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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています 

村上もとか「仁−JIN」のドラマ開始。さて私たちはタイムスリップしたとき何の技術を見せられるか?

本日、編集技術とキャッチコピーのセンスで知られれる天下のTBSが、村上もとかの作品をドラマ化します。
宝石のような輝く価値を持つ「龍」の連載を終えてから、この作品にあらためて氏は本腰をいれている。

あらすじはこうだ。

http://dramaniatv.blog17.fc2.com/blog-entry-1933.html

JIN あらすじ
  脳外科医が幕末の江戸へタイムスリップし、医療器具や薬のない中、幕末の人たちの命を救っていくSF歴史スペクタル

シンプルだが、過不足は無い(笑)


さて、過去へのタイムスリップ(トラベル)ものは、前にも書いたがロジカルなタイムパラドックスのパズルを組み立てる魅力もあれば、グッド・オールド・デイズの”時代の雰囲気”を楽しむものもある。
と同時に、主人公とその仲間が「その時代から未来に至る流れを自分たちだけが知っている」というプラスと、「周りに現代に匹敵する道具も、インフラも、周囲の理解も無い」というマイナスの中で、知恵を絞ってどこまで活躍できるか?という、そういう部分の興味をかきたてるのも魅力でありましょう。


で、私・・・というか紳士たるもの、皆そのことは心に置いていると思うが、もしタイムスリップした場合、どの知識を生かして活躍するか。私はまさかの時に備え、よくそういうことを考えている
いしいひさいちの4コマで「タイムスリップしたけど、何の知識も技術もないのでそのままの男」という、それだけの話があったのだが、そういう自体は避けたい


これが10年20年前だったらぜんぜん問題ないんだよ。
最低限の費用は肉体労働でもなんでもして稼いだら、裏社会で「なぜかPRIDE賭博で、大穴に賭けていつも全勝する伝説の男」として知られるようになるだろう。サッカーでもワールドカップぐらいならさすがに結果や優勝チームを覚えているから、オンライン賭博かなんかでどんどん雪だるま式に増えていく。円高円安や金相場のトレンドも知っているからそれだけで大儲けだ。
その財力を利用し、日本とアメリカの政治を・・・・

となっていく。
ただ、それより前だと君、たとえば電気がない状態で何ができるかということもあるし「私の世界では、遠くの世界を見られるテレビジョンや、遠くの人と話せるでんわがあります」と力説しても「ほほう面白い、ではそち、それを作ってみよ」となったときに何もできない。「なに、自分ではできぬとな?ここな不届き者、打ち首じゃあ!」となるでしょう。
そういうことも視野にいれとかないと紳士たり得ない。


あくまで自分の技術で、自分の知識でやれることは何か。

私が考えたタイムスリップ成功術

現在−−明治
ごく簡単な発想で大ヒットしたアイデア商品の特許はすべて自分で取ってしまう
(洗濯機の糸くず取りとか亀の子だわしとかマジックテープとか。昔そういう発明物語の本をよく読んでいたので知っている)
歴史の教科書で知っているような事件で、先を見越して投資する。(第一次大戦直前にアメリカに投資。大恐慌直前には一転して空売り


江戸時代
かっけは必ず直す名医として活躍。「びたみんと申すものの不足なり。米ぬか食え」
あと「衛生管理」という概念も、教えるだけで生存率は急上昇するはず。これは専門知識が無くてもできる
あと、おいしいおいしい「ほっとけーき」を売り出して儲ける。でも牛乳を料理に加えること、開国前に認めてくれるだろうか?
じゃがいもとかさつまいもとか、そういうのも入ってこなければしょうがないけど、入ってきたらいち早く導入して、新しい料理を作ってみようじゃないか。
(※このへんの話に近いエピソードは実際の「JIN」にも出てきます)


戦国時代
名医として活躍する傍ら「この戦い、今川どのは敗れますぞ。信長、うつけにはございませぬ」
川中島はどちらも勝てずに終わりましょう」など、実際の戦闘は指揮できないものの大局の流れをぴたりと当てる名軍師として活躍。


中世
むしろ大航海時代のスペインやポルトガルに行きたいね。そこで「航海時の壊血病を、ぴたりと防ぐ技法を持っているやつがいる」と評判になる。
その秘伝は、「船の中でもやしを栽培しなさい」である。本当かどうか調べていないが、明の大船団を率いた「鄭和」の艦隊は、これを実践したから壊血病に耐えられたとかいう説を聞いた。
でも、もやしが西洋で一般化していたら、旅順要塞ももっと持ちこたえちゃうからなあ・・・(俗説だが、旅順要塞では壊血病が降伏の一因だったが、要塞内にはたくさん豆があり、もやしにしてビタミンを増やすことを知っていたらもっと持ちこたえた・・・といわれたりもする)

「仁−JIN」を深く楽しむために「まんが医学の歴史」を推薦

今回のドラマは江戸時代に外科医がタイムスリップということで、当然医学史にまつわる話が出てくる。
当時、何が分かっていたのか、何が原因不明だったのか、何が外国では常識で、日本では鎖国のために知られていなかったのか。
あるいは伝統両方が結果的に近代的な医学の知見と一致していたものもあるのか。
これらのことを知るのに最良のテキストがこの「まんが医学の歴史」です。


古代ギリシャからルネサンス蘭学、細菌学の発見、抗生物質やDNAに至る歴史が非常にわかりやすくかかれています。
実は絵を描いた人は手塚治虫以来の伝統というか医者兼漫画家。絵は実際のところ、まあ本職じゃないしね、って感じですが、それでもすっきりしていて学習漫画の水準は十分満たしています。
そこここに売っている本では無いでしょうが、amazonや注文その他でご購入ください。

これは本の予告編で、いつか本格的にエピソードを論じたい。
(麻酔の開発に関わった医者のほとんどが不幸になったことや、パスツールとコッホが犬猿の仲だったことって知ってる?)

まんが医学の歴史

まんが医学の歴史