ここだけ抜き出そうと突発的に思った。
立川談春、立川志らくは二人で若手勉強会を始めるが、その第二回に突然、高田文夫が来ることに・・・
「アニさん(談春)、大変だ」
「なんだ、どうしたんだ、アンタ(志らく)真っ青だぞ」
「高田先生が見に来るって」
「高田文夫が?何であの人がわざわざ前座の会なんか見に来るんだ」
「わかんないけど突然行くぞって云いだしたらしい・・・(略)」
と大騒ぎ。
そしてやってきた高田文夫の、コレが名調子なんだわ。
うすら寒い楽屋だなァ。広すぎるぞこの楽屋。どうせ客なんかいねェんだろ。いっそのことここでやれ!
(略)
志らく、お前、なんか云わなくていいから。相変わらず口が不自由だな。可哀そうな噺家だよ。来ちゃったよ、馬鹿野郎。前座の会なんか観に来るのは初めてだよ。俺に歴史をつくらせちゃって憎いねどうも。こっちのアンちゃんは? 談春? フーン、しっかりやってくれよ。頼むよホント。お前等何席ずつ演るの、二席ずつ? 災難だなァ。何が悲しくて前座の落語を四席も聴かなきゃならないんだ。俺そんなに悪いこと何かしたか?
よくもまぁ、目をかけた若手(だから勉強会に来ちゃう)に会って、これだけの悪態をつけるもんだ。
というか、この話芸を目の前で見せられたらたいていの若手芸人が絶望するんとちがうか。
そして月日は流れ、二人を含む総計4人が二ツ目に昇進する。
この披露口上、まずは立川一門の森の石松、桂文字助がこういうときは折り目正しく正統派の言い回しで進行する。
続いて立川藤志楼こと高田文夫の口上は・・・
ああーくたびれた(会場大爆笑)。
なんですね、ずーっと頭下げっぱなしで口上ってのは拷問みたいなもんですね。気の弱い人間なら自供しちゃいますよ。
えー、のらく(※改名し、一緒に昇進した一人。談坊も同じ)さん頭がハゲてます。33才で立派な二ツ目、おめでたいじゃないですか。談坊さんは関西弁です。コチトラエドッコダイって思いっきり訛ってました。勉強になりました。談春はワタシとカラオケ友達です。ワタシがチューブとサザンをガンガン歌っているのに談春が歌うのは、おゆきですよ。いまどき、内藤国雄ですよ。オマエはどんな21才なんだ。それから志らく。こいつはワタシの大学の後輩ですが、ただの馬鹿です。
ハイ、口上終わり
会場のボルテージが上がり、口上のグレードが下がったというお話。
上に書いたように、これは
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