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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

「物理学スーパースター列伝」

通信環境がよくなって、新聞の書評サイトを閲覧するのがたやすくなった。

今週の本棚:海部宣男・評 
『人物で語る物理入門 上・下』=米沢富美子・著 (岩波新書・各777円)
http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/gakugei/dokusho/archive/news/2006/04/30/20060430ddm015070048000c.html

・・・超一流の科学の天才たちの人生の対処は、やはり並の人間を越えているところがあって、そこはかとなくおかしい(・・・・)。アインシュタインの女性関係はかなり知られるようになったが、彼は最初の夫人との離婚に際し、ノーベル賞をもらったら賞金を全額慰謝料にすると約束した。受賞はその四年後だったが……。人格円満、律儀で知られたトランジスタの発明者バーディーンは、ノーベル賞受賞式で「式には子供さんたちも連れてこなくては」とスウェーデン国王に言われ、「次の時には連れてきます」と答えたそうな。噴きだしそうな話だが、十六年後、二度目の受賞(超伝導の理論)でそれが実現というのもすごい

 この本は、世界観を何度もひっくり返してきた物理学の発展のエポックを、その中心を担った科学者を軸に、軽快なタッチで紹介した。コンパクトな本ながら、大科学者たちの多彩な人生にも接することができる・・・

いまだに物理公式も頭に入らない、というか蒸発して脳内から消滅しているのに、こういう科学者のエピソードは大好きだ。これが科学立国に貢献するかって、そりゃしねえと思うが(笑)まあなぜかこういう話のほうはしつこく覚えてたりするんだよな(笑)。


この指摘も興味深い↓

ところで科学者といえば、ひげのお年寄りが相場だが、功成り名遂げてからの肖像画や写真の影響が大きいにちがいない。本書でも各章の扉絵の偉人たちは老人が目立つ。そんなイメージとは反対に、物理学や数学の重要な理論の構築がほぼ二十代でなされていることは、この本で再確認できる。若い頭脳は、鋭い思考や新しいものを恐れない創造性にとって、本質的に重要なのだ。そして彼らは、無名である。目先の効果や効率ばかり追うのでなく、そんな若者を励まし育てる社会であってほしい。

毎日新聞 2006年4月30日 東京朝刊