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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています 

綱紀粛正かディストピアか?「警官採用試験にポリグラフ使用」「『小児性愛や痴漢への興味』等を訊く」

2013年1月7日の朝日新聞は、非常に面白い記事が多かった。
そして1面トップ記事、これが自分の中で、非常にどんぴしゃに興味があるものだった。
…このブログを読んでくださるる人は、ここで、こういうテーマをよく書いていることをご存知かもしれません。
・「となりのビッグブラザー」論(技術の進歩・普及によって、不可能が可能になることに対し制度が追いつかない…ということを考える話)
・そこから発展させた「新技術に対する社会的な反応をSF仕立てのショート・ストーリーにして法哲学的に考えたもの」
こういうのを書いてきました。


そういう意味で、朝日の1面トップ記事にはまず「先にやられた!」「これは俺がSFシミュレーションとして考え、世に問うべきものだった!」的な、「いいアイデアを先に描かれたSF作家」みたいな感想を持ってしまった(笑)…というか、この警察庁の発想って、本当なら最初にマイケル・サンデルあたりがハーバードで白熱討論の題材にしそうな…、そういうSF、法哲学的な問題なんと違うんかな、という話。だからそりゃーびっくりしたっす。

こういう記事(例によって、全記事は会員のみ読める)
http://www.asahi.com/national/update/0108/TKY201301070513.html

警官採用に「うそ発見器」検討 警察庁、不祥事予防に


 【編集委員・緒方健二】犯罪を起こしそうな人を採用しなければ不祥事を少しでも減らせる――。そう考えた警察庁が、警察官の採用試験にポリグラフ(うそ発見器)検査を導入することを検討している。以前に盗撮やわいせつ行為などをした人が試験を突破して警察官になり、同じ過ちを繰り返す例が目立つためだ。

■人権巡り慎重論も

 捜査機関の職員採用時にポリグラフを使うのは「米国など海外では珍しくない」(警察庁幹部)という。ただ、事件捜査で容疑者に使う検査の導入には、警察内部にも「受験を避けられ人材確保にマイナスになる」と反対がある。人権上の問題から慎重にすべきだとの指摘も予想される。

無料では読めない部分を、ほんの一部だが補足しよう

警察庁は昨年設けた不祥事対策委員会で、不適格者の採用をどう防ぐかを話し合った。「徹底した素行調査」の意見も出たが「人権侵害と指摘されかねない」として見送りに。代わりにポリグラフの案が出た。

構想では、ポリグラフは了承を得た受験者に限って用いる。「小児性愛をどう思うか」「痴漢に興味があるか」などを聞き、その反応を採否の参考にする。

そもそも「ポリグラフ」どこまで正確か?…というか、ホントに正確になったら「耳太郎」(藤子・F・不二雄)、「サトラレ」の世界やで。

最初に自分がポリグラフを体験したのは、兄が買った学研の「電子ブロック」だったが(笑)、まったく信用性がゼロに等しかった。


そして何年前だろう。
ビートたけし所ジョージが初タッグを組んだバラエティ「ドラキュラが狙ってる」という番組の人気コーナーに「芸能人をうそ発見器にかける」というのがあり…あの回答と事実関係、実際にどのような相関があったのかは分からないが…
覚えているのは「和田アキ子が嫌いだ」「いいえ」という質疑応答に対し、8割か9割かの割合で「うそ」の反応があったことだ(爆笑)。
動画とかないかな…
ないので、こんなスレッドで代用。
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1417760094

<Q>
92〜95年に放送した、たけし・所のドラキュラが狙ってるの人気コーナー"ウソ発見器"で一番おもしろかった質問は何ですか?

ちなみに私は 所→たけしに質問 「今、浮気をしている」 たけし→大島渚に質問「野坂のパンチは効いた」です。

<ベストアンサーに選ばれた回答>
compactさん
私は、そのまんま東氏がゲストの折
実際の質問の内容に関係なく「女優のK.Kさん(当時妻だったかとうかずこさん)」という言葉が出てくるとそのたびに針が大揺れしていたのが印象的ですね。


そして…もう何度も紹介しているな。
藤子・F・不二雄先生が「100%に近いほど正確なウソ発見器」にそのまま敷衍できるような「イヤでも人の内心が分かってしまうテレパシー能力」の話を描いている。「テレパ椎」「耳太郎」。
SFとしてはひねりのないシンプルな結論であるとは思うけど、だからこそ現実を考えるときも応用できると思う。
「耳太郎」より

詳しい内容は、こちらで紹介されています

http://plaza.rakuten.co.jp/neoreeves/diary/20110918/



「警官は大きな権力を持つから、厳しい採用になる」? なら…

いや、ひとつの方法かもしれない。
しかし、ならばキャリア警官や検察の検事の採用にも使えるな。
ポリグラフにはぜひ「ここを踏み台に、政界に入りたい Yes/No」「証拠を捏造した Yes/No」の質問項目も(笑)


そして、これは実際に近い将来、米国できっと実現するような気がするが…米国大統領選の話だ。
候補をポリグラフにかける(笑)。
いや、なぜこれが実現するような気がするか…というと、プライバシーや人権論議がやはりこのあと、もう一段必要になるであろう警官採用への導入と違って

「あなたは、自ら望んで国民の代表になることを望んでいますね? なら、このウソ発見器に自発的にかかってもいいんじゃありませんか?さあどうします?拒否するんですか?別の候補のAさんは、もう既にこれに進んで参加しましたよ…?」

とテレビのトークショーで迫っていく、ということができそうだからだ。向こうのトークショーのタチと趣味の悪さは、たけし、所の10倍ではきかないし、2012年大統領選挙でも
「あなたの収入、納税額、預貯金、資産を公表してください。プライバシー? いや国民の代表に自らなろうとしているんですから、自発的に公表すればいいんですよ。それが何か??」
という論法で、ロムニーは打撃を受け続けた(最終的にどうなったんだっけ?)。

100%に近い精度?のポリグラフに、次々とかかって質問を受ける議員立候補者…胸が熱くなるな(笑)。まあそれで出馬する人の質が落ちる、ということもあるだろうけど。


あるいは教員は。
「教員採用試験に際し、ポリグラフを義務付けて小児性愛への興味を確認し…」
おお、偏見コミでいうと大阪市長が喜んで飛びつきそうな新政策だ(笑)!!…いや市長とかじゃない、PTAとかそういう「草の根」で要望が生まれ「地域・学校独自の取り組み」として実現したり・・・。


一説には「もはやセンサーを身体につけなくても、しゃべりの声だけでウソか本当かを見抜く機械をCIAは開発している」

ソースは落合信彦(笑)。

英雄たちのバラード 砂漠の狂信者 (集英社文庫)

英雄たちのバラード 砂漠の狂信者 (集英社文庫)

じゃあイラク戦争のきっかけになった亡命者「カーブボール」の証言をなぜその機械で分析しなかった(笑)。


まあ、でも「タイムマシン」や「どこでもドア」ほど荒唐無稽な話でもなさそうだ。よっぽどのサイコパス(?)や完璧な演技者じゃない限り、一般人がうそをついているときの口調や目線、あるいは汗の味(一部笑)にはなにがしかの反応、変化があるだろう。
その「ビッグデータ」を分析し、九十何パーセントの確率で真偽を当てる…そんなものが将来完成する、という予測は荒唐無稽ではなく現実の話として予想できそうだし、そして携帯アプリになるという予想もできないとは思えない(笑)。


これも何度か書いたんだが、星新一がすでにそんな未来を予測しているんだよ。結局それ単体でのショートショートは書かれず、「思いついたんだが作品にはならなかったアイデアメモの一枚」として「できそこない博物館」の中で紹介された。

できそこない博物館 (新潮文庫)

できそこない博物館 (新潮文庫)

ある日、発見された正体不明の物体。ナメクジのような形のこの物体は、一体なんのために作られたのか。――こんなショートショート、あなたは読んだことがありますか? ショートショート1001編を達成した著者が、20年以上にわたって書きためた、誰にも見せたことのない創作メモ155編を公開。スペース・オペラから時代物まで、その発想の秘密を明らかにするエッセイ集。

結論は「みんなせいぜい、精神修養に務めるほかない」だった(笑)

えっ?朝日新聞の結論は「大変いいことだ、実現せよ」なの…?

この記事は執筆者が、1面の記事を受けて解説記事も書いている。

そ、そ、そうなのか。