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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

1999年、金正日の朝鮮総連への指示「赤旗は心に秘めよ。日本当局への接近も闘争方法のひとつだ」

朝鮮学校について話題になっているので、ちょっと思い出した本がある。
2003年に出版された

という本だ。書き下ろしで3月に出ているから、2002年の小泉純一郎首相の訪朝と拉致問題の衝撃を受けてそのままかかれたものだと思われる。
著者の李策氏は、この本の中でも「朝鮮学校で政府の保護がないのは人権問題」「反日教育は90年代には無くなった」というような立場をとっているが、その問題とは別に、
金正日が1999年に、徐萬述(ソマンスル)第一副議長(当事)に与えた指導で、「4月20日マンスル(お言葉)」と呼ばれているそうな。
極秘だった内部文書のスッパ抜きという位置づけなので、オーソライズされていないが、1999年8月4日、6日の毎日新聞や2001年2月9日の産経新聞に概要が、また月刊誌「現代コリア」2001年1・2月号にも掲載されているという。

金正日のお言葉。

総連は首領様の革命遺産です。敵の策動から総連を死守すれば、首領様の下で一生を愛国事業にささげてきたハンドクス議長をはじめ総連の老革命家の業績を守ることになります。それなのに党の原則第一主義にこだわって同胞群集を失い、総連を瓦解させてはどうなりますか。われわれはどのような方法と手段を使っても、総連を無条件に死守し存続させねばなりません。
総連結成から40余年が経ったのに、事業方法が結成当事と変わっていません。今の総連の事業方法を見れば、祖国でするのとほとんど同じです。総連はあくまでも敵区(非友好国・地域)にあるのですから、祖国とは違うようにすべきです。(略)
同胞を対象とした事業は彼らの思想の状態と特性に合わせて幅広く行わなければなりません。総連は共和国の旗を掲げたからといって、左傾的になるばかりではだめです。それでは敵区組織が必要ないのも同然です。
いま、日本反動が総連への攻撃を強めているのは、総連があまりに杓子定規にやっていることとも関連しています。日本の土地で生きていくのですからまわりに合わせる時はそうしながら原則だけを捨てなければよいのに、杓子定規に推し進めるからそのようなことがおきるのです。
総連では同胞群集との事業方法を決定的に改めねばなりません。とくに世代交代が進んだため、新しい世代との事業方法を彼らに合わせるように転換すべきです。今はあまりに原則一辺倒で脱線を恐れるので、同胞群集が次々脱落しています。

総連がこのように事業方法を転換すれば、祖国の諸々の機関が非難を浴びせるでしょう。それには聞こえないふりをして耐えなければいけません。私だけがトンム(同志)たちを理解すればいいのです
日本で朝鮮学校を出た青年が(同胞人口の)20%になるといいますが、それもひいき目に見てのことで本当はそれ未満でしょう。総連では民族教育の内容と方法もいっそう改善していかなければなりません。
総連は対外事業を自らの立地条件にあわせていかなければなりません。そうしてこそ朝日関係で総連の位置が明白になります。総連は祖国を代弁するだけでなく、祖国と日本をつなぐ掛け橋の役割を勤めなければなりません。祖国が日本に対し高圧的に出ると、総連まで同じようにするので日本人は気を許しません。われわれに近寄ろうにも近寄るすべがありません。総連が日本当局にもっと接近し、彼らの心の内を探り出すこともひとつの闘争方法なのに、ただ頑強さを打ち出しているだけなので、そのような仕事がきちんとなされていません。
われわれの目標は総連の群集地盤の拡大です。総連が事業方法を改め右傾化しているという話が敵の間で広がってもいいのです。今の情勢の下で赤旗は心の中に秘めて、前に掲げてはなりません。必要な時に掲げればいいのです

この指示が事実だとしたら、さすが金ちゃん謀略家としてはいっきゅうひんだ(笑)。往来で狂人のふりをすればすなわち狂人、のデンで、秘密指令によって離れたふりをすれば、秘密指令まで伝わらない下の層がそのまま素直に離れるということもあるしね。(実際、この支持派組織の中ではうまく実行されなかったし、2002年の拉致ショックで一時は自己批判のうごきもあった朝鮮新報などのメディアはあっさり元に戻ってしまった)
とりあえず、国際間の謀略というのはフクザツなもんです。あと、結局のところ金ちゃんのコントロール朝鮮総連は脱することができないのだろうな、との感慨。