「大外刈りの技をかけられて頭を打った生徒が三人おり、専門家は初心者の指導の際には、大外刈りの受け身の練習を徹底させるよう警鐘を鳴らす。(細川暁子)」
— 内田良/学校リスク研究所 (@RyoUchida_RIRIS) 2016年11月25日
昨年から柔道の重大事故がまた続いています。いま,猛烈に勢いのある細川暁子記者のレポートです。 https://t.co/OY2xUU3nc4東京新聞:初心者の大外刈り注意 柔道事故、中学・高校で再び増加:暮らし(TOKYO Web) http://www.tokyo-np.co.jp/article/living/life/201611/CK2016112502000190.html
……一時期減っていた中学・高校での柔道事故が、再び増え始めた。二〇一五〜一六年に起きた部活動での重大事故は死亡三件、重傷四件。このうち、大外刈りの技をかけられて頭を打った生徒が三人おり、専門家は初心者の指導の際には、大外刈りの受け身の練習を徹底させるよう警鐘を鳴らす。
(略)
全日本柔道連盟によると、二〇〇三〜一四年に柔道の授業や部活動で起きた頭部外傷事故は四十一件。技が判明している二十九件のうち、大外刈りが原因だったのは十五件。他は背負い投げ三件、大内刈り三件などで、大外刈りの事故は突出して多い。
大外刈りは、組んだ体勢から、技をかける側が脚を相手の両脚の後ろに回して倒す技だ=イラスト参照。技をかけられる側は、両脚が宙に浮く形になるため、頭や背中を打たないようにしっかりと受け身を取る必要がある。
「初心者がいきなり立位(立った姿勢)から、大外刈りの投げ込みを受けている練習が多く行われているのが、事故が起きている要因ではないか」
(略)
再び事故が増えたことを重くみた全柔連は十一月上旬、各都道府県連盟に事故防止の啓発活動を促す文書を送付。指導者を対象にした講習会で「初心者には立位からの大外刈りの投げ込みを受けさせない」などの注意喚起を行うよう呼び掛けた。
大外刈りは…かなり術理としては単純であり、シンプル。
されど、ここに書いてある通り真後ろにどかんと倒れる。どんな技でも危険性があるとはいえ、たしかにあれが突出して頭を打ちやすいというのもあり得る話かと思う。
ただ、木村政彦の得意技中の得意技でもあるが、あまり一流選手同士の試合で大外刈りで決まった例はないような気がする
(どこかに統計ないかな…)
【追記】ありました
大外使われてると思いますが…。ちょっと古い研究と、新しいけど簡単なのhttps://t.co/QDRZX8Ichahttps://t.co/d1pl4rYxYz@gryphonjapan
— ちていのき (@baritsu) 2016年12月6日
実をいうと、大外刈りで事故が多い理由の一つに、技そのものの危険性のほか
この技が決まるのは、技量やパワー、体格に大きい差があるとき ⇒ つまり大外刈りをかけられた時点で、技量・パワー、体格差のある選手間の試合や練習だったことが多い⇒危険
という面もあるんではないかな。(直観的、推測的なもので、エビデンスは無い。)
よく言われる例では
「朝食を毎朝食べる子は/テストの成績がいい」
は「朝食は 脳に栄養がいき、効果がある」というような理由も推測できるが、「朝食が毎日出るということは、家庭内の親子関係や生活規律、経済力が良好だからだ」という理由も推測できるという・・・・・・・
まあ、技自体の危険性なのかどうかの議論はおいて、とりあえず規制があっても、これはやむを得ないとは思う。
ただ、大外刈りはいろいろ奥は深いだろうけど、技の構造自体はすごく簡単でわかりやすいのも事実。
もし、こどもの授業や部活で禁止されたら「競技での技の禁止一覧とは、すなわち『実戦で有効な技一覧』である」というテーゼの一補助材料にもなろう。
まあ、護身術として…よっぽど危険な場面になったら、ちゅうちょもする暇ない以上、この技も使うだろう。
そのとき、こういうことを覚えて頂ければ。