http://www.mainichi-msn.co.jp/eye/hassinbako/news/20070928ddm002070128000c.html
発信箱:インフレ率10万%=中村秀明
世界で最悪の経済状況にある国はどこか?
自爆テロが続くイラクでも、大量虐殺とあふれる避難民のスーダンでもない。アフリカ南部のジンバブエである。
国際通貨基金(IMF)が「年末には年率10万%」と予測する超インフレに見舞われ、失業率は推定70%超。インフレ率10万%とは、きょう100円のモノがあすは300円、1週間後に約2000円になる世界だ。政府も手をこまねいているわけではない。ただし、無謀な対策だ。
6月に全商品の価格を強制的に半値にする「価格半減命令」を出した。命令が守られていないとみるや、警察が取り締まりに乗り出し、商店主や企業経営者を逮捕した。最近は、企業などに商品価格や賃金の値上げを禁止したようだ。
かつては英連邦の一員で、豊かな土地に恵まれた農業国だった。稼いだ外貨で教育と医療を充実させ、ムガベ大統領は「独立の英雄」と尊敬された。しかし、数年前から白人経営の農場を強引に国家管理にしたり、野党を弾圧するなど強権政治に走った。それが欧米の制裁を招き、経済状況は急変する。
食料不足に陥り、国民は飢えた。国の財源も不足したため、紙幣をどんどん刷ってしのごうとした。当然、ものすごいインフレがやってきた。
4年前、現地を取材した同僚は「独立戦争の苦しさを知る国民は戦いを望まない」というあきらめを聞いたという。国のリーダーが道を誤り、国民がそれを正そうとする熱意を失うと、どうなるか。超インフレという経済の生きた教材を提供するジンバブエ問題の底流は深い。(経済部)
毎日新聞 2007年9月28日 東京朝刊
人間だって馬鹿じゃない。
経済学だってそれなりに学問的蓄積をしているはずなのに、それでもWW1後のドイツのような破滅的インフレを引き起こすか。どうにかしろよ、としか言い様が無い。