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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

ダンバー数の根拠および元論文について

元の他ブログのエントリはその後、反響としてはみんなダンバー数を前提とした数学上の計算に走っているので、わたしが「ダンバー数」の前提検証を独占いたします。
検証するのは俺じゃないけどな。コメント欄に頂いたの書き手は(広く科学的思考の)専門家であることを保証いたします。

Poet 2009/11/05 13:13 大脳新皮質の割合と、群れの大きさについては本当かなぁ?群れを作らないオランウータン数頭の群れのゴリラ、100頭規模の群れを作るチンパンジーニホンザル、多分、それよりも小さい規模の群れを原始的には作っていた霊長目ヒト科を並べると、どうなんでしょう?
ただ、このダンバー数の概念自体、社会科学的にはありだと思います。でも、先日の朝生に出ていた東浩紀氏が言っていた「直接選挙制が機能する人口は2万人くらい(だっけ?)」という話や、会社でも行政でも大学でも、何か専門的なことを議論するには、活発な議論ができる数人〜十数人程度の小委員会をつくる。という常識的な手法と連続的なものじゃないかな?
つまり、「安定」「団結」「制限」という明確に定義されない言葉を使っている以上、何をやる・決めるかによって、上限人数が数人〜数万人と連続的に変化するだけだと思う。(人数に特異点があるとは思えない)
社会科学と自然科学では、そもそも「正しい」という概念が違うでしょう。
自然科学では、たとえば、「知能の高さは遺伝するか」を「異なる環境で育った一卵性双生児の知能指数に相関はあるか?」と、測定可能な問題に書き換え、「相関がある」という結果が出たところで、20回に1回くらいの偶然で起こりうる程度の相関(有意水準5%)なら、「知能の高さは遺伝するとは確認できなかった」という否定的な結論になります。
異なる環境で育った一卵性双生児なんて探すのが大変だから、証明は難しいと。
物理学では、1000回に3回とか、DNA鑑定による犯罪者特定なら数億回に1回とか、もっとハードルが高くなるわけですが。
社会科学では、「なるほど、そういう考え方があるか、面白いね。(あるいは有用だね)」でもいいんじゃないでしょうか。



gryphon 2009/11/05 22:04 そうそう、ちょうどいま話題の東氏「IT直接民主制」にも関係してくる。



Poet 2009/11/07 01:49 ダンバーの原論文、PDFファイルで公開されてますね。
http://www.liv.ac.uk/evolpsyc/Evol_Anthrop_6.pdf
図1が、新皮質の延髄に対する体積割合、図2Dが、横軸:新皮質体積割合、
縦軸:群れの平均サイズ。