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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

ポール・クルーグマンがノーベル経済学賞

経済学の専門的なことはさっぱりわからないので雑感でいうけど、ブッシュ政権を批判するリベラル派だが、日本には「インフレターゲット(調整インフレ)」を提唱していた。
別に矛盾はないだろうけど、日本で調整インフレを提唱していた人は自由主義的な論者が多かった(ような気がする)ので、奇妙なねじれがあるのかなあと。
あとは平談俗語的な啓蒙書でも知られていて、これは昨日紹介した書評で「やや扇情的」といわれた、訳者の山形浩生の手柄ですかね

リチャード・クー「90年代前半、みんな公的資金導入に反対してたじゃないか」

http://sankei.jp.msn.com/economy/business/081013/biz0810130302000-n1.htm

…思いだされるのは、平成4年当時の宮沢喜一首相の発言だ。

 当時はバブルがはじけ、株価と不動産価格が急落したところだったが、宮沢首相は銀行が抱える不良債権問題を解消するため、公的資金の投入を提案した。(略)だが、この発言には大変な反発が出て、宮沢首相は提案を取り下げなければならなくなった。それどころか、日本の政治家は誰もがこの公的資金の必要性を言えなくなってしまった。その結果、当局は銀行問題に対して何年も抜本的な対策を打てなくなってしまったのである。

 その後、旧住宅専門会社(住専)問題が顕在化し、政府は邦銀の国際的信用力を維持するため、6850億円の公的資金の投入を決めた。しかし、それに対する国内の反発はものすごかった。「公的資金」はさらにタブー視され、そのことが、9年の山一証券北海道拓殖銀行などの金融機関の破綻(はたん)につながってしまった。

(略) 当時の私は宮沢さんを応援し、公的資金の投入の必要性を訴えたが、多額の税金投入に反対するマスコミの流れを押し返すことはできなかった。

 もし、あの当時、宮沢首相の発言をもっとマスコミが冷静に取り上げ、「ここでちゃんとした対応をすべきだ」と応援していたら、日本の財政赤字は結果的に何十兆円も少なくて済んだだろう。そして景気もこんなに長く悪くなることもなかったはずだ。


たしかに自分も「住専騒動」は覚えている。あのとき、小沢一郎が党首で、創価学会が支持母体という、今では考えにくい(笑)巨大野党新進党がピケを張ったぐらいだった。新聞も反対・慎重論が多数。
だがいまは、どこの新聞も足並みをそろえて「各国は公的資金をはやく導入せよ」という主張だから、やはり経済学的な知識というのは90年代にいろんな実例をもとに成長したんだろうな。