■夢枕獏『神々の山嶺』は海外でどれくらい知られているのか?
http://d.hatena.ne.jp/manji_ex001/20100831/1283246481
というエントリによると
『世界の名峰 グレートサミッツへの招待「人はなぜ山に魅せられるのか」』という番組を観ました。
- 作者: 夢枕獏
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2000/08/18
- メディア: 文庫
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が、「山の文学」の一冊として取り上げられていたのですが(夢枕獏自身も出演)、そこに出演していたアルピニストの谷口けいさんが、海外で欧米のアルピニストに会うと、もう頻繁に、「お前、アレ知っているか」「羽生丈二知っているか」と聞かれる、と語られていました。
- 作者: 夢枕獏
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2000/08/18
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なぜか?
それは、漫画版『神々の山嶺』が、中国や韓国はもとより、欧州各国語版で出版されて、よく読まれているからです。
- 作者: 谷口ジロー,夢枕獏
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2006/10/18
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ふむう。気になる
と、いうのは−−−−あたくしが格闘技情報の海外発信を始めたころ、ユメマクラ・バクという人が、マーシャルアーツ・フィクションという領域の中で、本当にグレートで、影響力があるということを説明するために工夫が要ったからだ。
「BAKIという漫画があるのは皆さんも知っていると思うが、そのバキを書いたイタガキケースケという漫画家は「レジェンド・オブ・ハングリー・ウルブズ」というマーシャルアーツの漫画も書いている。この原作を書いた小説家がバクだ」とね。
ただ「バキなら知っているだろう」という前提は某ジョシュ・バーネットをサンプルにしたもので、一般性があるかは未だに不明(笑)。いや、彼はのちに、菊地秀行のサインをもらって大喜びだったからね。(あるインタビューでは、ジョシュがそのサインをきっかけにキクチ・ヒデユキの凄さを長々語ったが、おしくも大幅カットされた。まぁ格闘技雑誌だから当然(笑))
おっと、思いついて、夢枕獏公式ブログを「語版」という言葉で検索してみました。
http://www.yumemakurabaku.com/search?q=%B8%EC%C8%C7
やはり、「神々の山嶺」がダントツのようですが、他の作品もいろいろ翻訳はあるようですね。「大帝の剣」は確かに受けそうだ。「陰陽師」も受けるかも。
あと「キマイラ」は香港など、アジアではかなり人気があるとも聞いたことがあるが分からない。キマイラシリーズの影響がある「孔雀王」も香港映画になったし。
ただ「神々の山嶺」が欧州で受けるのは、谷口ジロー人気というか、完全に確立したステータスもあるみたいですね。欧州は日本漫画もそれなりに人気だけど漫画を受容する際に「アート」と受け取りやすい環境があり、その基準ではやはり谷口氏が受け入れやすかったと。
夏目房之介氏が書いていたんだが、かれのタイムスリップSF「遥かな町へ」も評価が高いという。
■谷口ジロー「遥かな町へ」 独の漫画賞ダブル受賞
http://blogs.itmedia.co.jp/natsume/2008/06/post-4b08.html
そういう点では「餓狼伝」は谷口ジロー版もあるんだから、ちょっと突破口があると思うんだがなぁ。
- 作者: 夢枕獏,谷口ジロー
- 出版社/メーカー: メディアファクトリー
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ぼくとしては「空手道ビジネスマンクラス練馬支部」が東洋の武術・カラテをテーマとし、しかも訴えている内容は世界に普遍的なものなので、いったん実力ある漫画家に漫画化してもらい、それを翻訳してもらえればなぁ、と思う。
- 作者: 夢枕獏
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1995/11
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【追記】2006年とかに、自分がちょっと今回とかぶる内容で書いてたよ。菊池ひどゆきの海外展開情報リンクもあった。
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20061216#p2
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20080416#p3