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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

ヒッグス粒子について某専門家が解説する

おとといのコメント欄より。

Poet 2012/07/05 17:04
いや、だから、その・・・・。重さ(重力を受ける強さ)と質量(慣性の大きさ)って、同じ単位で測るけどそもそも全く違う概念で、慣性の存在は全然自明ではないじゃないですか。むしろ対称性の観点からは、質量が存在していては困るという・・。あと、今回の発見は公式には、「ヒッグス粒子とは断定できないが、ヒッグス粒子と矛盾のない性質をもった新粒子の発見」ですね。
「黒い牛がいる」ではなく、「少なくとも我々に見えている片側が黒い牛が少なくとも一頭いる」みたいな言い方ですが。

gryphon 2012/07/05 17:18
「これ…が質量で、これ・・・が重さ。ちょっとときどきごっちゃになるねん。わかってるねんで」(大阪風)

Poet 2012/07/06 10:51
ヒッグス粒子とは断定できないが・・・」のために、83歳のPeter Higgsは、すぐにはノーベル賞をとれない可能性が大きいですね。順番的には来年のノーベル賞素粒子物理の番なのだけど。
ヒッグス粒子の理論は、南部陽一郎さんがノーベル賞を取った「自発的対称性の破れ」の理論が下敷きになっているので、自分はヒッグス粒子が見つからない限り、南部さんのノーベル賞もないと予測していて、見事にはずれましたが。

Poet 2012/07/06 12:11
一昨日から、あちこちで「ヒッグス粒子の簡単な解説」を頼まれているので、どこよりも簡単な解説にまとめてみました。(これでもわけがわからんと言われそうだけど・・)
エネルギーには、運動エネルギー、相互作用のエネルギー (これは物が高いところにある時の重力による位置エネルギー電荷をもった物体が電磁場中で受けるエネルギーなど)の他に、質量エネルギーがある。アインシュタインがE=mc^2って言ったやつで、重力や電磁場が作用していない、運動していない粒子でも質量エネルギーを持っているわけですね。本質的には、この「存在しているだけで持っている」質量エネルギーが慣性などの性質として現れる。
素粒子は、電荷や質量のような属性を持つわけですが、電荷というのが何かと突き詰めると、電磁場と相互作用する強さですね。電磁場中では、素粒子電荷に比例した相互作用エネルギーを持つ。
同じように、質量とはヒッグス粒子との相互作用の強さだと考えられる。ヒッグス場の中では、素粒子は質量に比例したエネルギーを持つことになる。電磁場の場合は、わざわざ外から電場や磁場をかけなければ電磁相互作用エネルギーは発生しないわけですが、ヒッグス場というのは、宇宙に常に存在しているため、素粒子は(素粒子で構成されている全ての物体も)常に質量エネルギーを持つことになる。
これは、南部陽一郎氏の「自発的対称性の破れ」の理論により、宇宙というのは対称性が破れていて、ヒッグス粒子で満ちていることによって安定しているため。

ぼ、ぼ、ぼ、ぼくはよくわかったでげすよ。
知ってますがな、長崎行てきたちゅうてますやろ。「ちりとてちん」でしょ、長崎で朝、昼、晩とあれ食べてましたがな。酒のアテに良し、ご飯のおかずにたまりまへんで・・・