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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

「今まで原作付漫画は企画段階でNO!と言われた。昨年のブームはそれを打破するかも」(オタク大賞より)

昨日行われたオタク大賞2011は、ネット中継されて、3万人超が視聴したそうです(放送の中で言ってた)
自分はちょっと風邪気味で体調悪かったこともあり、つけっぱなしで聞くともなく聞いてた。
ですから、だいぶ要約というか、適当な記憶で再現します。
「漫画」部門で選者が挙げた2011年トピックで

「漫画家が、他の漫画家の原作を手がけてヒットする例が増えた」

例は「グラゼニ」と「花のズボラ飯」。

グラゼニ(3) (モーニング KC)

グラゼニ(3) (モーニング KC)

花のズボラ飯

花のズボラ飯

花のズボラ飯 うんま~いレシピ―なぜ、ズボラ料理なのに泣くほどうまいのか

花のズボラ飯 うんま~いレシピ―なぜ、ズボラ料理なのに泣くほどうまいのか

花のズボラ飯は、いうまでもなく「孤独のグルメ」「食の軍師」の原作者だから有名な人ですけど、グラゼニの原作者は…ちょっと検索してみます
http://www.47news.jp/culture/47gmen/morning/post_113.html#

年俸と勝負の世界を融合 「グラゼニ」原作・森高夕次さん

森高さんは1963年生まれ。野球漫画の金字塔「ドカベン」の洗礼を受け、長野県で野球少年として過ごした。コージィ城倉の名義で漫画家としても活躍。「おれはキャプテン」「砂漠の野球部」といった野球漫画を手掛けてきた

なるほど。
で、ソボクにこの話を聞いた聴衆が思うのは「じゃあ、そのままその原作者が漫画をかけばいいじゃん」ですが…ここからが「大賞」のトーク
「伸び悩んでいる漫画家にそのまま描かせるよりも、別の漫画家と組ませて新鮮な絵柄の魅力で勝負したほうがいいと編集部も判断したんでしょう」
そういえば、「バクマン。」(これも漫画家が原作者に転向した作品だ!)で、逆に作画担当の漫画家を選ぶ編集部側のつぶやきとして「原作付きの作品をやってみないか?というのは、こちらが『お話作りを込みでは、彼は大成しない』と判断した人間にしか声をかけられないから、人選が大変なんだ」(大意)というシーンがあったはず。小畑健氏はどういう気分でこれを作画したのかな・・・(苦笑)。
その、逆もあるということか。
ただ、念のために森高氏本人はこういってますよ、というのを上のインタビューから。

―原作者森高夕次と漫画家コージィ城倉の使い分けはどうしているのでしょうか?
 
 「端的に言えば、そのときの仕事量などが要因になります。あとは自分では書きにくいことを、名前を隠して人に描いてもらうという面もあるのかな。(搾り出すように)グラゼニはあえて言えば『汚れ漫画』なんです。これはプロ野球選手に堂々と取材しにくいテーマ。実際の中継ぎ投手に取材させてもらったけれど、やっぱり現場の選手には聞きづらいんですよね。一軍当落線上の選手は、来年この世界にいないかもしれない。舞台裏を描くといっても、球団経営とか大きな視点ではなく、生きるか死ぬかの一番シビアなところをえぐっているんです。返り血をたくさん浴びるようなつもりで描いています

あと、「表立ってではないが、こういう形(漫画家が原作を書く+作画者)の漫画はさらにいくつかありますよ」とも。どのことだろう?
またこういう作品のときは「原作はネーム形式か、ふつうの形か」なんてのもいろいろあるようで。「コマわり、カメラアングルは俺に任せてくれよ」なんて作画者が不満を思ったりもするんでしょうかね。


 

「原作付き漫画は一段低く見られ、企画も通りにくかった。昨年のブームは歓迎!」の声も

さてこの風潮を最初の紹介者は「本末転倒」とちょっと皮肉っぽく評していたのですが、現在「漫画原作者&ライター」を名乗る鶴岡法斎氏は「いや、いいことだ」として、こう語ります。
「そもそも原作付き漫画って、それだけで一段低く見られて、売り上げも振るわないし、そもそも企画が通りにくいという風潮があった。昨年は上の二作に加え『ブラックジャック創作秘話』もベストセラー&高評価だったから、他の原作漫画企画も通りやすくなる。大歓迎」(大意)と。

「大晦日のボクシング視聴率が悪かった、ざまあみろ」とか言ってるMMAファンが「ボクシングも総合も、まとめてファイトスポーツとしてテレビ局からは評価されてるんだよ!」と突っ込まれる光景が正月にありましたが・・・
 
閑話休題、この原作付漫画の評価が低い、という話に対しては
「えっ?梶原一騎が屈辱感を感じていた時代ならともかく、原作付き漫画にそんな偏見なんてあったの?」とこっちはおどろいたが、うーーーーん……あるのかなあ。
自分の中のイメージを振り返ると・・・確かに一線でヒット作を飛ばした漫画家が「原作」をつけると「ラクをし始めたのかな?」「枯渇したのかな?」とか、わずかに思わないでもないなあ。しかし、売り上げにも現れるとはね。
昨年は考えれば原作付漫画が「このマンガがすごい!」で男女1位、男子は2位も獲得した「原作の年」であったのだろうか。


まあ、ともあれそんなやり取りが面白かったです。
明日ももう一本ぐらい、「オタク大賞」内のやり取りからエントリーを起こそうかな。
http://live.nicovideo.jp/gate/lv77702271
プレミアム会員なら、あと7日間見られるそうですよ。