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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

Google八分を規制できるか? 検索サイトに「公共性」の縛りはかかるか?

初音ミク」に関しては、そのソフトをどういう言う前に、この変な話題がありましたよね。
いまだに真相がどうなのやら分からない。
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2007/10/26/17320.html

Yahoo! JAPANGoogleで「初音ミク」を画像検索しても、適切な結果が表示されないという問題について、両社が対応を進めている。

 10月18日の時点では、Yahoo! JAPANでは検索結果が0件、Googleでは初音ミクとは無関係の画像が表示される状態となっていた。ヤフーとグーグルでは、いずれも表示におかしい点があることは認めながらも、原因については不明であるとして、調査と対応を進めるとしていた。

 Yahoo! JAPANでは10月25日現在、「初音ミク」の検索結果は…


まず、これが裏も無く技術的な問題だったとします。
そのとき驚くのが、

・・・今回の騒動の中では、マイクロソフトの検索サービス「Live Search」が注目を集める結果となった。Live Searchでの「初音ミク」の画像検索結果は・・・ほぼユーザーが求める検索結果となっている。
 この点についてマイクロソフトでは・・・、他社のサービスと比べて良い検索結果が出ているとすれば、9月末に検索エンジンの精度向上を図ったことが要因の1つではないかと説明。今回の騒動では、ユーザーの側から各社の検索結果の比較が話題となったことについては歓迎したいとして・・・

たくみなイメージ戦略や、もともとgoogleが挑戦者だったころの判官びいき、ソフト高価格路線と広告による無料サービス提供・・・などの違いもあって「金儲けと真似っこのマイクロソフト、技術者の創造性を最大限に尊重し、技術力で追随を許さないgoogle」というイメージがなんとなく定着、自分もまず検索ならば他の存在すら気にせずグーグルのグーグル信者だった。今回の話が、本当にエンジンの違い、性質に由来するであるというならばITに関し「常勝チャンプ、絶対王者はあり得ない」んだなあと実感したです。


と同時に、一部に流布されている「なんらの陰謀、意図で以ってわざと初音ミクの画像は検索で表示されない」っつう話をあえて仮定してみよう。広く言えばいわゆる「グーグル八分」の問題だよね。
(この言葉の定義もいろいろとあるのですが、まあいちばん広く、漠然と捉えてください)

これ、「悪徳商法マニアックス」なんかの関係で騒動も広がり、ITについては感度の鈍さで定評のある(笑)筑紫哲也ニュース23でも以前取り上げていた。お仲間のジャーナリストのサイトかなんかがそれに直面したとか何とかでしたか。

ウィキペディアの「グーグル八分」

こんな本も。

グーグル八分とは何か

グーグル八分とは何か


んで、一種の一般論というか共通認識なんだが、「企業活動は基本的に自由だ。しかし、公共性の高いものには企業=市場原理ではなく法が強制力を持って活動を規制したり指示したりするべきである」という考え方があります。

んで、「検索サイトに載らないことは、それだけで社会から抹殺されているに等しい」というのは、ややオーバーであるにしてもまったく荒唐無稽ではない、これも共通認識になったと思います。CMも、実社会の活動に基づき、長ったらしいURLではなく「○○(という単語)で検索、クリック!」という言い方にとうの昔になっている。

知らないうちに、「検索サイトは公共性がめちゃくちゃ高い」ということになってしまっているのだ。ここまでは異論無いですよね。


じゃあ、ふつーに食品衛生や建築基準に規制の枠があるように、検索ソフトサービスを行っているところに、法の規制をかけることはできないのか?と、まあ適当に考えてみる。

今回の騒動でもあった疑惑というのは、「何かの圧力や自社の利益で、検索結果表示を操作しているんじゃないか?」という話でした。いまのところ、検索サイトの公共性の議論だとこれが一番多いような気がする。中国にグーグルが進出するとき、あからさまにそういう規制を受け入れたわけだし、それがこっそり自由主義国での運営でも行われてないと誰がいえよう。

今もそういうところは、公序良俗に反するような検索結果を出さないような工夫もいろいろしていることは認めている。
これが合理的なら、誰もとがめない・・・・が、合理性を検証したり異論を挟む場も無いのだ。

たとえばここでSF的シミュレーションとして「グーグル八分を行うときは、その理由や事実関係を開示しなければならない」というような法律の規制が成立したとしよう。
さてどうなるか。
「これはおかしい」「いやいや、こういう理由なんでその結果が出ないようにしてるんです」「ああ納得しました」というような、透明性ある社会が出来るのかな。


もちろん、今のところ検索会社の言い分は予想が付く。
「排除した悪徳業者は、どういうふうにこっちが排除しているかが分かれば、技術的にそれを乗り越えようと工夫してしまう。それを防ぐには『どう排除しているか』を秘密にするしかない」

いま、検索ソフトにはナショナリズムもあるし、米国が絶対的な強さを持つコンテンツ、輸出企業でもあるから、下手に規制すると非関税障壁だなんだで貿易摩擦になるかもしれない。


つでにいうと、某UFCじゃないけど「そんな面倒があるなら、日本は捨てちゃえ。うちは世界的な優良企業、島国ひとつ捨てたってかまわないさ」てな感じで撤退したりしてね。つうかそもそも、日本からアクセスしてその検索サイトを使えばいいのだろうし(日本語のサイトを外国に置きゃいいだけだ)。


こういう形での、検索サイトの公共性を法的に確保する方法はあるのでしょうか。つうかそんなのそもそも要るのでしょうか。不要ではないのか。

このへんで投げっぱなします。スタイナー兄弟ばりの、投げっぱなしの乱発ぶり。