まあ「TBSに追い詰められた」かどうかは知りません、実のところ。ひょっとしたら会場のほうの入り、券の売れ方がよろしくなく、ハコを満杯にするために必要なのかもしれない。
ただ視聴率にせよ会場の集客にせよ、桜庭和志出場!で盛り上げたいなら当初からそれを決定、アナウンスして大々的に売るのが王道である以上、今回の決定は「本当はしたくなかったんだが、何かしらの事情によりそうせざるを得なかった」というカタチであることはほぼ間違いない話でありましょう。
ここまでその「窮状」(と推測せざるを得ません)を見ると、もうさすがにそれを批判したり攻撃したりはする気が無くなる。ネタにはするけど。頑張ってください、としか言えない。
競技的には10.25の「12」を目指して調整していたでしょうに、そのへんコンディションどうよ?とも思いましたけど、よく考えたら相手もたぶんそれ以上に調整してない(笑)。肉体的にもビザ発給的にも。
じっさい、もし噂されるように外国人だったら、どういうふうにビザ発給とかなっているのかしら。このへんも外務大臣のオープン記者会見で格闘技雑誌が聞いちゃ・・・まずいよな(基本は法務省だし)。
で、それとは別の話題だけど、桜庭和志の相手ということで「また初物?」とかそういうネタも緊急参戦発表ビデオにはありましたね。
桜庭の最近の相手はアンドリュース・ナカハラ(この時は総合キャリア0に近い選手だったが)、メルヴィン・マヌーフ、田村潔司か。
なかなか。
ただその前は柴田だったり船木だったりするけどね。
今度の相手は、はたしてどうなるでしょうか。
この種の話となると、はずせないのが田村潔司と菊田早苗だが、ちょっと菊田はDREAM話とは関係がないのでおいておく。
田村潔司の、今度の相手についての噂話、奥さん奥さん、聞きました?
ここだけの話ですけどね、ごにょごにょ。
http://gameandmma.blog29.fc2.com/blog-entry-1875.html
まあ、わたくしはいくらなんでも誤報じゃないかと思いますけどねっ。
そんな折、ちょっと読み逃していた、kamiproMOVE内の橋本宗洋氏( id:N-Hashimoto )のコラムをまとめ読みしたです。
最新版9.30は「ネット上の動画環境やブログ環境の充実で、団体・選手からダイレクトに情報発信ができる時代」についてのコラムで、その興味のあり方は私がブログ上で書いていたことと(たぶん)多少重なる部分があって、そういう点でも面白かったのだが、その前、吉田秀彦vs石井慧の回と、ミルコ・クロコップ引退?の回でちょっと桜庭や田村の話と相通じるものがあったような気がする。
吉田vs石井の回
選手や団体に関するいろんな噂を耳にする。
で、中でもよく効くのが、選手がマッチメイクに関してつけてくる条件の話だ。去年は秋山成勲の「対戦相手選び」が話題になったし、いや秋山だけじゃなくて”リスク”と”おいしい相手かどうか”を天秤にかける選手は少なくない。(中略。キックの話題に転じてヒジのあるなしや契約体重での駆け引きもあるという話)・・・個人的には「やれよ!」と思う。(略)やって勝て!かってのし上がれ!と思う・・・(略)・・・いかに自分の価値を落とさないかっていう考えで、間違った意味で”プロレス的”なのだ。
ミルコ敗戦の回。タイトルは「ミルコ・クロコップの雄雄しき”終焉”」
ミルコに対して「こうなる前にやめておけば」とは思わなかった。なぜかと言えば、ミルコが”闘っていた”からだ。
(略)
確実に晩年に差し掛かっているミルコには、UFCを完全撤退しDREAMで”余生”を送るという選択肢もあり得たと思うのである。タイトルに関係のない”別枠”で、年に1-2回無難な相手と闘って・・・・(略)・・・でもミルコはそうしなかった。・・・(略)・・・”試合に出る”だけでなく”頂点を目指す”生き方を貫いたということだ。
(略。コールマンもクートゥアもリデルも、みなUFCでは頂点を目指しており、試合をするだけを目的にする選手はいないという話)
それは、ただ試合をすることだけが目的になっているような”リングにしがみついている”ベテランの姿とはまったく違う・・・
(略)
僕は「最後の試合がこれ?」とか「もっときれいな引退の形があるんじゃないか?」とは思わない。彼は頂点を目指して闘い続け・・・散ったのだ。
このブログエントリも、実はタイトルを「橋本宗洋氏、田村や菊田を痛烈批判」にしようかと最後まで迷った(笑)
もちろん本人から「いやいやそういう意味じゃないよ」と来るかもしれないが、同じはてな内なのでTBは自動的に行っているものの、相手はプロライターだからアマブログにそういう反応はいちいちしないかもしれないので、勝手にまず自分のほうで考察を進めます。
ようは、上の話で個人名ではなく抽象的な条件として挙げられている格闘家のふるまい、態度の中に、田村や菊田、ひょっとしたら桜庭、(船木誠勝も?)は該当するのか?ということですな。あとひとつは「システム」の問題も関係しているのでしょうが後述。
頂点を目指している、目指さない・・・というのも実は難しいといえば難しい。
田村も桜庭も船木も、2008年DREAMミドル級トーナメントに出場した以上「頂点を目指して闘い続けるぜ」という姿勢を示しており、合格!という話になるやもしれない。その一方で田村の2回戦辞退はやむを得ざる負傷ゆえか、リスク回避の面があったのかも、外野からの推測が入ってしまうし。
でも、田村ってインタビューでは「もう俺もトシなんだぜ。いま、俺を引っ張り出そうとするほうがおかしいや」という様なことも言っており、それもそれなりになるほど、と思わせるものがある。
で、まあ私見というか両者の折衷案なのだが、つまるところ「頂点を目指さない」のと「駆け引きや価値を守るための駆け引きに没頭し、リングにしがみつく」というのはかならずしもパッケージになる必要はなく、この二つをうまく分離できればいいんじゃないかと。
以前から何べんも書いてたけど、「Who is the strongest?」を追求する世界はとても面白いんだけど、そこから外れても「Which is stronger?」の世界もなかなかに面白い。そういう点でDEEPを褒めたこともありました。
だから、たとえばミルコがこの後、現役を続行したというシミュレーションであっても、なんつうかたとえば、ぱっと思いつくところではたとえば中尾”KISS”芳広とか、ホジャー・グレイシーあたりと対戦したら「頂点は目指さないのか・・」というがっかり感は個人的にはあまり無い。要は「頂点を目指しても目指さなくても、格や人気や実績、また若さや経験、衰えなどをうまく補正した中で、それなりに釣り合いの取れるマッチメークで戦い続ける」選手に保身感はないんだ。
最良の例として田村と軌跡が交わるようで交わらない、「2009年の金原弘光」を挙げたい。まあ状況的にそうせざるを得ないのかもしれないけど(笑)。
ただ、それは個々の選手の覚悟や心構えでもあるけど、マッチメーカー、プロモーターの意向にも大きく左右される。
実はこの視点はかつて、橋本氏自身が「サッカーのJ1・J2入れ替え戦は優勝争い以上に盛り上がる」というのを例に挙げて、かつて語っていたような気がする。
一番いいのは、こういう風に頂点を目指す戦いから降りた、または否応無く降りざるを得ない選手らが、今度は山の中腹やふもと近くでもシステム(慣習)として、その世界の中でのシビアな試合をできるような状況になれればってことですね。
大関の7勝7敗はとりあえず置いておく(笑)。
これも前書いたかもしれないけど、すでに40歳近いことを田村がいうのなら、その40歳近い世代でのトーナメントとかをやってみちゃどうだろうか、とちょと思う。その決勝に両方が勝ち上がったとかなら、桜庭vs田村の再戦もまた興味がもてるようになる気がする。