最近、ここからの採取&紹介をサボっていたが、おなじみ読売新聞「編集手帳」より。
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/column1/news/20101115-OYT1T01071.htm
…双葉山の連勝記録を止めた安芸ノ海に挿話がある。師匠(出羽海親方)はさぞかし喜んでくれるだろうと意気揚々、部屋に戻ったが、ニコリともしてくれない。やがて口をひらいたという。「節男(=安芸ノ海の本名)、勝って騒がれる力士より、負けて騒がれる力士になれよ」…
ついでに編集手帳備忘録
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/
…(※黒澤明の)上映会が東京・京橋の東京国立近代美術館フィルムセンターで始まった。12月26日まで…◆〈悪魔のように細心に/天使のように大胆に/それが私の心構えだ〉。生前出演した洋酒のテレビCMで使われたコピーは、黒沢氏自身の作という。立ち寄る機会があれば、天使と悪魔の織りなす黒沢ワールドに遊ぶのも楽しい。
「尖」という字は「小」と「大」の組み合わせで出来ている。発生現場の地名にその字が含まれているせいか、尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件からはいくつかの「小」と「大」が……内閣で存在感が最「大」であるべき人が補佐役よりも「小」さく映る。奇観というほかない。
『サラリーマン川柳』の優秀作に感心した覚えがある。〈喜ぶな上司と野球にゃ裏がある〉。一昨日、一句をかみしめた。上司ではなくて、野球のほうである◆あと3人を料理すればロッテに歓喜の胴上げが待つ九回裏…
「論語」には「貧しくても諂(へつら)わず、豊かでも驕(おご)らないのはいかがでしょう」と孔子に弟子が問うくだりがある。「どちらもよろしい。だが、貧しくても道義を楽しみ、豊かでも礼儀を好む方が上だよ」と孔子は答える◆そんな礼節を重んじる文化に日本人は敬意を抱いてきた。ところが、国が豊かになるや無理難題を…
尾崎行雄は、政治の節目節目で心境を短歌に残している。1936年(昭和11年)に詠んだ一首。〈めでたかる此(こ)の議事堂にふさわしき議員を得るはいつの代ならん〉◆その年のきょう11月7日に現在の国会議事堂が落成した。……第1回帝国議会の召集から数えると、今月は120年の節目でもある。咢堂(がくどう)翁に一首所望したい所だが多分、同じ歌を繰り返すしかない…
長州藩士で、のちに藩政改革に手腕を振るった人に村田清風がいる。青年のころ、初めて江戸に出たとき、富士山を見て詠んだ歌がある。徳富蘇峰『吉田松陰』(岩波文庫版)より。〈来て見れば聞くより低し富士の山 釈迦も孔子もかくやあるらん〉◆話に聞いて想像していたほどには、高い山でもないぞ。偉い、賢い、と言われるお釈迦さまや孔子さんも、実際はどうだったのだろう。何ごとも、自分の目で確かめるに限るのだな、と……ネット上に流出した海上保安庁のビデオ映像を見れば…