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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

そんな中、NY州とMMAと州税とPPV(OMASUKI)

http://omasuki.blog122.fc2.com/blog-entry-458.html

アメリカ主要州の中でほとんど唯一、MMAを禁止し続けているニューヨーク州のボブ・ライリー議長のインタビューを抄訳。…あまり目にすることのない、反対派の意見についてのまとまったインタビュー…」とのことです、

個人的に興味深かったことを列挙

NY州議長「MMAが暴力誘発するのは証明済!」と断言、

A 私はいろんな調査結果に目を通した。暴力は暴力を引き起こすということは証明されている。メディアを通してであれ、ライブ興行であれ、あきらかに、暴力は暴力を引き起こすんだ。人の暴力に対する免疫力を無くしてしまうんだ。

これ。よく目にする理屈で、暴力的ポルノグラフティやデスメタル、暴力的ラップも含め(あるいは別物か?)「そういう表現に触れると自分たちも実際にやりたがる」「いや、代償行為になって実際にやる可能性は低くなる」という論争はそれこそ70年代から続いている。
私はMMAファンだが「医学的合理性や科学的な真実は好みや政策の是非とは別に存在する」と思っている(後日の、他のエントリにも絡んでくる)ので、実のところ「MMAやメディアの暴力シーンが、接した人の(あるいは未成年の)暴力性を増す」というのは、ひとつの仮説としての存在を認める。もちろん「代償行為となって減らす」とか「どうしようもない街の不良が、ルールの中での競技に移行することによって犯罪が減る、社会性や相手への尊敬を身につける」という傾向も仮説としては存在すると思う。


ただ、NY州の議長が「証明されている」と胸を張るような調査結果があるのなら、それはそれで見せてもらおうじゃないか、と思うけどね。仮説を証明に向け努力するのはいいことだ。もっともあらゆる社会学調査につきものだが、実験室で他の条件を同じにして比較研究できるわけじゃないから難しいのだけど。

ロビイストvs政治家。PPV数はやっぱり秘密。

UFCが来るのは一日だけだ。しかも彼らが支払う収税(※ママ。州税?)は、ほんの雀の涙だ。MMAのロビーイストがしばしばやってきては、必要なものがあれば用意しますと言うから、ならおたくのPPV売上の資料を見せてくれと頼んでいるのだが、持ってこない

日本とアメリカの政治の大きな差は、そういう存在は日本にもいるであろう「ロビイスト」が公の存在としてガラス張りに、あるいはあからさまに活動できること。
こういうやりとりをしているのは興味深い。
あと、コミッションがあれだけ権力あるアメリカでもPPV数の公開はないわけだ。
視聴率と同様なんだから公開されてしかるべきだ、とPRIDE時代から私は言っていたけど、そうもいかないのね。逆にネットメディアとか、よくPPV数を内部から入手できるよ。
スカパーの決算などを注意深く見守るしかないか。

上に関連して

MMA推進派は、州税額を入場領収入の3%で計算しているようだ。私が調べたところ、10%徴収している州もある。
(略)いま私が興味を持っているのは、PPV収入だ。(略)あらゆるスポーツの収入源はテレビなんだよ。MMAの何千億という売上もテレビが中心だ。PPV収入から発生する税収を計算してみたいんだが、彼らは情報を持ってこないんだよ。

どの国も政治家って、税金取るの好きだな、おい!!
でも、OMASUKIさんによると「ハワイ州での開催にUFCは興味を示していたが、同州の税率が10%になったらピタリと沙汰やみになった」という。日本国の政策でもよく「法人税の税率下げ杉」「あげたら企業逃げてくか海外に負けるぞゴルァ」という論争があるが。

けっこう中小店を細かい規制で保護している?NY州

格闘技とは関係ないが、すごく興味深い。

今ニューヨークでは、ワイン販売を、酒屋だけではなくて食料品店でも許可すべきかという議論をしている。私はこれに反対している。なぜなら、そんなことをすれば、州内の小規模な酒屋が倒産してしまうからだ。ほんとうなら魚市場や肉屋や花屋に行くべきところ、いまはみんなが巨大スーパーに行くだろう。そこで唯一買えないものがワインなんだ。私は小規模な酒屋を守りたい。彼らは地域経済に貢献している。

ふーん。これ日経新聞や朝日・読売なんかのトピックとして紹介されてもいいんじゃないか?
日本では90年代かな、酒屋の規制は非常に槍玉にあがって、規制で消費者が不便をこうむる象徴とされて、現在見事に撤廃され、現在みごとに地元の酒屋は潰れていってる。
ところがNY州は州として規制していたとは。

小泉・竹中構造改革(※酒屋の規制緩和はたぶん彼らの時代より前だが)の是非、のエピソードとしても使えるし、連邦政府レベルで規制緩和の旗を振り、市場開放を要求しつつ州レベルで地元を保護するアメリカのしたたかさ、もしくは悪辣さ…という文脈でも読むことができる。
面白い話題でしょ。



てなことで時間切れ。