまとめた単行本が出版されるという。

柔道事故

柔道事故

内容紹介
この30年間で118名以上の中高生が学校柔道で死亡。なぜこの暴力的文化が放置されてきたのか。事故データの検証、被害者家族・全柔連らへの取材を通じ、「事故ゼロ」への道を探る。
著者について
1976年生まれ。名古屋大学大学院教育発達科学研究科准教授。専門は教育社会学。学校の転落事故、柔道の部活動・授業の死亡事故などの研究成果を基に、ウェブサイト「学校リスク研究所」を運営。