INVISIBLE D. ーQUIET & COLORFUL PLACE-

John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています 

”覆面禁止”の法哲学。そして<人工的な秘密構築>について

http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2012/01/post-2418.php

オランダの連立政権は先週、イスラム教徒の女性が顔や全身を覆う「ブルカ」や「ニカブ」の着用を禁止する法案を来年までに可決すると宣言した。今週にもブルカ禁止法案が議会に提出され、その後は上下院で審議される予定だ。

反発も強い。

「(禁止法は)個人の自由や思想の自由、信仰の実践や宗教的な表現の自由を侵害している。そんな法律に従うつもりは毛頭ない」と罰金を科された女性の一人、ハインド・アハマスは英テレグラフ紙に語った。

だが…

連立政権に参加する中道右派キリスト教民主勢力(CDA)いわく、宗教的な理由でブルカの着用を禁じようとしているわけではないという。法案が適応される対象にはブルカやニカブだけでなく、バラクラバ帽(防寒用の目出し帽)やスキー用のマスク、ヘルメットなど不必要に顔を覆い隠すものも含まれる
 着用禁止の理由として、内務省は「誰かに会った際に互いの顔を確認できないと困るから」と説明している。

ふむ。徒然草の一節にこんなのあったっけ。

http://protozoa.blogzine.jp/diary/2005/10/post_d836.html
狂人の真似とて大路を走らば、即ち狂人なり。悪人の真似とて人を殺さば、悪人なり。驥を学ぶは驥の類ひ、舜を学ぶは舜の徒なり。偽りても賢を学ばんを、賢といふべし
 
「気違いの真似して大通りを走れば気違いそのものだ。悪人の真似と言って人を殺せば悪人だ。一日に千里走る馬を真似た馬は、一日に千里走る。舜の皇帝を真似たら舜の皇帝ともなろう。偽りでも賢さを真似たら賢くなりはしないか」


その伝でいえば、「文面が合理的で、特定宗教の狙い撃ちでないふりをすれば(本音はどうであっても)すなわち差別ではない」のかもしれない。「パンツをはけ」が神聖モテモテ王国のファーザーにも、蘇民祭の参加者にも平等に適用されていれば宗教差別にはならない…とか、そういう。
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20080212/p3

岩手県奥州市水沢区の黒石寺に伝わる伝統行事「蘇民祭」を13日に控え、関係者の緊張が高まっている。過去には一部参加者が全裸で境内を歩く…(略)寺や市などは「風紀が守れないと存続が危ぶまれる」と、下帯着用などマナー順守の徹底を呼び掛け…

これは、上ニューズウィーク記事についてつけた僕のブクマの後半部分。

gryphon /フランスの禁止も、外から一見して分かる大きな「十字架」や「ダビデの星」の首飾り等を”平等”に禁じてるっけ

覆面は、アメリカ某州でも禁じている。「KKK対策」として。

ブクマの前半部分

gryphon 実は米国南部の某州(すまん失念)も「覆面禁止法」ある。そして、それはKKK対策だったりする

たしかに写真も含めて見たんだけどな。どこがソースだったかな・・・と頭を振り絞って、ようやく思い出したよ。

・・・残念なソースだ(笑)
いや、だけど実際に現地で、関係者を取材したインタビューとかだからね。写真も現地で、カメラマンが撮っている。実を言うと、これは当時「週刊プレイボーイ」連載で、アメリカで「プレイボーイの取材です」というと、あっちではそれなりの権威なのでけっこうこれは!という深い取材ができる、というからくりがあったそうなのだ。「日本版」「週刊」の存在なんか知らないわけ、アッチは(笑)。
実際、このとき取材したKKKの幹部はその後、偽装っぽいKKK脱退をしたあと、共和党の下院候補者予備選に出て、候補者にリーチまでかかったが、その後失脚した…などそれなりの有名人だった。

ま、それは余談として・・・ノビー落合さんらご一行が黄色人種にも関わらず取材をOKされたその州のKKKは、とんがり帽子なのに、顔の出た、いかにも間抜けな白装束を着ていたのである。で、そのキャプションが「この州では、覆面を被ることを禁じている」だったのだな。実に印象に残っている。
つまり

が通常なのだが、州法の規制により

というふうに顔出しを義務付けられた人もいる、ということらしい。(※写真自体は参考です。この彼らは自発的に外しているだけかも知れません)。…という例を出されるとオランダの決定を簡単に断罪できるか……、ムムムとむつかしくならないかね。

しかし”となりのビッグブラザー”時代に…IT時代、「覆面」のこれから

しかし、アメリカ某州もオランダも合わせて、”覆面禁止”に関して思うところはある。
それはなんといってもITの発達による「顔検索」「個人特定」が、コンピューター将棋にもまけないほど急速に発展していく一方であることだ。

■顔認識ソフトと検索機能を組み合わせて・・・
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20100305/p2
■毎秒400人の顔を識別するゴーグルが既に実用化された(らばQ)
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20110429/p4
■ロンドン暴動で「暴動参加の群集写真を、顔認識の技術にかけたら個人特定できね?」「それはちょっと…」てな議論が
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20110812/p5
■「都市の人ごみ、雑踏や店の来客の中から、一人を簡単に発見できる社会」とは
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20090611/p5
■グーグル「ストリートビュー」であらためて分かった「となりのビッグブラザー」。対策は?
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20080810/p5

いい悪いは別として、もし日本の警察官1人1人に「顔識別ゴーグル」が支給されていたら、出頭をしようと声をかけてきた重要指名手配犯を、いたずらと思って追い返すような失態はなかったろうね。


しかし、それが息苦しく、重苦しい社会を生む危険があることも容易に想像がつく。
で、自分は、そういうビッグブラザー社会への対抗手段として「今度は覆面がブームになるかも」「、昔の「虚無僧スタイル」のように、顔を隠すファッションが流行ってくるかもしれない。イスラム圏のチャドルのような、大谷義継の頭巾のような」
なんて、半分冗談でね。それこそ宗教性を消失した、純粋な意味での覆面。
・・・あ、すでに日本では、70年代にこういう意味での覆面がブームだったか。ヘルメットにゲバ棒にね(笑)。

ただまあ、実際には無理だろうね。世の半分を占める女性の「おしゃれ」願望には真っ向から反している。「いや、XXXやXXXXXの、あのメーキャップはほとんど覆面だよ!!」とか言うなぁぁぁぁぁ。それに覆面ってくそ暑いし、視界は狭まるし…「タイガーマスクは布切れだった」。


話を最初に戻すと「顔を隠されると厄介だから、覆面は禁止!(決してイスラムのブルカ禁止ではなありません)」というロジックの組み立て方は、その<覆面禁止>自体を含め、どれだけの説得力があるものなのか。
そういえば、コンビニや金融機関では「フルフェイスのヘルメットのままの入店禁止」「スキー目出し帽着用での入店禁止」を定めたところが多いな。どれもそれなりの合理的理由に基づく、私人間の取り決めとしての決定なのだが、ならばそういう形で「ブルカ入店禁止」としていいのか。幸か不幸かイスラム人口の決定的な少なさで、少なくとも日本のコンビニ業界では統計的に無視していい問題設定となっている。今は。

「社会の中の覆面」閑話

・よく言われる話だが「風邪だ花粉症だ、で気軽にマスクを着けるのは日本だけ。外国ではそんな習慣がないので、来日者や映像を見た外国人が『日本ではどんな伝染病が流行してるんだ?』『そんなに大気汚染がひどいのか?』『テロリスト集団か?』とびびる」と。逆に、外国では花粉症の問題とかないのかね・・・


・有名な「金属バットとAmazon」の笑い話もこの機会に再掲載。これも「覆面」にまつわる話だからね。
http://alfalfa.livedoor.biz/archives/51508969.html
 
・「KKKの衣装を仕立てる、普通のおばちゃん」
http://gigazine.net/news/20080530_kkk_cloth_maker/
そりゃまあ、だれかが仕立てなければ服は存在しないわけだが……1万数千円だって。
ただね、あの格好自体は、不気味かっこいい部分があるかないかといえばちょっとね……いわゆるコスプレって、たしかイベント会場ではあまりに剣呑な格好は禁止されたり自主規制を要請されたりしてるのだろうけど、推測するに、KKK団の格好はもちろんド禁止だろうね。SOS団は大丈夫だろうけど(※無理に流行についてってるっぽく。)
 
・キラーカーン「ブラックKKK」?
ぶきみカッコ良さを彼も感じたのか、一度キラー・カーン(本名:小沢正志)が長州力ジャパンプロレス軍に突然(唐突に)反旗を翻した「恩知らずの乱」の時、KKKに似ているが真っ黒の黒覆面装束を着て入場したことがあったね。
検索で見つけるのは相当苦労したが・・・・・・あった!!
http://murasakilg.blog64.fc2.com/blog-entry-396.html

これは気持ち悪い…そしてかっこいい。動画はここ経由で。
http://prowrestle.seesaa.net/category/6431612-1.html
ただ「KKKのブラックバージョン」って本当に存在したのやら。そもそも死刑執行人とかなんとか、とんがり系の覆面はたくさんあり、いろんな秘密結社が使っていて、そのバリエーションのひとつKKKであるに過ぎない、んじゃないかしら。
あの黒覆面を「ブラックKKK」と語ったのは倉持アナか、「恩知らず」も命名した若林健次アナか。倉持氏はいい加減で、若林氏は装飾過剰で(笑)、どっちにしても真実から離れてもおかしくない。というかモンゴル人のKKKって、存在したらもう何がなんだか。
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1466014059

昭和61年、全日マットに上がったキラー・カーン選手は、
KKKの黒装束版の衣装で入場していますが、どういう経緯で着用したのでしょうか?

ベストアンサーに選ばれた回答 nekomekozou12さん

既に回答されていますが、長州軍で行き詰まったカーンが苦肉の策で出したギミックです。
その後上半身の覆面だけ被って出てきて「手抜きするな」ってヤジも飛びましたし、その後別に彼もブレークせず、全くのハズレでした。
今の居酒屋の店長がむいていたということでしょう。

  
・ブッチャーもアメリカで一時「黒いとんがり覆面」被っていたもんなあ…
一番遠い存在なわけで、やっぱり、KKK団と直接の関係はないよね…それ以上の文脈は分からない。やっぱり「恐怖の処刑人」というような意味合いなのかな。
あれれ? この「ハロウィン・ヘイボック」で黒覆面の入場していたと記憶していたが、記憶違いだった様子だ。このときの日本で見られないギミックは、ドクロの杖だったか・・・。
でも、メンバーの顔ぶれを含め、
猛烈に面白いので、動画は貼ったままにしておきます(笑)
【ハロウィン・ヘイボック’91〜凄絶!ブッチャー電気イス感電死!?】
D


あ、表題の「人工的な秘密の構築」については、他の例があったんだけど、覆面だけでいい加減長くなったのでまたの機会に。