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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

防衛大生の訓練・教育成果に東南アジア各国「凄い!」しかしベトナムは「ほう、その程度ですか」

五百旗頭真防衛大学長が毎日新聞「時代の風」に寄稿。
http://mainichi.jp/select/opinion/jidainokaze/
(このリンクはそのコーナーの「最新記事」なので、すぐ動くでしょう)

時代の風:中国台頭の時代に=防衛大学校長・五百旗頭真

 ◇東南アジア諸国の気概−−五百旗頭真(いおきべ・まこと)
 
 9月の後半、半月を費やして、東南アジア5カ国を訪問した。タイ、カンボジアベトナム、そしてインドネシア東ティモールである。目的は、防衛大学校へ留学生を派遣している国々の士官学校を訪ね、そして送り出す側への理解を深め、今後の指針を再構築することにあった。防大校長として、年1回行う士官学校交流の旅である。同時に各国の国防省高官や外交・安全保障専門家と会い、また各国駐在の日本大使や武官のお世話になって話す中で、東南アジアを洗う地政学津波のごときものに対する各国の生き方の違いが感取されて興味深かった。
(略)
 私はどこでも防大生の自慢話をした。入校時には約3分の1の学生が満足に泳げないが、4カ月後の遠泳競技会では全員が8キロを完泳する。海上要員だけでなく、陸も空も全員が(かなり感心される)。さらに2年生の冬には信州に合宿し、全員がスキーを自由に操れるようになる(東南アジアでは結構驚かれる)。とどめに、陸上要員は北海道で101キロ行軍を敢行して、4年間の仕上げとする。そう言うと、うなり声を上げる士官学校幹部が多い。防大が300人の教授陣をそろえ、文系・理系とも修士・博士までの大学院コースを持つ世界唯一の士官学校であることは、よく知られている。それ故にこそ留学生を送ってくる国もあろう。私はそれだけではない、訓練・心身の錬成においても高度であることをアピールしようとするわけである。

 どこでも感心されるものと思っていたが、ベトナム陸軍士官学校(「チェンコクトン学院」と蒙古軍を撃退した将軍にちなんだ校名をつけている)だけは違った。我が校では30キロ荷を背負っての300キロ行軍を行っています、というのだ。学生寮を見ると、2段ベッドは板のござ一枚敷いてあるのみである。毛布や枕は用いないという。痛くないのか。戦場に比べれば御殿だという。今後も大国の介入があれば戦い抜く姿勢を崩していないのだと解した。

さすが、西のアフガニスタン、東のベトナムと並び称される「ジャイアント・キリング民族」である。
アフガニスタン、かの地を人は「帝国の墓場」と呼ぶ(アレクサンダー帝国、英国、ソ連アメリカ)が、ベトナム(蒙古帝国、フランス、アメリカ、中国)もそれにふさわしい。自分の国づくりではアフガン、残念ながらだめだめだし。
にしても、日本の士官学校教育ってそんなに世界水準で優秀なのか。五百旗頭真氏は学長だから「親バカ」があって当然だろうし、もう少し客観的に論評できる人はいないかな…。あ、ゼネラル・タモガミとか(笑)。
 

元はどのようにベトナムで失敗したのか

。中国であれフランスであれアメリカであれ、介入する世界の超大国を打ち払ってきた歴史がある。13世紀に日本は再度蒙古軍来襲を受けたが、ベトナムは3度侵入された。日本は海と台風に守られたが、地続きのベトナムはいかに蒙古軍を斥(しりぞ)けたのか。そう私は訊(たず)ねた。国境の山岳地帯の峻険(しゅんけん)が蒙古軍の騎馬隊による侵入を不可能にした。そう先方の学校長は答えた。

基本、モンゴルはクリルタイによるハーン制度によって後継者が安定しなかったし、分割相続みたいなこともあったから、その内紛によって膨張が止まった部分もある。ただ、侵攻を撃退した国々もいろいろあるわけで、ベトナムの事例をあとで調べてみたいと高校時代の世界史で思って以来、結局調べていなかった。いつか機会があればね。
 

「東南アジアはどの国も、まちがいなく豊かになった」

変動の中でも、東南アジア諸国は変わることなく経済発展を続けている。タイやインドネシアなどは何度か訪ねているので、変化がよく分かる。かつては首都に高層ビルが増えても、その足元にはあやしい家屋が並んでいた。今は大都市の景観を形成しつつある。どの国も紛(まが)うことなくより豊かになっている。

基本、そうなんだよね。それに付随する問題は100も200も並ぶだろうが、それをすべて飲み込んでも、アジアが全体として豊かになったのはよろこばしいことだ。