もうそろそろ、格闘技雑誌が出てきてここのネタも困らなくなるのだろうが、それに先んじて「ミルホンネット」のこれを取り上げよう。
http://miruhon.net/?main_page=products_new
タダシ☆タナカ+シュ-ト活字委員会
骨抜きにされたPRIDEとマット界スキャンダル
PRIDE身売り騒動の第三弾が解禁!
☆ヒョードル新独占契約のギャラは2億円?
☆複雑怪奇なフェティータ兄弟の財務戦略と会社設立
☆名刺回収?「米国DSE会長」という肩書きの功罪
☆フィッシュマン訴訟における東京在住の米人DSE弁護士とは?
☆高田道場が危ない!そして吉田秀彦の不安
(略)
今回の出版は、かなり時宜を得た。
というのはPRIDEの現在を解説するには当事者の内部情報も必要だが「会社設立」「買収」「税金」などの、「やや専門性があるビジネス界の一般論」・・・それも、日米のスキームの違いなども抑えておくことがもっと重要な状況になっているからだ。
その点では、アメリカの会社で働いていたこともあるという著者の分析や説明は、かなり要求水準を満たしていると思われる。
あとひとつありがたいのは、近頃めっきりキーパーソンのダナ・ホワイトがメディア露出が多くなり、その分「いつ、どこで」、彼がどんな文脈を語ったのかが、あちこちに分散して分からなくなっている。複数のサイトをネットサーフィンしていれば一応は目に入っても、だんだん混乱してしまう。
これはもちろん「GAME AND MMA」や「ヒロシです(涙)」など、一人が統一的に紹介していれば相当分かるので、ミルホンの筆者タナカ氏以外はできないというものではないだろうが、実際の話として「ダナ戦略」(あるいはフェテータ戦略)が俯瞰できる利点はある。
さて詳細。しょっぱなからこんな話が。
・・・合同現場監督であるダナ・ホワイト代表自らが、インタビューに「あの会社は調べれば調べるほど、無茶苦茶だったよ。つぶれるべくしてこうなったのさ」などと、不用意に答えてしまっている。
「収益構造が自分たちのものとは違う。複雑怪奇なスポンサーなしでは成立しないイベントは続けられない」と・・・
一段落目は放言、傲慢のたぐいかもや分からんが、2段落めが相当厄介だ。
つーことはこいつアレよ、スポンサーを集めてその協賛金前提でやるようなイベントはやりたくないってことでしょ。じゃあどうやるんだ、ってことになると「PPVの収益と、もしくは地上波放送の放映権料」ってなる。
でもさ、PPVを支えるケーブルテレビ普及やスカパー普及は日本ではごらんの通りなわけで。つまり「スポンサーなしではやれないイベントはやらない=PRIDE終わりますた」じゃねえかよ、このはげちゃびんが!!
まあいい、話を進めよう(高田総統調)。
興味深い話として、例のさかなクンことエド・フィッシュマンvs榊原信行の訴訟の話がある。損害賠償10億円、とは怪奇魚男も吹っかけたものだが
エド・フィッシュマンから仕掛けられた契約不履行による億円の損害賠償を求める訴訟にケリをつける日でもあった。・・・ネバダ州の会社が米国進出のパートナーとして雇ったのが、元プレイヤーズ・インターナショナルのオーナーだったエド・フィッシュマンである。・・・・・・・だったが、このフィッシュマンという爺さんもまた、勘違い野郎だったことは否めない。榊原が訴状で反論するように、「XXXXXXXXXXXていた」ことは間違いないからだ。
そう!うっかり忘れちゃうが裁判である以上、榊原側だって反論する。それも具体的に、微に入り細にわたって。何と、その榊原氏の反論は英文だが巻末資料となっているのだ。
「XXXXXXXXXXる約束が、・・・しか・・・てくれなかった」
「会場に・・・・・・はずが、彼が・・・・たのは・・・だけだった」
巻末資料の英文答弁書は、被告・榊原信行によるフィッシュマンへの罵詈雑言が並べられたもので、そもそも「仮にビジネスがうまくいかなかった場合、・・・・・・・・・・」という契約だったのに、実際に訴訟が起こされたことへの怒りがにじみ出ている。
この巻末資料を読み込めればいいのだが、あいにくそんな余裕は無い。
その後も、いくつかの新情報が並ぶ。
「郄田道場は月額300万とも400万とも噂された”選手育成費”を甘受していた」
「WOWOWとの契約を失ったUFCだが、11月3日に横浜アリーナで日本進出を準備中との噂がある。」
「DEEPの佐伯繁代表とそのプロモーション支援の約束もまた、UFC側が資金注入を続ける理由がないと反故にされてしまった」
最後が特に重要!
DEEPは非常にいいサイクルを生み出してて、トップ級選手の血の入れ換えなどもうまく行っているように見えたのだが・・・ダナ・ホワイトも、それを分かってて込みでPRIDEを買ったと思っていたが。
DEEPは今、後楽園などを満員にしているからそれなりに余裕もあるのだろうが、ややもするとその満員でも採算が取れないようなカードを組むことは周知の通り。
ただ、もしPRIDEを米資本が「うっちゃっとく」つもりなら、HERO'SももちろんあるだろうけどDEEPが「トップ級」になることもあり得るか。織田信長が暗殺された後の秀吉、家康みたいなもので、しらないうちにDEEPは天下分け目かも。
榊原
「ですが佐伯提督。私は、あなたに楽をしていただこうとは思っていないのです。実は、もっと不埒なことを考えていまして、後日のためにPRIDEの一部を、それも最も濃いエッセンスを保存していただこうと思っているのですよ。つまり、大昔のロビン・フッドの伝説で言えば、動くシャーウッドの森を率いていただきたいのです・・・」
元ネタの提示すらしねえや。
さらにうそかまことか、面白い話を。
いったんは表舞台から身を引いていたXXXXが、DSEの身売り話を聞いて血相を変えたという。
「ワシに断りもなく売ったというのは本当か? 金はどうなっとんじゃぁ!」
この電話に、榊原は縮みあがった。UFCからの金が、期日に届かず大騒ぎしている最中に、03年前半までは、PRIDE大会のリングサイドに陣取り選手に小遣いを渡していたアポロキャップの紳士は、・・・・・・の清算を要求してきたのだ
そういえばこの人は「資金」を貸していたという話は以前は聞いていたが「株式」は持ってないのかな。それにこれは会社として借りたお金だとしたら、会社として返さなきゃいけないだろうし、そのへんもどうなっているんだろう。
これは噂とかではなく、文章によれば「・・・のマネージャー役の太田氏によれば」と、近い人間から公式コメントを取り、その内訳まで説明を一部受けている。
ただ、最初にうそかまことかと書いたのは、この人は普通の商売と違って「コワモテなんだよ」「ウラの顔があって、裏社会に通じているんだよ」ということをほのめかすのが自分のパブリシティになる人だからね。
逆に、そういう貸し借りの流れがあることを宣言したがるかもしれない。
あ、でも確かに、いくら今は離れているとはいっても「PRIDEの外資買収に関し、いま私が思うこと」というようなインタビューや文章はまだ読んでない。これはうかつだ、だれか正式に聞いてみてくれ。
だらだら新情報などを抜き出していると話が進まないので、これを最後にしておこう。
何気に、PRIDE-DEEP系からKへの移籍候補?がまた一人?
・・・日本では当たり前のように組まれている、覆面をかぶっての試合も(引用者註:米国のコミッション規定では)許されていない。これによって、当初は元NHL選手ジョニー・モートンの、総合デビュー戦の相手候補とされたドス・カラスJrの参戦が不可能に。ロスの人口構成を考慮すればラテン系の観客動員こそ優先課題なのだが、ここでもまた安易に日本の常識に沿った計画が失敗したことになる・・・・・
えー、俺この選手好きだったんだけどなあ。もしこのままHERO'Sに行ったと仮定するとゲーリー・グッドリッジやアントニオ・シウバ、マイティ・モーあたりと戦うのかしら。
ところでジョー・モートン、謙吾と戦うべきであったよ(笑)
てなところで尻切れトンボだけどおしまい。