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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

自衛隊情報保全隊訴訟、「調べる」ことに違法性ありの判決。この考え方は興味深い

ストレートニュースは置いておいて、朝日新聞の社説を。

http://www.asahi.com/paper/editorial20120330.html#Edit2

自衛隊判決―市民を見張る考え違い
 自衛隊イラク派遣に反対する市民活動を自衛隊が監視していた問題で、仙台地裁は「正当な目的や必要性がないのに、個人情報を集めて保有した」と述べ、国に賠償を命じた。

 個人には「自分の情報をコントロールする権利」がある。それを侵したとの判断である

 法律に明文のさだめがなく、判例上も確立したとはいえない権利を積極的にとらえ、行政機関の無軌道な情報収集に歯どめをかけた意義は大きい。

 一方で、この考えがひとり歩きすると、逆に国民の知る権利をそこなうことも考えられる。どう調整をはかるか、今回の判決も材料にしながら議論を深めていく必要がある。

 自衛隊がしたことの違法性ははっきりしたが、賠償が認められたのは、たまたま明るみに出た文書に所属政党などが書いてあった共産党議員ら5人にとどまった。個人情報が載っていなかった約100人の原告はすべて請求を退けられた。

 原告側は「監視されると、活動への参加をためらうことになり、表現の自由の萎縮をもたらす」とも主張したが、地裁は取りあわなかった。

 結果として、論点は個人情報の扱いの当否にしぼられてしまい、問題の本質に迫る内容になったとは言いがたい。判決にも大きな疑問が残った。

 それにしても、裁判で国側の姿勢は驚くべきものだった。

 まず、証拠として提出された文書が自衛隊のものかどうか、肯定も否定もしない姿勢を貫いた。「公務に関する秘密を明らかにすることになり、ひいては国の安全保障に影響を及ぼす」という言い分だ。

 そして、市民は情報収集されているのを知らなかったのだから、表現の自由が萎縮することもありえないと主張した。

 開き直りと言うほかない・・・(後略)

この判決が興味深いのは、以前からこのブログでは「グーグルのストリートビュー」「ドキュメンタリーなどの撮影」「デジタル万引き」などを取り上げていて

『実際上、「撮影」は一種のパワー、実力行使である・・・だけど、写真とかビデオという概念がなかった時代の法体系では、他者危害の原則からいって「撮影」はほぼ「なにもしてない」というのと同じ扱いになってしまう』

ということを考えていました。一時期のCMの流行語を使えば
「見ーーーーーてーーーーるーーだーーーけーーー」
というやつです。
 
だから、この自衛隊監視判決も(少なくとも自分の興味の持ち方としては)、上の言葉をもじって展開させると
「しーーらーーべーーてーーる だーーーけーー」
というのが、違法とされるのは?その要件は??という点です。
そのへんは、判決要旨などをもっとじっくり読まないといかんな、と。

・・・・と思ったら判決要旨が見つからない。どこかにありませんかね??

また、上の社説で太字にした部分は
「調べること」に法の規制が掛かると、例のグーグルの予想変換(でいいんだっけ?)問題とか、あるいはまさに「報道」の準備段階としての「調べる」というものにも影響するという可能性を見ているからだと思う。
実際、それらにも影響するのか。これもちょっと判決をみないとわからん。

追記:ありました

@borgia911さんのご教示でわかりました。
https://twitter.com/#!/borgia911

これです。
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20120328165002.pdf

【となりのビッグブラザー