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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

奇書「大川隆法の霊言」を知っていますか…大川氏が語る「霊言」の矛盾について

本当は衆院選公示前にUPしたかったのだが、まあ読書した本の内容を紹介しても公選法には違反しないだろう。
今回、直前で選挙戦撤退説もながれた「幸福の科学」を支持基盤とする「幸福実現党」。
当ブログでは有田芳生ブログから引用して、公式発表前にいち早く情報を紹介したこともあり注目している。
この分だと当選はおぼつかないだろうが、大激戦区で、普通なら自民党に流れたであろう票の一部が分散して勝敗を左右するかとか、全国区である参院選挙の比例代表ならば当選するぐらいの得票があるかどうか、とか・・・ひいては公称ではわからない、得票数から見えてくる実際の信者数などれくらいか、などいろんな興味がある。


さてそんな折ですが、あたくしの手元にJICC出版局(現在の宝島社)から90年代初頭に出版された

大川隆法の霊言―神理百問百答

大川隆法の霊言―神理百問百答

という本がある。当然、絶版のようですな。あっ、けっこう古書価格も高いや。

タイトルを見て、「何い?宝島出版もかつては宗教書に手を染めていたのか!」と眉をひそめる向きもあるかもしれんが、おっとそりゃ誤解。
ヤマギシ会を描いた「洗脳の楽園」などで知られる宗教ジャーナリスト米本和広氏が、大川氏の著作を何冊も何冊も読破していくと、なぜか凡俗の徒にはわからぬ矛盾や事実誤認、暴論などが目に付き、気になってたまらないようになった。
そこに、大川先生の霊が現れた!!
この幸運に、米本氏は驚き、たいへんいい機会だと、その「大川氏の霊」に質問をしてまとめた・・・のがこの本なのです。


「そんなのデタラメだ!来てもいない霊をでっちあげて、『霊と話して、その内容を書いた』と称するなんて卑怯な。第一、ほんとに来た証拠も無いじゃないか」と言いたい人も中にはいるかもしれないが、何しろ同様の手法で書かれた本も某団体には多かったので、同じ手法に文句をつけようがないのです(笑)

目次紹介。

マンガ 大川隆法平凡からの出発;
年譜 大川隆法主宰先生亀のごとき半生;
大川隆法の霊言 神理百問百答;
第1幕 大川隆法主宰先生の基礎知識;
第2幕 大川隆法先生VS聖書・教典;
第3幕 大川隆法主宰先生の「霊言集」の証明;
第4幕 大川隆法主宰先生の「偉大なる常識」;
第5幕 大川隆法主宰先生の「他宗派撃滅法」;
第6幕 大川隆法主宰先生、人生の王道を語る;
第7幕 大川隆法主宰先生の愛と性の讃歌;
第8幕 大川隆法主宰先生の「本心」;
中川君への最後の手紙―大川隆法という「裸の王様」

第7章は高橋信次新興宗教GLAの主催者。同教団の教義は平井和正幻魔大戦」に影響を与えた)の霊が降りたということで、彼の名前であけすけに「愛と性」のことを語った本「高橋信次愛の讃歌」(という大川氏の本。ああややこしい。以下も同様)を元ネタにし、いろいろとその内容を紹介した章。時々「高橋さんの履歴と照らし合わせると、あなた(大川氏)本人の体験なんじゃ?」と米本氏がツッコむ場面もあったりで相当面白いのだが、ブログの品格上そのへんは自粛。


あと、「これはけしからんのでは?差別的なのでは?」という視点から米本氏がつっこむ場面もあるのだが、ただ宗教の場合は「どんなに社会的常識や良識に反するように見えても、これが神の正義なのだからしょうがない」と開き直れば攻めきれない(イスラムもキリストも仏教もヒンズーもそうだ)。

だから、個人的に一番注目したのは「●●の霊がしゃべった内容と、その●●の歴史的事実にこんなに違いがありますよ」という指摘だ。今回の紹介も、そのごく一部にかぎってやらせてもらう(スキャナーが無いので引用に手間暇かかるからだ)

以下、聞き手は米本氏、回答者は大川氏の霊。途中をだいぶ略したりまとめたりしている。

内村鑑三

Q:無教会派キリスト教創始者内村鑑三。彼は日清戦争に反対していたかどうか?
A:ナンですか、この幼稚な質問、内村さんが反戦主義者だったのは有名な歴史的事実・・・私の口をとおして内村鑑三さんの霊も語っていますよ。
「万朝報の職をも辞させねばならぬ状況になりました。なぜか。日清、日露の両戦争のためであります。つまり、わたしはクリスチャンの立場からいっても、こうした戦争に対して断固として反対した。それが理由です」(内村鑑三霊示集)

Q:大川さん、もう少し勉強してから霊言集を作ったら。内村鑑三が書いた「非戦論」を紹介しようか。
「吾人は信ず日清戦争は吾人に取りては実に義戦なり(略)・・・」内村鑑三自身は日清戦争には賛成だと書いているんです。

老子と中国語

Q:本にはこう書いてありますよ。
「【老子】 ニイハォ、バンチン、オウフウテイ・・・(中国語で自己紹介が行われる)」「ニイハォ」ってのも古代中国語ですか?実は「ニイハォ」という挨拶にはわずか数十年の歴史しかないんですよ。これは清朝末期から民国初期において、中国各地でバラバラだった挨拶の言葉を統一して作られたんですから。
A:君もほんとうに疑り深い男ですね。

ノストラダムスの新予言」から

Q:五島(五島勉)訳からのパクリはまだありますよ。
「私(ノストラダムス)も地上にありし時は、フランスの医者であり、また、単に医者にとどまらず予言書『諸世紀(センチュリーズ)』という予言詩のシリーズを書いたものとして知られておりました」(「ノストラダムスの新予言」)
さて、「諸世紀」の原題名はフランス語で、レ・サンテュリ=Les Centuries.
「サンテュリっていうのは『何かを百集めたもの』という意味の複数形。(略)『諸世紀』というのは誤訳で、正確には『百詩篇集』とでも訳さなきゃいけないんです。もちろん五島さんの『ノストラダムスの大予言』以前には、『諸世紀』と訳した例はほとんどないのです」(志水一夫氏)
なんでノストラダムスの霊が自分の詩集のタイトルを間違えるんですかね。
A:・・・・

いちおう念のために言っておくと、この当時と現在では、幸福の科学の教義には一部変更があるようだ。

また、「●●の霊言」は同教団の初期の活動で、今は大川氏名義で、大川氏本人が独自の思想、教義を語ることが多いようで、上のようなことはもうあまり無いだろう。上に上げた書物(霊言集)がいまも出版されているかどうかは分からない。


ま、そんなお話。
20日深夜に誤字修正と一部文章を推敲しました。)