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日垣隆『すぐに稼げる文章術』(幻冬舎新書、2006)の79〜80ページより
これは半ば冗談ですが、エッセイと論文は以下のように書き換えができます。
①「このあたりについて考えてみたい」(エッセイ)
↓
「本節では以上のことが論じられる」(論文)
(略)
③「小林はバカだ」(エッセイ)
↓
「小林の見解には再考の余地が残る」(論文)④「私にはわかりません」(エッセイ)
↓
「解明できた研究者は少ない」(論文)要するに、エッセイや論文には形式があるということです。
次に、 山内志朗『ぎりぎり合格への論文マニュアル』(平凡社新書、2001)の182〜188ページ
まず最初に、論文の文章にするために、私が目にした例を材料にしてどう書き直すと論文らしくなるか、いくつか挙げておく。
(中略)
・「この節ではこのことを中心に論じるつもりである」→「この節では以上のことが論じられる」
(略)私は分からない→解明できた研究者は少ない
〜はバカだ→〜の見解には再考の余地が残る
日垣の本はスカスカでどうしようもない濫作の一つなのだが、むろん山内志朗の著書(これは好著である。ぜひ読まれたい)のことなど一行も出てこず、参考文献にも挙がっていない。上記の文章も全て自らの独創であるかのように書かれている。これだけで盗作というのは大げさだが、日垣というのはかなり文章を書くにあたってのモラルが低い……
例示のやり方が同じ、というのは重要な指摘だ。