http://d.hatena.ne.jp/wlj-Friday/20121028/1351432702
ジャスミン動乱でアラブの春とか、イランでの反政府デモとかでよく見かけたSNS革命なる議論を思い出す。そこでSNSがいろいろ活用された。それは事実だ。そしてそれを見て、SNSが民主化と革命を推進した、なんて主張する人がたくさん出てきた。ぼくはそれがウソだと思っているけれど、言葉のあやとしてはありだと思う。
ただ…(略)…確かにツイッターやSNSを活用して選挙運動をはじめ各種成功させましたという事例はある。でも似たようなことをやろうとして失敗した事例は無数にある。成功したところは他と何がちがったのか? いろんな本は、成功例ばかりを取りざたするけれど、失敗例との比較と要因抽出をきちんとやった文献は、ぼくはあまり見たことがない
(略)
・・・たいてい「SNSの利用により共感の醸成に成功した」とか書いてある。でも・・・(略)説明になっていない。もともとの主張なり運動なりに共感される要素があったために、それがSNSで広まったということなの? それとも、もとの主張には大して共感される要素がなかったのに、SNSを使うことで付和雷同的な共感が捏造されましたということなの?
ぼくは前者だと思う。でもSNSを必要以上に翼賛したがる人は、かなり勝手に後者の意味にしたがる。
- 作者: 津田大介
- 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
- 発売日: 2012/11/13
- メディア: 新書
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津田大介 @tsuda
【告知】11月13日に朝日新書から新刊『ウェブで政治を動かす!』が発売されます(304ページ/861円)。ここ3年くらいずっと取材してきたネットと政治の関わり、オープンガバメントの動きなどを様々な視点から書いてます
おっと、マウスがすべった。
いや実際、この本がそういうところをクリアしているかどうかはまだ確認するすべもない。
先立つtwitter論はバランスが取れていたから、これも大丈夫だとは思うけど