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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

麻酔直後の「せん妄」状態を描いた、或る漫画の一場面

この事件、自分も過去に記事を書いていて、そこへのアクセスも多い。
news.yahoo.co.jp


ここで話題になった「せん妄」に関して、某医師が関わっていたある医療漫画(この内容全体については後述)で、ちょっと迫真的な一場面がある。

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「医者を見たら死神と思え」1巻から、麻酔直後のせん妄の場面(本自体は、要注意!)
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「医者を見たら死神と思え」1巻から、麻酔直後のせん妄の場面(本自体は、要注意!)
 
数ページ空けて…
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「医者を見たら死神と思え」1巻から、麻酔直後のせん妄の場面(本自体は、要注意!)


以上の画面は、この書籍から。Amazon検索したら、偶然にも期間限定で1巻(と2巻)無料公開中でした。

なお、同作品はこの箇所は見るべきものがあったが、全体的にはとてもお薦めできない作品だ。
せん妄の記述の信用性自体を毀損するわけではないが、上の引用では空けた中に、引用した本の書名が載っている。その引用本のうち一冊が、この前民事訴訟で記述が名誉毀損と認定された、百田尚樹氏の「殉愛」だというのもなんちゅうか……


ただ、話を戻せば、もともと麻酔に関しては、泉鏡花の「外科室」の時代から、こういう話はあったわけで…

<1分で読めるあらすじ>

画家である「私」は、友人の医師・高峰の手術の様子を見学することになった。

外科室にて、手術が始まろうとする。
しかし、患者である夫人は、麻酔剤(ねむりぐすり)を打たれることを拒む。

「私はね、心に一つ秘密がある。麻酔剤は譫言(うわごと)を謂うと申すから、それがこわくってなりません。どうぞもう、眠らずにお療治ができないようなら、もうもう快(なお)らんでもいい、よしてください」
petite-lettre.com

これは作品そのものが読める。
www.aozora.gr.jp



麻酔とは、余りにも偉大なる医学の福音ではあるが、21世紀の今も、このような弊害を消滅させることはできなかった。何しろ、ある意味魔法のような効力を持つこの作用の「善」と比べれば、それは仕方ないことなのかもしれない。

「せん妄は 毎日いつも 起きている」(五七五)

togetter.com