この前紹介した
■反自民に告ぐ(finalventの日記)
http://d.hatena.ne.jp/finalvent/20100529/1275111020
ですが、ふと思い出した16年前の文章があった。
1994年、これも社民党の前身であった社会党が非自民連立政権を離脱、その後まさかの自社さ連立によって社会党党首村山富市が首相になった政治劇です。
この時「社民党の党首が総理大臣になったら、非武装中立や自衛隊違憲と言った基本理念はどうなるのだ?」という突っ込みが入ったのだが、これもまさかの自衛隊合憲論への転換があった。
それを受けて…
三島由紀夫「英霊の声」

- 作者: 三島由紀夫
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2005/10/05
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われらは、戦後日本の欺瞞と退廃と偽善の中で敢然として革命のために闘い、極東の一角に崇高にして純潔なる理想国歌を築かんと粉骨挺身、至純の闘争の中途において不幸にも挫折した者の霊である。
闘争は厳しく長かったが、われらの身は常に仁慈になること神のごとき日本社会党によって、やさしく保護されて支援されていた。
(略)
「自衛隊は独占資本擁護の暴力組織である」と宣言したとき、われらは歓呼拍手した。「防衛庁を廃止し自衛隊を解体する」と決めた「非武装・平和中立への道」に喝采した(略)「自衛隊の実態は違憲」(党改革のための基本方向)という確認に、われらは歓喜雀躍した。
ああそれなのに何ということか、われらが村山富市委員長は、総理の座を射止めるやいなや臆面もなく国会で言い放ったのだ。
「専守防衛に徹し自衛のための必要最小限度の実力組織である自衛隊は、憲法の認めるものであります」
我らの失望は、冥界にあって昭和天皇の人間宣言を聞いた特攻隊員の霊の失望と同じだった。
(略)
などてすめろぎは人間(ひと)となりたまいし。
などてトンちゃんは人間となりたまいし。
(後略)
以上、長年にわたって雑誌「諸君!」の巻頭を飾ったコラム「紳士と淑女」より。
現在はこの新書で読める。(192-194P)

- 作者: 徳岡孝夫
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
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諸君の終刊、すなわち連載終了と共に、正式に正体を明かした作者の徳岡隆夫氏は、整然の三島由紀夫と極めて親交が深く

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にもかかわらず、かような三島由紀夫のパロディを書くとは、コラムニストという人種も因果な商売であります。
いや、「だからこそ」書いたのかもしれない、が。