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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています 

藤原嘉明は、胃がん宣告を受けて「プロレスラーはイガン(依願)退職だな」と思ったという。

これ、掲載された産経新聞を読んでブホっと吹き出したのを覚えている。
http://sankei.jp.msn.com/life/news/110121/bdy11012114510024-n1.htm

藤原喜明さん、がん宣告も現役続ける
 
……宣告から約3週間後の10月3日に入院し、5日に手術を受けました。それまでに一度、大阪でプロレスの試合に出ました。がんと宣告され、「あっ、これは胃がん(依願)退職だな」と思っていたので、プロモーターに「実はがんなんだ。きっと、今日が最後だから」と伝えました。

レスラーのセルフイメージを保つための強がりもあるだろうし、本当に宣告当時にこんなナイスジョークを考えたのかは疑問の余地もあるが、どちらにしてもりっぱだと思う。
ただ、レスラー・藤原本人としてはひとつのダンディズムなのだろうが一般の人とかあんまりまねしちゃいけないよ、という話も紹介の機会に伝えておきたい。

ちょっとせき込むだけでも傷口が痛む。「苦しいときは寝るに限る」と寝るわけです。パッと起きて「3時間ぐらい寝たのかな」と思うと、5〜6分しかたっていなかった。寝られない地獄でした。看護師さんがしょっちゅう来て、「痛くありませんか」と聞くんですが、痛くないわけがない。でも、「プロレスラーが『痛い』って言ったらみっともない」と思っていたんです。
 そのうち看護師さんが何回も何回も来るから、「おかしいな」と思い始めました。そうしたら、見舞いに来た人から「痛み止めを使っていないんじゃないの」と言われたんです。「じゃあ、やってよ」と言うと、看護師さんが「やっと、そういう(痛み止めを使う)気になりましたか」って。打ってもらったら、気持ちよく寝られて次の日の調子は最高でした。

以前、山本七平の絶筆となった「コンチン教」について触れたことがある。
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20070412#p1

自身もがんで死んだ山本七平氏の絶筆は「がんは今、治療のほうの研究は進んでいるし注目も浴びるが、痛みを麻酔で抑える方法は現在でもかなり確立しているのに注目を浴びず普及が進まない」と訴えるものだったっけ。「MSコンチン」という麻酔だそうだが、科学に任せてたら普及が進まないから「コンチン使えば救われるぞよ」と宗教の形をとって布教しようか、とユーモアを交えて書いていた(1991年)。

がんを患った人が病後、積極的に、体系的に痛み止めや麻酔を使っていい闘病環境を作るのは恥ずかしいことでも、弱虫でもない。逆にかの「関節の鬼」ですらも、痛み止めの効果的な使用によって「ぐっすり安眠」できるという、ペイン・クリニックの効果がさらに普及することを願う。
日本ではぜんぜん議論が進んでいないが「痛み止めとしての医療用大麻は効果的ではないか?」という議論もさらに進めてほしいものだ。