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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

格闘技雑誌が、その栄枯盛衰を語る…あのとき、彼らは。

またゴン格からの話題。

GONG(ゴング)格闘技2012年2月号

GONG(ゴング)格闘技2012年2月号

この前ちょっとふれた

朝岡秀樹山田英司熊久保英幸
「格闘技専門誌25年の闘い“ノーフェイク”を語ろう!」

昨日、NHKで放送された「永田町・権力の漂流」じゃないけど、カメラの前でインタビューと映像を相互に押し挟む感じのドキュメンタリーにできたらな、と思ったり。
これを楽しめるのは、当時の格闘技メディアの報道を覚えていて、その裏側に興味のある人…という実に限られた層だろうけど(笑)、歴史的な価値は高い。もっとも、kamiproがまだ紙のプロレスで、ムックなんかも作っていたころに山田英司氏らはいろいろ話しているから、既出のところもあるけど。

面白いところを箇条書きにします。
フルコンタクト空手が「体験取材」をはじめたのは、自分たちで体験すれば金がかからないから。
 
朝岡秀樹編集長は大道塾の選手でもあった。その指導者・東孝UWFを「あれで極まる訳ないからツクリ。でも彼らが『格闘技をやりたい』と思っているのは本気で、いまは過渡期だと思う。だからいいんだ」としていた(※現在から思えば、完全に当たっていた!!)
 
・むかしは「リングサイド記者クラブ」があった。
 
・朝岡氏はベースボールマガジン社の新人研修で週プロ記者に「三沢が本気なら、エルボー一発でお前らの雑誌に載ってる格闘家をぶっとばすぞ!わかってんのか!」とからまれた。

そして「ノーフェイク」運動へ

朝岡氏いわく
・「ノーフェイク」マークなんかは勘違いされやすいけど、八百長、不正、黒社会とのつながり、薬物…すべての「ごまかし」を「みんなで」「減らして」いこうねという運動。八百長は扱わない、というつもりはまったくなかった。
 
・なぜなら、八百長を外から見て完全に見分けるなんて不可能だから。割合だって90%が八百長のと、10%や1%が八百長の団体に差をつける意味があるのか。

・「ノーフェイク」や、それに伴う?高田道場の取材拒否は、部数に影響を与えなかった。そんなに変化はなかった。(熊久保氏)「うちは桜庭和志を表紙にして、飛躍的に部数をのばしました(笑)」
…あの当時、というかはっきり2000年からだけど、自分も「ゴング格闘技のほうが面白い」とその時はっきり変わった。あれは格通が落ちるのではなく、ゴン格のほうが飛躍的に伸びていったから、らしい。
 
・自分(朝岡)は編集長じゃない時代に「パンクラスが載るなら、リングスもUインターも載るべきだ」と主張していた。上の「90%と10%は区別の意味がない」理論に基づく。

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これで思い出したのは、当時の朝岡格通の理論だった。氏は裁判官の息子であり、「冤罪」(ガチの試合を八百長と認定する)の可能性というのにすごく慎重だった。
そして、同誌はこういう理論を編み出したと記憶する

八百長を「周囲が疑う」試合があるのはなぜか。
・それはその試合に「不自然」な「アラ」があるからだ。
・アラがあるということは、仮にガチだとしても技術水準が低いということ。
・ならばその試合を報道する意義は低い。だから扱いもそれに応じたものになる。

どこまで本気で、どこまでが建前、名目なのかは分からないが、なかなかよく出来た論理だったので、こうやって覚えている。


ともあれ、朝岡氏は「なんだかんだで格闘技界は良くなった。格闘技とプロレスは分離され、プロレスも最高になった」と肯定的。来月は「格通リターンズ」というムックもあるが・・・しかし、こういう。

この大晦日(元気ですか?2011)でどうなるかわからないですけど。逆戻り的な。みんな思いますよね、これ戻っちゃうのか、昔に?って。

そんな懸念を抱えつつ、大晦日は迫る。