■朝青龍からヤクザとの関係まで 独占告白! 石井館長、K-1を憂う
http://www.cyzo.com/2010/04/post_4300.html
まずご報告すると、リンク先では「プレミアサイゾー」に全部掲載となっていますが、紙のほうの「サイゾー」誌にも続きは掲載されてますわ。
ああ、この号です。
- 出版社/メーカー: サイゾー
- 発売日: 2010/04/19
- メディア: 雑誌
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この前も書いたけど、サイゾーは特に小田美代という謎の格闘ライターの記事が物議をかもしたこともあり、いわく因縁がある雑誌ではあります。その小田記事の信憑性も?だったことに加え、個人的にはこの前出版されたばかりの
- 作者: 烏賀陽弘道,西岡研介
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2010/03/10
- メディア: 単行本
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(※この本は今年出版されたばかりで実に面白い。「名誉毀損」について、希望の議論ではなく実際の裁判ではどういう風に勝ち負けが決まるのか、情報の「リーク」や「ソース秘匿」とは何か、また大企業が裁判を起こすこと自体によって、小さな敵対人物をつぶそうとする「スラップ裁判」などについて紹介するまったく例のない本である。これもいつか正式に紹介したいものだ)
しかし、何だかんだといって、石井館長(この肩書きが違うことは百も承知だが、敢えてこう書く)のインタビューをこうやって実現させ、こうやってどこにも載っていない情報が掲載されている以上、これは立派な「スクープ」。
他のメディアは知らなかったか。
知っていて書かなかったか。
それはどっちでもいいが、結果的に「サイゾーは格闘技のスクープが時々は載る雑誌」であるとこちらも判断せざるを得ない。紙の本誌を読むと実はなるほど、あの謎の怪人・高須基仁氏のオフィスがこのインタビューの実現に関わっていたのであります。
ここまで前振りして、やっと内容に入る。うちの芸風です。
谷川氏との不仲説は「まったくないです」と否定するも…
08年に僕が(脱税の罪による収監から)出所して、決算書を見ると、多額の負債を抱えている。金額は明確に言えないけど、債務超過になり、業績が明らかに落ちている。販売管理費が増大し、逆に各大会の利益率は下がっている。これはヤバいと思うじゃないですか。(略)会社の経営内容にも口出しするようにもなったわけです。しかし、谷川さんや現経営陣からすると…(略)・・・何がわかるの? となるわけです。そんなやりとりが、第三者からは不仲に・・・
さらっと重要なこといいますね!
銀行が債務超過だとおおごとだけど、格闘技団体の債務超過ってどれほど深刻なのだろう。というか2007年までは債務少なかったのか。どっちにしろ、視聴率や動員数も重要だけど、最終的な決算で運営会社が着実に黒字であるということも格闘技の今後のためには非常に重要なことなので、ぜひともがんばってほしいんですが。
あと、「不仲説」を否定するようでいて、要はそういう意見の相違があったことを認めてはいるんですよね。これでなるほど、いろんな噂は分かった、という感じです。
競技面の統括を石井氏がやる
選手にプロライセンスを与えたり、レフリーに公認審判の資格を与えたり、ジムを許可制にしたりする必要がある。その統括を僕がやろうかな
ゴン格インタビューでもこういうこと言ってたですよね。非常にいいことのように思えるが、例えば2008年末の武田幸三はK-1ライセンスを得られるのだろうか。
”アルティメット・ロード”(直訳)との関係
地方都市で興行を円滑に進めるには、昔ながらのしきたりが確かにあります。過去にはたとえば、某県で格闘技の興行をやることがあれば、…(略)…その稼業の人たちに挨拶に行く必要があった。これが良いのか悪いのかと言えば、公序良俗が厳しく当局が指導している現在は、許されないでしょうが、僕個人の見解を言わせて頂ければ、決して悪いことではないと思うんです。ただ、その前に所轄の警察に挨拶し、そのことを警察にも伝え、許可を得るべきなんです。
しかし、逆に言うと「K-1があいさつした地方は石井館長が警察署長にその旨を伝えていた」ってことになって、今度は警察署長のクビがとんじゃうんと違うのだろうか?警察は内部の監察というか、足の引っ張り合いもけっこうある。何しろ減点主義だしね。まあ、こういうこともある(あった?)のか。
そして海外資本の導入。K-1に興味を持ってくれる人たちは…
グローバル化を図るには大金が必要です。UFC【註2】もそうですけど、(略)多額の投資をした。(略)結果、アメリカでのペイ・パー・ビューは大成功し、世界各国で爆発的な人気を得て、ここ4、5年でその企業価値は 100億円を超えるものになった。スポーツビジネスはレバレッジを利かせることが重要で、そのパワーっていうのは、先行投資の何十倍にもなる。僕は、そこを理解している人と組んでビジネスをやりたい。香港の財閥だったり、あるいはマカオのカジノホテルのオーナーだったりという人から、声をかけてもらっています。
いや、思わず笑っちゃったんだが、・・・というのは「ゴルゴ13」や「創竜伝」とかで、なんかいきなりご都合主義的に主人公を助けてくれるパワーとして「なぞの華僑資本」が出てくるっていう話がありましてね(笑)。
たしかゴルゴでは、ロックフェラーがモデルの巨大資本がゴルゴを狙い、これが半端なく巨大な組織でさしものゴルゴも追い詰められる。だが、「それに対抗できる独立資本がまだあるっ!それが華僑だ・・・」てな展開だったの。検索したら第63巻217話「ロックフォードの野望」 。
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創竜伝も同じだな、アメリカ・ヨーロッパはすでに四姉妹(フォーシスターズ)に支配されていて、それに対抗できるのは唯一華僑の勢力と。もうあの作品の記憶なんて曖昧だけど、第7巻「黄土のドラゴン」だったかしら。
- 作者: 田中芳樹
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そういうパターンのフィクションを読んでいたら、今回はアブダビの巨大資本にマカオや香港のお金持ちが対抗と来たんで「昔のまんがかおまえは」という懐かしいツッコミをさ(笑)
同時に「やはり日本は衰退期かのう」とね。
戦後65年、明治維新から約150年。何とかかんとかやってまいりましたが私たちの世代?でついに息切れ、いっぱいいっぱいなんですかね。「Ipadをあけたら韓国と台湾の部品ばかり」というエントリがはてなで話題を呼びました( http://d.hatena.ne.jp/kibashiri/20100409 )が、そういう話や、それこそ「数年後に国債が暴落する。資産は海外に逃がせ」的な週刊誌ネタなんかもふくめて何かねぇ、という話。
だが本当は、日本で生まれたコンテンツ産業が、その内容によって外国からお金を吸い上げている(資本参入を逆に見ればね)と見ることもできるわけで。この前のライブドアの、韓国企業への売却もそうだったけど、外国資本の投資を呼ぶほどの強さ、なのかもしれない。