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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています 

ニック・ディアスが薬物反応で失格。この試合に傷は付くか?大麻の鎮痛作用に迫る

http://blog.livedoor.jp/nhbnews/archives/50760238.html

2007年04月11日【 DSE/PRIDE 】 ニック・ディアズの処分が決定 <  
http://gameandmma.blog29.fc2.com/blog-entry-645.html
「GAME AND MMA」さんより
http://gameandmma.blog29.fc2.com/blog-entry-645.html

 マリファナの成分であるDelta-9-THCの陽性反応により、ネヴァダ州アスレチックコミッションからサスペンドをもらったニック・ディアズの処分が正式に決まったとMMAWEEKLYが報じています。
・試合の日から6ヶ月(おそらく2007年8月24日まで)の出場停止
・ギャラの20%にあたる3000ドルの罰金
・五味対ディアズの結果はノーコンテストに変更

リンク先ではディアズ選手のコメントなども紹介されています。

さて微妙なのが、処分は処分として、あの戦いに傷が付くのか?という話だす。激戦だったよね。
以前、こんな一件があった。

http://www.shinmai.co.jp/olympic/19980212/0010.htm

長野冬季五輪のスポーツ調停裁判所(CAS)は十二日、ドーピング(薬物使用)違反があったとして決定した国際オリンピック委員会(IOC)の金メダルはく奪に異議を申し立てていたスキー・スノーボードのロス・レバグリアティ選手(カナダ)の処分撤回要求を認めた。この結果、IOCが十一日に下した同選手の失格、金メダルはく奪処分は取り消された。IOCは再提訴できず、この裁定が最終決定となる。

 ドーピング検査でマリフアナに陽性反応を示した選手の処分が解かれ、金メダルが復権したことは、薬物追放を目指すスポーツ界全体に大きな影響を与えそうだ。


細かくはいろいろあるんでしょうが、要は薬はクスリでいくないとしても、ステロイドや興奮剤のように筋力や運動能力を高めるもんじゃないでしょ、という考え方。ただ、もし薬物が、この試合に何らかの影響を及ぼすとしたら、スノーボードとは違って鎮痛作用、痛みに対して鈍感になることが有利になるんじゃないか?てな説を聞きました。


ま、「大麻は戦力を向上させる」と主張するグラップラーもいるが。

http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20070314#p1

(ひねリン)

マリファナ崇拝者のエディ・ブラボーは、自分の本で草キマった状態でスパーするとどれだけ調子がいいかとか、自分だけでなく世界トップの某柔術家(名前は明かされてない)もそうしているとか


さて、ココで格闘技談義はおしまい。余計な方向に進みます。
それは「大麻って昔からあったのに、手術の麻酔薬には使われなかったのだろうか?」という命題(誤用)。

世界の医術史において、麻酔というものが「あったらいいなー」とは思われつつ、なかなか実用化されなかったことは有名だ。

みなもと太郎風雲児たち」でも、当時、信頼にたる麻酔薬がないことはちょっとしたギャグとして何度も使われている。ロシアで大黒屋光太夫の仲間が凍傷の足切断手術を受けるとき、ウォッカを患者が意識もうろうになるまで飲ませた後、なべを頭に被せてクワーンと殴りつける。
「これがこの時代最高の麻酔か〜〜」と嘆くコーダユ。


宇宙家族カールビンソン」でも、ある人が面白がって医者の真似事をしたがり「手術しましょう」。
「せめて麻酔を!!」と懇願されて使用した「古代中国の麻酔」は囲碁板と碁石


「熱中してください。痛みを忘れるほどに」(爆笑)


たしかに、関羽も使った伝統ある麻酔なのだが。
で、大麻というのはなんとなくハイカラな趣きがあるけど、もともと大麻は日本に自生し、その効用も分からないわけじゃなかったそうだ。大麻ウィキペディア
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E9%BA%BB
 
ですが、麻薬部分は日本の伝統の中で占める位置が小さい気はしますね。いやもちろん、繊維としても食用としても油としても有意義でそちらの方面では大活躍、これに麻薬作用もあるというのが逆に効能ありすぎ、という気はしますが。



ここで、最近話題の星新一氏のエッセイ集「きまぐれ暦」を紹介します

きまぐれ暦 (1979年) (新潮文庫)

きまぐれ暦 (1979年) (新潮文庫)

この中に、医学と消毒、について書かれた一文が掲載されている。
時代劇なんかで、傷口に医師がぶっと焼酎でしぶきをかけて消毒しているが、そもそもその時点で「消毒」も「細菌」も概念が無かったはず。
(注)

1861 年 Semmelweiss(オーストリア)は、産科病棟での産褥熱が、医師や学生によって起こされることを指摘し、手の消毒で激減することを証明した。
1864 年 Lister(イギリス)は、単純骨折と複雑骨折の死亡率の異なることから、傷の化膿は外界の微生物によると述べ、消毒(石炭酸)を提唱した。1
889 年 Schimmelbush(オーストリア)は煮沸消毒器を考案した。
1890 年 Halsted により消毒した手術用ゴム手袋の着用を提案した。以後、次々に工夫され今日の無菌法へと発展した

本当にあったのか・・・・と疑問を抱いた星氏が色々調べる話で、結論としては、消毒の概念は無かったが、伝統な経験則としてそういう処置が存在していた・・・というのを、花岡青洲の手術記録なども提示して結論としている。子供にも分かる「疑問の着眼と、仮説とその調べ方」を述べた大変啓蒙的意味がある文章で、教科書に載せてもいいぐらいだ。


で、星新一はなぜ「焼酎」なのだろう、という論に「これは仮説だが」として、焼酎は麻酔代わりに使ったのではないか、それがこぼれたりした時にいい結果があったので、談々定着したのでは・・・という推測もしていた。


ことほど作用に、いや左様に怪我の処置のための麻酔は求められていた。なら、大麻でハイにして怪我や病の痛み止め・・・という方向に、歴史は進まなかったのかな。
いや、大麻の痛み止め効果が手術に役に立つレベルなのかどうかはしらん、やったことまだ無いし(笑)。
ただし「末期がん患者の疼痛を防ぐには、副作用とのメリットデメリットを勘案すると大麻が一番有効だ。なぜ許可しないのか」という意見もあるらしい。

カナダ、カリフォルニア、アリゾナなどでは既に医療の場で実用化されているとか。
調べたところ、ちょっとどれを信頼していいか分からないので「医療マリファナ」とか「末期がん 大麻」などで検索してみてください。


自身もがんで死んだ山本七平氏の絶筆は「がんは今、治療のほうの研究は進んでいるし注目も浴びるが、痛みを麻酔で抑える方法は現在でもかなり確立しているのに注目を浴びず普及が進まない」と訴えるものだったっけ。「MSコンチン」という麻酔だそうだが、科学に任せてたら普及が進まないから「コンチン使えば救われるぞよ」と宗教の形をとって布教しようか、とユーモアを交えて書いていた(1991年)。


【おまけ】消毒論争
上で、星新一の話から発展し、麻酔からわき道にそれて消毒の話をしたが・・・その補足で検索中に
http://www.wound-treatment.jp/
というのを発見。ウェブサイトで「常識と違う医学」を熱心に説く人は、かなりの確度でアレだったりソレだったりするのだが、確かに細菌「オキシドールを塗らない、傷ややけどがすぐ治る絆創膏」というのが売られている。
ゴッドハンド輝」にも出ていた。
さてこれから読んでみよう。



【メモ】
http://www31.atwiki.jp/tbs_compliance/pages/1.html

http://saeaki.blog.ocn.ne.jp/arita/2007/02/post_f752.html