INVISIBLE D. ーQUIET & COLORFUL PLACE-

John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています 

山内昌之「レーニン公私混同しすぎワロタ」

より。

レーニンがいちばん革命家らしい(※ママ。「らしくない」ではなく「らしい」。)のは、公私の混同がブルジョワ政治家以上に激しかった点である。ウクライナやヴォルガ流域の国民が飢饉で苦しみ叛乱に立ち上がった1921年春でさえ、妻のクループスカヤのために、一般の国民であれば夢のような物品を調達している。また「スイス通貨で、小麦粉(できればライ麦粉)、ソーセージ、缶詰(できあいの調理済み食品ではなく)、肉、魚」などの購入を命じた記録も文書館には保存されている。クループスカヤのために、靴ひもや丸いフランスパンを頼んでいるのも、ほほえましいエピソードなどといって許されるのだろうか。
革命のためにレーニンに命をささげた犠牲者が泉下で知ったなら、愛人イネッサ・アルマンドレーニンの公私混同もはなはだしい関係に驚き、ついで呆れ果てることだろう。某命中の1909年に始まる二人の愛人関係が問題だというのではない。それは私事に過ぎない。しかし、革命後に、万事に付けて私を公に優先させるような振る舞いの多いことが問題なのである。
(略)
サナトリウムへ行きたくないのでしたら、カフカースのセルゴのところはどうでしょうか。セルゴは休息、太陽、すばらしい仕事を世話してくれるでしょう。きっとやってくれます。彼はあそこではカオがひろいから。よく考えてみてください…」(略)レーニンが関係組織に対して、イネッサとその子どもたちのために「最高の受け入れと治療を施すよう万全の措置をとられたし。個人的にも私のよき知人であり、党の同志でもある彼らに、完全なる信頼とあわゆる援助を与えられたし」と命令を出している。
さらに不思議なのは、イネッサにわざわざブーツの寸法を尋ねるといった類の電報や手紙を…(略)…国民経済が破綻に類し、多くの国民が飢餓と死の境目をさまよっているときに…(略)

短いエッセイを集めた本だったので、表題とは異なるテーマのこういう文章もあった。レーニン神話はもう消えたといえば消えたが、まだ残っているといえば残っている微妙な状態だと思う。そこではちょっと面白かった話なので記録する。