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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

格闘技と「小集団戦闘」の違いについて

いや、違いが分かるわけでもないんだが、ちょっと本日は格闘技の生のネタ無いし以前書いた

http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20060209#p1

の続きを書こうと思ってな。まず再録しておく。

この前、「なぎなた論」が意外なほど反響を呼んだので再論。

まず、最近におけるビッグコミックの「最強伝説 黒沢」について書きたい。

よく考えたら、連載当初から比べて、黒沢のオヤジの性格の豹変と言うか、立場と言うか指導力と言うか、つうかそもそも漫画の性質と展開自体が、変わったような変わらんような。

つうか、夏目房之介氏が書いてたように思うが、黒沢の思考や発想、ボキャブラリーって実はかなりインテリじみてるよな。でもまあ、これぐらいの漫画の路線変換なんて少年ジャンプでの「何でもトーナメント」にくらべりゃ甘いんでね(笑)。そっちは本題じゃないし。

最新号で、黒沢は、高校生の集団と戦争?になろうとする浮浪者たちに「角材の、先だけ黒く塗った」武器を与える。なぜ、先だけ黒く塗ったかというと、「夜の戦いで、先だけ黒ければ、相手は白いところだけ目について長さを見誤る。黒い部分が知らない間に相手に届く!」というのだ。

なるほど!!

たぶん、実際の武器にあるのだと思うが、作者のというか登場人物たる黒沢のというか、実に舌をまく凄い発想、アイデアだ。

考えてみれば、格闘技ブーム、対決ものブームというのもそれなりにあり、そこからホーリーランドなどのように格闘技の技術論に踏み込んだ漫画も多数ある。

しかし「最強伝説黒沢」のように、集団的な戦闘、それも銃やマシンガンのではなく、それなりに日本で起きるかもしれずおきないかもしれない、数十人単位での「武器」でなく「凶器」を使った抗争の技術論を説く作品というのは、こちらの不勉強なのかほとんど記憶に無い。

いや、ひょっとしたら、

「清く舞い散る

 桜のように

 咲かせて魅せよう

 男花!!」

とか、そんなキャッチコピーが踊る、男と漢と男闘子の物語、

要は90年代の少年チャンピオンか、「漫画ゴラク」系ではあるのかもしれないが(偏見)そっちのほうは知らないからな。

で、これが伊賀甲賀の忍術とも関係してくる。

(続く)

これを書いたのは二月ですが、引用した「最強伝説黒沢」も、また別に念頭にあった「ヒストリエ」もようやく今月、集団戦闘が始まろうとしてるところだ(笑)。あんたら展開遅すぎ。後者は休載しすぎ。
ヒストリエは、敵軍から脱出した同国人のふりをして内部に潜入するという、その数千年後にイゼルローンを某魔術師が攻略したのと同じ戦術を使おうとしているな。やや三国志の「苦肉の計」も混じる。
黒沢軍は、指揮の維持と高揚に一苦労しているようだ。



この前の話に戻って。
最後に「で、これが伊賀甲賀の忍術とも関係してくる。」のは何かというと、初期は歴史小説というよりむしろ忍術に代表される伝奇小説の書き手だった司馬遼太郎の説による。

つまり忍術というのは何かというと、山やら谷やらで田畑が細分化され、小さい村や小領主が乱立していた伊賀甲賀地方では、小競り合いがしょっちゅうある。
「大軍に兵法無し」てな言葉もあるが、大軍に必要なのは指揮系統の確立や武器装備の充実、補給戦の確保。

しかし伊賀甲賀の小集団戦闘においては、先端を黒く塗った黒沢軍の棒のような、小手先のアイデア、だましのテクニック、個人の武勇、意表をついた心理戦などが大きな要素をしめる。互いに戦い、騙しあうことでそれを術に高めていったのが伊賀甲賀の「忍法」であるというのだ。

ゲリラというか、パルチザンだね。
さてさて、チーマーばやりの現在、4対4とか10対10ぐらいでどう闘えば勝てるかということを体系的な技術体系としているような武術というか軍学はあるか。


・・・すいません、知らないのでオチのつけようが無かったわ。

ホーリーランド

一応、対複数みたいな話をもっともらしく描いているのが「ホーリーランド」の3巻だ。
ここでは梶原一騎以来、ガマ・オテナ師匠の教えとして定着していた「相手が多人数なら、相打ち覚悟でボスを倒せ!」という学説に異議を唱えている。

彼は正当なる梶原一騎の(一部の)後継者だが、だからこぞ偉大な巨人を乗り超えられたのかもしれぬ。
ああ、剣道や棒術なんかにも話を広げたかったがこれは後日だな。


サバイバルゲーム

そういう「小集団戦闘」の面白さを、いま競技として成立させているのは・・・ラグビーフットボール、あるいはサッカーを入れてもいいんだろうけど、そこまで話を広げないとして(あ、「水雷艇ごっこ」や「ドロケー」もありだなと今思いついたが、話が飛ぶので一応は無視)、一番ゲームデザイン的に優れているのは「サバイバルゲーム」じゃないだろうか。


私たちもじつはごく初期、銀玉鉄砲に毛の生えたようなレベルのものでやってた経験があるけど、あれはかなり面白いものですよ。それに体を動かすアウトドアスポーツですかし、それこそ「男の魂に火をつけろ!」的なゲームですよ。(いや女性も楽しめる、間違いなく)



こんなに面白いゲームではあるが、サバゲーに全国大会があるとして(あるのかよ?)そのテレビ中継は無いし、サバイバルゲームを題材にした漫画も無い。

やっぱりまあ、ほんとにやりたいと思ったら暇人を集めなきゃいけないのではあるが、日曜サッカーや日曜野球もあるんだし。でも接待サバゲーとかがあったら、よくないよな。八百長はびこりまくり。

藤子・F・不二雄に「休日のガンマン(夕日のガンマンのパロ)」という作品も有りました。