http://kousyoublog.jp/?eid=2656
民話・昔話の類型の一つに小鳥前生譚というものがある。小鳥たちは人間、特に幼くして死んだ子供たちの生まれ変わりであるという、いずれも哀しいお話たちだ。柳田國男の遠野物語にも三つほど紹介・・・
・・・哀しい最期を遂げざるを得なかった子供たちが、転生した姿が小鳥だというお話になっているものが多いのだという。ほんの一世紀ほど前までは子供は大人になれないうちに死んでしまうことが多かった。飢饉や疫病などでまず最初に犠牲になるのは体の弱い子供・・・奉公先が必ずしも温かい職場とは限らなかったし、間引きという名の子殺しの習慣・・・
以前紹介した座敷童のお話もそうだが、儚い生涯を閉じた子供たち、というのは身近な風景で、それゆえに大人たちの中に失った悲しみとか死なせてしまった罪の意識というものは・・・・そのような喪失感や罪の意識、哀しみ、あるいは赦しなど様々な思いが小鳥前生譚という昔話の類型・・・
ギリシア神話でも妙に神様が女好きだったり人間の子供さらったりするのは、幼くして子供を失った悲しみを、神にさらわれたということにすることで、せめて心の慰めを得ようとしたとかなんとかいう話をどこかで見かけた覚えがある。
有料会員のみ閲覧可能に読売のサイトがしやがった(バカヤロバカヤロバカヤロ。ビュンビュン)編集手帳で、この前脳死の男児からの臓器摘出手術を行ったというコラムがあった。
2012年6月16日 読売新聞「編集手帳」より
・・・息子を亡くした深い悲しみのなかで、どこかの、見ず知らずの、命の瀬戸際にある幼子に生きて欲しいと、臓器提供を申し出たご両親の気高い心に胸を打たれる。・・・(略)心臓と肝臓は、10歳未満の女児2人に移植されるという。命を救われる○○ちゃん、△△ちゃん・・・。ほかの子の2倍、元気なからだになろう。2倍、幸せな人生を生きよう。