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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

「ヒトラーを美大に合格させ歴史を変える」ちゅうtogetterの話題から

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「タイムマシンもの」をウェルズその他が書いた時は、その方向には進まなかった(というか、ウェルズの作品は「未来に行く」ものだったしね)のだが、ある暇人から「過去に行ったら、未来の知識を生かしてうまくやって、その過去を変えられるのでは?」という発想が生まれた(トウェインの「アーサー王宮廷のヤンキー」はそれ以前だったっけ?)。そこからさらに「いや、それだとパラドックスが起きるぞ…」と考えた、更なる暇人もいて…
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まあ、そのへんはいつか詳しく知りたいんだけど、ともあれ、このジャンルは成熟して定着しています。

だから、上のようなアイデアだって驚天動地、まるで誰も考えつかなかった発想だ!! ではないんだけど、やはりそこにひとひねりを加えて「若きヒトラーを物理的に排除(暗殺)する」とか「ドイツの政治を変える」とかじゃなく「ヒトラーに、本来志望していた画家の道を歩ませれば満足して、独裁者にならないんじゃないか?」というところが、面白いのでしょうね。

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水木しげる「劇画ヒットラー」ウィーンでくすぶるヒトラー
劇画ヒットラー (ちくま文庫)

劇画ヒットラー (ちくま文庫)

ちなみに、今回のコロナ騒動でドイツがアーティスト支援を打ち出した時「そりゃ、貧乏で不満いっぱいの芸術家を野放しにしてるとヤバい、と80年前に思い知らされたからな」というギャグツイートをこの前見かけた。保存したつもりだったのだが、発見できず残念(2ネタがあったと思う…)



ヒトラーを思う時、「この狂気の独裁者も、生まれてからずっと悪だった訳ではないだろう。いつ、どこで彼は『アドルフ・ヒトラー』になったのだろう?」という疑問は当然出てくるので、彼が母親からの愛と祈りを浴びて生まれた瞬間を描いた小説とか、「ヒトラーは最初は善良で純真だったのだが、ユダヤ人のフリをした悪魔にひどいめにあい、反ユダヤ主義になり…」という、ちょっとやばい漫画があったりする。後者は「デビルマン」の外伝だ。

あらすじ
悪魔との戦いの最中、第一次世界大戦前のウィーンにタイムスリップしてしまった不動明飛鳥了。そこで彼らが出会ったのは若き日のナチス総統、アドルフ・ヒトラーだった。その後も英仏百年戦争当時のフランスや古代ギリシャ、開拓時代のアメリカなどさまざまな時間軸を転々としていく二人。彼らは血塗られた歴史の影で史実を変えようと暗躍するデーモンに果敢に戦いを挑んでいくのであった。史実をもとにしたストーリーのなかでデビルマンを活躍させる意欲作。
新デビルマンのマンガ情報・クチコミ - マンバ

ヒトラーのIF」についてあれこれ

◆敗戦前にヒトラーを暗殺したら「偉大なヒトラー神話」を共有したドイツ、というさらに厄介な展開に?
自分、上で紹介したまとめ記事のブクマにこう記した(あとで変えるかもしれない)

歴史改変系の話としては『ヒトラーが権力者になる前』はよく挙がる。自分が一度考えたのは「チェコ併合直後に、未来から来た人が暗殺成功するが、ぼろが出ない前の絶頂期に殺されたヒトラーが神話化され逆効果に…」

これはたぶん、銀英伝司馬遼太郎がちょと語っていた「暗殺で歴史は変えられる(進歩させられる)のだろうか」という問いを考えていた時に思いついた話だったかもしれない。以前、ブログに書いた気がするんだが、検索では見つけられなかった。

ヒトラードイツとアメリカが決定的な戦争に至らず「冷戦」を続けた…という、ある意味もっと厄介な歴史があったら…

ベルリン、1964年。
ヒトラー総統75歳の誕生祝賀行事を一週間後に控え、ジョゼフ・P・ケネディ米大統領デタント交渉に訪れようという冬の朝、老人の死体が湖畔で発見された。男は古参のナチ党員で…。
第二次世界大戦勝利から20年、ヨーロッパ全土を支配下におさめる大ナチ帝国を舞台に展開される気宇壮大な政治ミステリー。

ここでこの本を紹介したのに特にきっかけはなくて、時間が無いのでエントリーが少ない時に追加できるストックのひとつだったので紹介したという次第。
本自体も、数年前にかったまま積ん読状態にある。

ただ、この種のいろんなシミュレーション小説はあると思うんだけど、実際の歴史上もエンターテイメント的にも「不倶戴天の絶対悪」に近いナチと、自由世界が「共存しなければならない世界」・・・ここに思想的な意味でもぞくぞくするものを感じませんか。

おや?映像化もされているの?

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◆高い城の男

高い城の男

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新世界

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歴史改変もののツボは「ほんのちょっと変える(僕にもできそうな何か)だけで、テコのように大きく変える面白さ」

だと思うんです。ビル・ゲイツだと、過去に行かなくても数百億ドルどぶに捨てて現在と未来を変えられる(笑)。そうでない凡人だから「まだ個人で出来るような、ほんのちょっとの知識や行動で大きく歴史を変える」が面白い。
となると、現実の歴史で、「ほんのちょっとで大きく歴史が変わる、そんな場面はここだ!!」というのを、独自の視点で探すのが重要になる。

そんな過去の記事を

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最後の「誰かが1990年代半ばごろにタイムスリップ(或いは転生)して、孫正義ジェフ・ベゾスのやったネットビジネスを先取りして大富豪に」というネタ、ほんとにだれか書いてください。印税の一部も、できたらください(オイ)

歴史を変えようとしても、歴史の「大いなる力」によって、大筋は変わらない(細部だけは変わる)というネタの初出は

という話、すでに定着したオチではあるのだけど、誰が最初に考えたのかしら。これはさすがに調べればわかる、あるいはカスガさん(カスガ (@kasuga391) | Twitter)に聞けばわかるはずなのだが、怠慢で調べてないのだ。
別に実験してそれが事実だと分かったわけではないし(いや、だれか実験済みなのかな?)
日本ではこの作品によって、人口に膾炙した(異論は抹殺する)

戦国自衛隊

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  • 発売日: 2013/11/26
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そんな目で見よう、歴史改変SF「JIN」総集編放送

日曜からだっけ。
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逆に「冷戦で戦後ドイツのように東西分断された日本」を描く作品も。
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あ・じゃ・ぱん!(上) (角川文庫)

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あ・じゃ・ぱん!(下) (角川文庫)

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