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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

「ガンダム00」の内容を会社の上司から教えられる(笑)

上のつながりで最近のサブカル話をもう一本。
昨日、職場の上司と昼食を採っていて、「今後のIT、ネットメディア、それに伴う経済変動の将来」をいろいろと話した。おお、ビジネスマンのパワーランチらしい。
そこで、佐々木俊尚歌田明弘か、てな感じで、ITメディアは、広告対象を絞り込むことでより大きな費用対効果を・・・みたいな話になったわけだ。そこで上司。
「君は、GYAOを見たことがあるか?」
「いや、知ってはいますけど、まだ見たことないんです」
「この前見たんだけど、あれは年齢などを登録してそれにあわせてCMを打ってくるから確かに効果的だ」
云々。
いやあ、わざわざGYAOを見るなんてすごいな、と思って、なんで見始めたんですか?と聞いたら

それが地上波で、この前の『起動戦士ガンダム00』の初回を見逃してさ
待て。いろいろと待て。


まあ、とりあえずギャオでもこの作品を見られるという情報は、このブログの読者にとっても有意義だろう。

http://www.gyao.jp/

んでまあとにかく、彼の口から設定やストーリーを知ることになったんだが、
あらやだ奥さん、今回のガンダム00はなんと宇宙暦じゃなくて西暦。この地上世界の歴史が続いているっぽいのよ。
(゜д゜)<あらやだ!

そして地球上の国が、三勢力に分かれているらしいのよ。
今、公式サイトで確認しました。
http://www.gundam00.net/story/index.html

西暦2307年

化石燃料は枯渇したが、人類はそれに代わる新たなエネルギーを手に入れていた。3本の巨大な軌道エレベーターと、それに伴う大規模な太陽光発電システム。しかし、このシステムの恩恵を得られるのは、一部の大国とその同盟国だけだった。

3つの軌道エレベーターを所有する3つの超大国群。アメリカ合衆国を中心とした『ユニオン』。中国、ロシア、インドを中心とした『人類革新連盟』。ヨーロッパを中心とした『AEU』。各超大国群は己の威信と繁栄のため、大いなるゼロサム・ゲームを続ける。そう、24世紀になっても、人類は未だ一つになりきれずにいたのだ……。

そんな終わりのない戦いの世界で、「武力による戦争の根絶」を掲げる私設武装組織が現れる。モビルスーツガンダム」を所有する彼らの名は、ソレスタルビーイング

ガンダムによる全戦争行為への武力介入がはじまる。


ふむう。
個人的には、いったんシリーズを銘打ったら、後日兄弟が終結できるよう世界観はひとつながりにしなさい、とティガやらなにやらも含め言いたいところだけど、バグがたまってリセットしないといいものができないんですよ(ガメラ)、とか、今までの権利はタイの実業家が持ってるんですよ(ウルトラ)とかいろいろ理由があるんでそりゃあしょうがない。


ところで、今この要約をようやく読んで(←洗練されたジョーク)言うのもなんだけど、このストーリー自体はいい意味で陳腐で既出・・・・・・いや、こういう表現は良くないし本心でもない。きちんというと「SFの中で熟しきったアイデア」だね、ということです。


地球上の諸国家が、未来において今と違う勢力圏、新国家となり、その中でさまざまな対峙、駆け引きがある・・・というのは、鬼面人を驚かす、それこそ口をすっぱくして当本舗で言っている「SFの入り口」「初心者、子供向けの”SF教育”」にはぴったりだし、また、それを契機に、普段のニュースに接するだけでは見えてこない、別の視点から世界を見ることも可能となってくる。

たとえばここから、現実の戦略論である
「海洋民主国家連合」構想
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20070531#p4
や、麻生太郎の「自由と繁栄の弧」、また、現実に動いている

上海協力機構」・・・大中華圏構想
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20060627#p3

対中接近は米国に対する当てつけにもなれば、ある種の牽制、保険にもなる。
社会の組織、政治の統治、世界の秩序・安定の理念と構想をめぐる二つの考え方の間の葛藤でもある。
米国は「北京・コンセンサス」という中国のアイデアに脅威を感じ始めているのである。


などを考えるきっかけに……なっても困るのだが(笑)、要は頭を柔軟にして世界を見る動機付け、には少年少女向けにはなるんじゃないかと思うのですよ。


SFの先例では・・・「1984年」から何から、いうだけでキリがないから略。


そして、
沈黙の艦隊」でひとつの頂点を極めたともいえる
「絶対的な武力を持つスーパーパワーが、『世界の平和』を本気で実現するためにその力を振るい始める」という逆説のドラマを展開しようというのだから、「おやっ」と少し注目したくは、確かになるじゃないか。

沈黙の艦隊(1) (講談社漫画文庫)

沈黙の艦隊(1) (講談社漫画文庫)

これは非常に難しいところで、ことに日本では「それはいいことです、それは正義です」という全面肯定の書き方はできまい。そこでの自己矛盾や葛藤、自責などを描くと、ちょっとお手軽に深い人間ドラマが浮かび上がる。

「お手軽に深い人間ドラマ」という表現に(?)や(怒)を感じる向きもあるだろうが、まあ言いたいことは伝わるでしょ。皮肉半分、エール半分ということで許されよ。仮にお手軽な苦悩にしかならなかったとしても、何も描かないよりはいいんじゃないか、とも思うし。


そういえば豊田有恒、ごく簡単な短編として「核を満載した宇宙衛星の中で、世界中から集まったエリート青年将校が決起し、地球全体を脅迫して世界平和を達成する・・」・というストーリーを書いていたな。
彼らは速攻で腐敗し、世界平和の次には美女と美酒を地球に要求してたのがおかしかったが(笑)。
だれか覚えてる?


まあ、是非とも新ガンダムシリーズは頑張ってください。
自分は見るのかな。最初も見逃したし、GYAOもなんとなく加入したくないしで、多分見ないだろうな。


http://www.gundam00.net/